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●永渕健一裁判長、東電旧経営陣の刑事裁判で「無罪」《判決の中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる》

2019年10月10日 00時00分30秒 | Weblog


ビデオニュース・ドットコムの記事【劣化した司法に大規模事故は裁けない 添田孝史氏(科学ジャーナリスト)/マル激トーク・オン・ディマンド 第963回(2019年9月21日)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/963/)。

 《判決の中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる。…今回の判決は業務上過失致死傷の立証に必要とされる「予見可能性」と「結果回避可能性」の2要件のうち、予見可能性まで否定してしまった》。

   『●東電原発人災…《「失敗の本質」とその責任を
     問》うた上で、核発電「麻薬」中毒患者に「原状回復」させよ
    《「東電原発裁判 福島原発事故の責任を問う」添田孝史著…。
     …福島原発事故は、膨大な放射能をまき散らして大地や水を
     汚染し、今もなお続く避難生活で「原発関連死」が千数百人に
     及んでいる。これほどの事故を起こしながら、いまだに誰一人
     として罪を問われていないことに納得できない人は多いだろう。
     そこで福島県民らが国や東電を「事故は予見可能で、
     対策を怠った」と告発したが、東京地検は2度にわたって
     不起訴とした。だが、東京電力の元経営者3人に絞り、
     検察審査会で強制起訴を勝ち取ったものだ》

 《予見可能性まで否定》していて、核発電所を稼働していいの? 《事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかった》ってどんな論理? アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断をまたしても見せつけられた。そもそも、地震によって破断などの致命的な事故が発生した人災である。阿部岳さんの、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]「東電無罪」の論理】によると、《▼「あらゆる可能性を考慮して必要な措置を義務付けられれば、運転はおよそ不可能になる」とも。言い出したらきりがない、という居直りが加わって未曽有の犠牲が出た。判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》。
 誰も責任をとらない…。《誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》。裁判所が、それを認めてしまっていいのか? 《東電刑事裁判が露わにした、そうでなくても劣化が著しい司法が、大規模事故や高度の技術的な問題を裁くことの限界》…。

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる
               浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●阿部岳さん【「東電無罪」の論理】《「…運転はおよそ
    不可能になる」…判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》
     ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」

   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
     取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御
     できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》
    《倫理観も正義感、透明性、そのすべては原発という国策の前では
     治外法権だといわんばかりだ

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http://www.videonews.com/marugeki-talk/963/

劣化した司法に大規模事故は裁けない
ゲスト 添田孝史氏(科学ジャーナリスト)
番組名 マル激トーク・オン・ディマンド 第963回(2019年9月21日)

 判決の中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる

 東京電力福島第一原発事故をめぐり、旧経営陣3人が業務上過失致死傷で強制起訴されていた裁判で、9月19日、東京地裁は3被告にいずれも無罪の判決を言い渡した

 確かに検察が二度までも不起訴処分とした事件だ。検察審査会の二度にわたる起訴相当議決によって強制起訴はされたものの、有罪に持ち込むことが容易ではないことは当初から予想されていた。また、企業が引き起こした事件の刑事責任を特定の個人に負わせるためには、多くの法的な壁が存在することも想像に難くない。

 しかし、今回の判決は業務上過失致死傷の立証に必要とされる「予見可能性」と「結果回避可能性」の2要件のうち、予見可能性まで否定してしまった。そもそも今回検察審査会が強制起訴に至った理由は、最高クラスの権威が集まった政府の地震調査研究推進本部2002年に策定した巨大地震の長期評価をもとに各電力会社が予想される津波水位を割り出したところ、福島第一原発においては+15.7メートルという数値が2008年3月の時点で既に出ていたという事実を重く受け止めた結果だった。

 つまり、東京電力は実際に15.7メートルの津波が発生する危険性があることを2008年の時点で知っており、武藤被告を始めとする幹部たちもその後1年以内に、その事実を知らされていながら、対応を取らないまま2011年の3月11日を迎えたことがあの大惨事につながったというのが、検察審査会の議決の骨子だった。検察審査会は、今回のような大津波は十分に予見が可能だったし、対応するだけの十分な時間もあったと判断したわけだ。

 ところが、今回の判決で裁判所は、実際に津波対策を取るための十分な時間がなかったという理由で「結果回避可能性」を否定したばかりか、地震調査研究推進本部の長期評価や東京電力が自らの子会社に作成させた15.7メートルという予想される津波水位も確定的なものではなかったので、本当にそのような高い津波が来ることが予見できたとまでは言えないという、驚くような判断を下してしまった。

 この裁判の傍聴を続けてきた科学ジャーナリストの添田孝史氏は、原発の津波に対する脆弱性の問題は1990年代から指摘されてきた問題で、東電は一貫してこれを先延ばしにすることで、ほとんど何も対応をせずにきたと指摘する。今回も2008年に15.7という数値が出てから東京電力は、あらためて土木学会に検討を依頼するなど、明らかな時間稼ぎをしていた。

 女川原発を持つ東北電力東海第二原発を持つ日本原子力発電のように同じ長期評価を受けて、然るべき対応を取った電力会社もあったことを考えると、これは東京電力に深く根付いた体質と言わねばならないと添田氏は語る。

 それにしても東電はなぜ、防潮堤を15.7メートル超までかさ上げすることに、そこまで強く抵抗したのだろうか。添田氏は、防潮堤の工事の費用くらい東電にとってはなんでもないが、問題はその工事の期間中、福島第一原発の操業を止めなければならなくなることを東電は嫌がったのだろうと説明する。

 15.7メートルの津波が来る可能性があり、現在の津波対策がそれに対応できていないのであれば、現状では福島第一は安全ではないことになる。地元では当然、その間は止めろという話になる。

 ところが、当時の東電は2007年の新潟県中越沖地震で損傷を受けた柏崎刈羽原発が止まっていて業績が悪化していた。更にその上に福島第一を止めるということは、東電としては何としても避けたかったのだろうと、添田氏は言う。

 強制起訴によってこの事件が刑事裁判に持ち込まれたことによって、公判の場で東電内部で何が起きていたのかが白日の下に晒され、3つの事故調を持ってしても全く表に出てこなかった多くの事実が明らかになった

 その意味で、判決は無罪であっても、強制起訴には大きな価値があったことは間違いない。しかし、日航機ジャンボ墜落事故やJR西の脱線事故など、大規模な事故が起きるたびに叫ばれる強制捜査権を持たない事故調査委員会の非力さと、個人を刑事訴追する以外に事実究明の手段がないという不条理な日本の法制度は、そろそろ解決されるべき時に来ているのではないだろうか。

 技術がここまで発展した今日にあっても、いや技術が高度になればなるほど、残念ながらこれからも大規模な事故は繰り返されるだろう。その時に、原因究明が原因企業の善意の協力と、個人の刑事責任の追及に依存したままでは、再発防止はどうにもおぼつかない。

 原発問題を長年取材し、当初からこの裁判を傍聴してきた科学ジャーナリストの添田氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が、東電刑事裁判が露わにした、そうでなくても劣化が著しい司法が、大規模事故や高度の技術的な問題を裁くことの限界などについて議論した。


PROFILE
添田孝史(そえだ たかし)
科学ジャーナリスト
1964年島根県生まれ。88年大阪大学基礎工学部生物工学科卒業。90年大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了。同年朝日新聞社入社。科学部などを経て2011年より現職。国会事故調査委員会で協力調査員として津波分野の調査を担当。著書に『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判 福島原発事故の責任を問う』など。
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●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?

2017年10月28日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017101102000132.html)と、
社説【福島原発判決 国の責任を明確にした】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101102000134.html)。

 《福島県須賀川市で八代続く農家の樽川和也さん…▼だが、福島第一原発の事故は、久志さんと先祖代々の情熱が染み込んだ土を汚した。地元産のキャベツが出荷停止になったとの知らせが入った翌朝、久志さんは自ら命を絶った》。
 《国と東京電力の両方に賠償を命じた福島地裁の判決だった。原発事故の被災者ら約四千人が起こした裁判で、津波の予見性とその対策をしなかった責任を明確にした点は極めて大きな意味がある》。

 東京電力核発電人災で《情熱が染み込んだ土を汚》され、その「大地を受け継ぐ」…。その大地は《原状回復》されたのか? 大地を汚された他の方は、遺言として「原発さえなければ…」と書いた。

   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
         東京電力原発人災と自殺には因果関係あり
    《東電は、私の家に来て父の仏前に線香をあげて欲しい
     それがなければ、和解したといっても心が晴れない

   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
    《とても、そんなんで済む損害じゃねえべ
    「《もう取り戻せない、償うことなどできない現実》…「原状回復」なんて
     決してできない「現実」だ。一体誰が「こういうふうにした者たち」なのか、
     こんなとんでもない「現実」を生み出した者たちなのか?
     誰一人、責任をとろうともしない」
    《土と生きる豊かな暮らしは、あの日、一変した。福島県須賀川市で
     農業を営む樽川和也さんは、東京電力福島第一原発の
     事故後まもなく父親を自死により失った。田畑も放射能で汚染された。
     東京で20日公開のドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」で
     苦悩を訴えている。もう取り戻せない、償うことなどできない現実を聞いた》

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った
     樽川和也さんが語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」が
     劇場公開されている》
    「「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが
     二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ!
     「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、
     「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要」

 福島地裁で、《和也さんら福島の人たち三千八百人余が「原発事故で奪われた生業(なりわい)と地域を返せ」と起こした裁判の判決が出た》。残念ながら《原状回復》は認められなかったそうだ。
 《国も東電も福島第一原発付近では最大一五・七メートルの津波を予見することができた》し、さらには、《実際に〇八年に東電自身がそのように試算している》、《全電源喪失による事故回避は可能だった》。にもかかわらず、《国も東電もすべきことを何もなさず》、よって、《原発事故は予見できたのに手を打たなかった人災》だった。

   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ


 アベ様らや電力会社、原子力「寄生」委員会は、核発電所を次々に再稼働させました。また、インド等に核発電輸出をすると言います。アノ東電も、柏崎刈羽核発電所を再稼働すると言います。
 アベ様や東電は、福島の皆さんが安心して故郷へ一刻も早く戻れるように、早く「原状回復」して見せて下さいよ! 再稼働、輸出するなんて、話はそれからでしょ?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017101102000132.html

【コラム】
筆洗
2017年10月11日

 福島県須賀川市で八代続く農家の樽川(たるかわ)和也さん(42)は、キャベツの悲鳴を聞いたことがあるという▼樽川さんの父・久志さんは、土づくりにこだわる人だった。「一センチのいい土ができるには、百年かかる」と言い、堆肥づくりに手間暇を掛けた。その土で育てた野菜は築地市場で評価され、自慢のキャベツは学校給食でも人気だった▼だが、福島第一原発の事故は、久志さんと先祖代々の情熱が染み込んだ土を汚した。地元産のキャベツが出荷停止になったとの知らせが入った翌朝、久志さんは自ら命を絶った▼出荷できなくなった七千五百株のキャベツは、畑でむなしく育った。大きくなりすぎたキャベツはパリッパリッと音を立て、真っ二つに割れた。和也さんには、それがキャベツの悲鳴に聞こえたのだ▼衆院選が公示された昨日、和也さんら福島の人たち三千八百人余が「原発事故で奪われた生業(なりわい)と地域を返せ」と起こした裁判の判決が出た。福島地裁が政府と東電の責任を厳しく認めて賠償を命じたとの一報を、和也さんは稲刈りの最中に聞いた▼久志さんは、遺書は残さなかった。ポケットの中に歩数計機能付きの携帯電話があり、その歩数は、およそ七百。自宅裏のキャベツ畑を見てから、命を絶ったのだろう。それから六年半。私たちは、どんな方向に、どれほど歩いてきたのか立ち止まって考えたい、衆院選だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101102000134.html

【社説】
福島原発判決 国の責任を明確にした
2017年10月11日

 国と東京電力の両方に賠償を命じた福島地裁の判決だった。原発事故の被災者ら約四千人が起こした裁判で、津波の予見性とその対策をしなかった責任を明確にした点は極めて大きな意味がある。
 「なりわいを返せ、地域を返せ」のスローガンで全国最大規模の訴訟だった。原告は福島の全五十九市町村ばかりでなく、宮城、茨城、栃木にまたがった。
 居住地の放射線量を事故前の水準に戻す「原状回復」を求めたが、これは認められなかった。だが、国と東電に対し、約五億円の賠償を認めた。この判決が画期的といえるのは、原告勝訴に導いた論理の明快さといえる。
 まず出発点に挙げたのが、「長期評価」である。文部科学省の地震調査研究推進本部。その地震調査委員会が二〇〇二年に作成した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」のことだ。
 これを判決は「専門的研究者の間で正当な見解として是認されたものであり、信頼性を疑うべき事情は存在しない」と断言する。
 そうすると国も東電も福島第一原発付近では最大一五・七メートルの津波を予見することができた実際に〇八年に東電自身がそのように試算しているのだ。
 判決はいう。経済産業相は長期評価が公表された後、シミュレーションに必要な期間が過ぎた〇二年末までに、東電に対し非常用電源設備を技術基準に適合させるよう行政指導するべきだった。東電が応じない場合は、規制権限を行使すべきであった。
 判決は津波対策の回避可能性についても、さらに具体的に言及する。安全性確保を命じていれば、東電はタービン建屋や重要機器室の水密化の措置を取っていたであろうから、全電源喪失による事故回避は可能だった-。
 何と整然とした論理であることか。国の責任をはっきり明言した判決に敬意を払う。次のようにも書いている。

   <経産相の〇二年末の津波対策義務に関する規制権限の
     不行使は、許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠いていた

 〇二年から東日本大震災の一一年までの間、国も東電もすべきことを何もなさず、ただ漫然としていたのである。
 大地震も大津波もたしかに自然の力による天災であろう。しかし、原発事故は予見できたのに手を打たなかった人災である。そのことが、今回の裁判でより鮮明に見えてきた。
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●四国電力「瀬戸内海に津波は来ない」と津波対策無し…「想定外」「想定不適当事故」という悪夢

2016年08月14日 00時00分33秒 | Weblog


東京新聞の山川剛史記者による記事【伊方、不安置き去り再稼働 周辺自治体に広がる懸念・反対】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016081202000241.html)。
LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の伊勢崎馨氏による記事【再稼働した伊方原発は日本で一番危険な原発だ! 安全審査をした原子力規制委の元委員長代理が「見直し」警告】(http://lite-ra.com/2016/08/post-2491.html)。

   『●破滅的思考: 寿命核発電所伊方原発1号機廃炉の
               プルサーマル伊方原発3号機再稼働?

 《川内1号機の再稼働から一年たち政府は原発活用を加速させたい考えだが、伊方原発近くには長大な活断層「中央構造線断層帯」が通り、熊本地震を機に活発化する懸念や、事故時の避難計画の実効性に不安も根強い》。
 《「新規制基準を満たせば、事故はある程度で止まる」。そんな危うい仮定の上で、伊方原発の「安全」は成り立っている》。
 《同原発の正門前では、朝早くから地元住民や市民団体が抗議を行い、3号機が起動した午前9時には「今すぐ止めろ」の怒号がとびかった。こうした声はたんに原発そのものへの反対というだけではなく、もっと切実なものだ。というのも、伊方原発は日本に55基ある原発のなかでも“もっとも危険な原発のひとつ”と指摘されているからだ》。

 三反園訓鹿児島県知事は《原発のない社会をつくる》を標榜しています。しかし、先代の知事や九電、原子力「ムラ寄生」委員会、アベ様らによる究極の無責任、悪しき「川内方式」を踏襲し、プルサーマル伊方原発3号機が再稼働してしまいました。再稼働してから考えましょ、方式。「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、「安全より効率、命より経済」を優先…経済性についても怪しく、かつ、電力は余っている。内海の滅亡のリスクを高める無駄な再稼働。

   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                  原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
     良いのでしょうか? 今回も、大津地裁山本善彦裁判長は、
     「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
     《安全性の立証責任は電力会社側にあり
     現実に起きた東京電力福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の
     社会通念は、原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるもの
     になっている》。関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
     至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
     大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄…」


 熊本大分大地震の教訓は皆無。南海トラフの問題もある。四国電力は《瀬戸内海に津波は来ない》と津波対策は無し…「想定外」とか「想定不適当事故」という悪夢。東京電力核発電所人災の二の舞。
 しかも、地震そのものへの備えも、元原子力「ムラ寄生」委員会委員からその不備を指摘される始末。地震の備えも不十分、津波対策は無し、避難計画は無茶苦茶の三重苦


   『●「原発さえなければ…」:  
       それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」

   『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
                     放射線測定器で測ることはできない」
   『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
                    地震国日本では、これこそ社会通念」
   『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
             いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき
   『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
       川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…
   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
                            …「規制緩和」委員会(©東新)
   『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
       穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…
   『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ 
      いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?
   『●熊本大分大地震の最中、
     伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ
    「熊本大分大地震がまだ続いているというのに、正気か? 
     しかも、プルサーマル核発電「麻薬」患者の救いの無さ。破滅的思考。
     原子力「ムラ寄生」委員会原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)や
     電力会社、自公議員、……、等々、(言葉が悪くて、すみませんが)
     はっきり言って、アタマオカシイのでは?」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016081202000241.html

伊方、不安置き去り再稼働 周辺自治体に広がる懸念・反対
2016年8月12日 夕刊

     (伊方原発3号機(右)=12日午前、愛媛県伊方町で)

 四国電力は十二日午前、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)を再稼働させた。東京電力福島第一原発事故を踏まえ策定された原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発では九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)に次ぎ五基目。川内1号機の再稼働から一年たち政府は原発活用を加速させたい考えだが、伊方原発近くには長大な活断層「中央構造線断層帯」が通り、熊本地震を機に活発化する懸念や、事故時の避難計画の実効性に不安も根強い

 日本一細長い半島に位置し、事故時には住民避難も収束作業も支援も困難が予想される四国電力伊方原発3号機(愛媛県)が再稼働した。九州から四国を通って本州に至る活断層「中央構造線断層帯」に沿って発生した四月の熊本地震後、豊後水道を挟んだ大分県各地の議会で、再稼働への懸念や反対を表明する動きが広がっている。その一方、暑い日が続く中でも四国の電力需給は安定無理をしてまで原発を動かす大義は見当たらない

 いくら地震や津波の対策をしても、原発のリスクはなくならない一般的な工業施設なら、事故の影響は限定的広範囲かつ長期にわたる影響が出る点で、原発はやはり別格と言える。

 何度、伊方の地を訪れても、雄大な美しい光景に圧倒される。その半面、尾根筋を走る一本の国道を除けば、道は細く険しく、岩肌ももろい。事故に備えて進めている道路拡幅は未完成のまま。住民避難計画では海を渡って大分などに避難するというが、現実的と受け止めている住民には出会ったことがない。地震が起きたら道は寸断される可能性があるためだ。「港に行く前に、閉じ込められる」と多くの人が語った。

 険しい半島の岩場を切り崩し、埋め立てて造った原発。敷地に余裕はない事故時の対策拠点も必要最低限の施設で、休むスペースはなく、トイレも仮設が一つあるだけ。福島のような高濃度汚染水問題が起きても、保管するためのタンクの置き場も見当たらない。「新規制基準を満たせば、事故はある程度で止まる」。そんな危うい仮定の上で、伊方原発の「安全」は成り立っている。 (山川剛史
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http://lite-ra.com/2016/08/post-2491.html

再稼働した伊方原発は日本で一番危険な原発だ! 安全審査をした原子力規制委の元委員長代理が「見直し」警告
伊勢崎馨
 原発 2016.08.12

     (四国電力HPより)

 本日12日、愛媛県にある四国電力伊方原子力発電所3号機が再稼働された。鹿児島県の川内原発、福井県の高浜原発に続く、新規制基準下では3番目の再稼働だが、同原発の正門前では、朝早くから地元住民や市民団体が抗議を行い、3号機が起動した午前9時には「今すぐ止めろ」の怒号がとびかった。

 こうした声はたんに原発そのものへの反対というだけではなく、もっと切実なものだ。というのも、伊方原発は日本に55基ある原発のなかでも“もっとも危険な原発のひとつ”と指摘されているからだ。

 その理由はいくつかあるが、いちばん大きいのは、伊方原発が日本でも有数の大地震に襲われるリスクを抱えているということだろう。伊方原発のそばには日本最大級の断層帯である「中央構造線断層帯」が、南には活発で大規模な地震発生源の南海トラフが走っている。

 特に「中央構造線」は、九州の西南部から、四国を横断し紀伊半島、関東にまで延びる日本最大級の活断層で、熊本大地震で大きな注目を浴びたものだ。これまでこの「中央線構造線」は活動していないと思われていたが、実際には九州、四国などでおよそ2000年に1回動いており、1595年に四国西部から九州東部にかけ、「中央構造線」を震源とするマグニチュード8クラスの巨大地震が起こっていたことも判明している。

 そして伊方原発は、この「中央構造線」が走る断層からわずか5キロ、ほぼ真上といってもいい場所に立地しているのだ。

 しかも、「中央構造線」は熊本地震をきっかけに活動が活発化、熊本地震で断層の延長上にひずみがたまったことで、四国側の「中央構造線」が動く危険性が指摘されている。もし「中央構造線」を震源とする地震が起きれば、伊方原発を10メートルを超える大津波が直撃する恐れがある。

 しかし、四国電力は一貫して「瀬戸内海に津波は来ない」と津波対策をとっておらずこのままでは福島第一原発事故の再現が起きかねない

 伊方原発は津波だけでなく、地震本体についてもまったく無防備だ。熊本大地震では垂直加速度1399ガルが記録されたが、伊方原発は最大でもたった基準地震動485ガルの想定でしか設計されていない。伊方原発付近でマグニチュード8〜9の巨大地震の可能性があることを文科省の特別機関である地震調査研究推進本部さえも認めているが、もしこの規模の地震が起きたら、とても耐えられる設計ではない。さらに発生確率が極めて高い南海トラフ巨大地震が起こった場合も同様だ。

 実際、今回、同原発の安全審査を合格させた原子力規制委員会で2014年まで委員長代理を務めていた島崎邦彦氏は、これまでの原発の耐震設計基準では熊本地震と同レベルの地震に耐えられないと基準地震動の「過小評価」を指摘、伊方原発3号機についても基準地震動の緊急な見直しが不可欠だと警告していたが、これも一切無視されたままだ

 そして一度事故が起こってしまえば、その影響は甚大なものとなる。伊方原発は、日本で唯一、内海に面している原発であり、外海に面していた福島原発事故と比べても、瀬戸内海における放射能汚染の濃度は格段に高くなることが予想され、またその影響は長期に及ぶだろう。しかも、伊方原発ではプルトニウムMOX燃料が使用されるが、これも事故の際のリスクを高めるものだ。

 さらに、事故の際の住民たちの避難も困難を極める。伊方原発は佐田岬半島の入り口、付け根部分に立地しているが、その先の半島部分には実に5000人もの住人が生活している。もし伊方原発で事故が起こり、放射性物質が放出されても、住民は原発に向かってしか避難できないことになってしまう。つまり逃げ場を失ってしまうのだ。

 こうした現実には一切目を向けず、「新基準に合格した」ことだけを突破口にして再稼働にひた走る電力会社と政府政府は「事故が起こったら責任を持って対処する」などとうそぶいているが、一旦事故が起きてしまったら、いくら「責任を持って対処」しても手遅れだし、そもそも福島原発事故の対応を見れば、政府が「責任を持って対処」することなど大ウソだということも明らかだ。

 伊方原発周辺で大地震が起きれば、必ず福島原発事故の再現となる。そして、多くの住民が犠牲となる。無謀な再稼働に対し、そのことだけははっきり明言しておきたい。

伊勢崎馨
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●東電核発電人災避難者の《「怒り」と「慟哭」》、「理由も知らされず避難し、人格が否定された気がした」

2016年03月01日 00時00分40秒 | Weblog


東京新聞の原発取材班による記事【原発事故の説明もなく「逃げろ」 情報なき避難を証言 本社で座談会】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016022690070725.html)と、
社説【原発事故起訴へ やはり「人災」でないか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022702000153.html)。

 《どの人も、原発事故を知ったのは発生翌日で、避難を指示された時も理由を知らされなかったと証言。すぐ戻れると思って着の身着のままで避難したため、非常に苦労することになったと訴えた》。
 《福島第一原発事故は東京電力が津波対策を怠ったためだ-。検察官役の弁護士が元会長らを近く強制起訴する。想定外の事故ではなく、「人災」ではないか、公の裁判で真相に迫ってほしい》。

 チェルノブイリでの教訓が…全く活かされていない。小出裕章さんの講演で良く引用される写真を思い出した。例えば、ブログ『みんな楽しくHappy♡がいい♪』(http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-141.html)から、《先程の迎えのバスに3日分の手荷物を持って乗ろうとしている写真です / ふたりの女性は泣きながらバスに向かっています / 前の女性は鍋かヤカンをもっているようだ / 「この女性は猫を抱いている」と教えてくれた人がいます / 多分長い間猫と一緒に住んできて避難しろと言われた時に猫が捨てられなくて一緒に連れていった / このまま二度と自分の家に戻れなくなった》。

   『●「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●再稼働ありきの「世界最高水準の規制基準」
                  という「世界一の無責任」さ
   『●「世界初のフルMOX原発で、年に約一トンのプルトニウム」を
                    燃焼させて「安全」と言い得る自信に慄く
   『●旧原子力安全・保安院の「やらせ」や「圧力」
        ・・・・・・どこが一体「安全」や「保安」なのか?
   『●東京電力原発「人災」は未解決なのに、
           川内原発を再稼働しようという愚行
   『●東京電力原発人災、
     「被災者の「怒り」と「慟哭」の声」が心に響かない哀しい人達

 東京電力核発電暴発は「人災」であることが明白であり、アベ様ら自公議員や原子力「寄生」委員会、九電・関電は再び「犯罪」を犯そうとしている。「被災者の「怒り」と「慟哭」の声」が心に響かない哀しい人達。

   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」: 「麻薬」患者の
          関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016022690070725.html

原発事故の説明もなく「逃げろ」 情報なき避難を証言 本社で座談会
2016年2月26日 07時07分

 東京電力福島第一原発事故後の避難状況や今の思いを語り合ってもらおうと、東京新聞は二十五日、福島からの避難住民を東京都千代田区の本社に招き、座談会を開いた。どの人も、原発事故を知ったのは発生翌日で、避難を指示された時も理由を知らされなかったと証言。すぐ戻れると思って着の身着のままで避難したため、非常に苦労することになったと訴えた。 (原発取材班)

 参加したのは、浪江町から茨城県つくば市に移住した三浦和加子さん(70)▽富岡町からいわき市に移住した藤原和詮(かずよし)さん(64)と妻の栄子さん(67)▽楢葉町から都内の区営住宅に避難中の山内悟さん(61)と妻の敬子さん(53)▽大熊町から新潟県柏崎市に避難した女性(57)と、同市で避難住民の支援を続ける増田昌子さん(51)の七人。柏崎市の二人は、二十六日まで本社で開催中の「ふくしま 避難住民の手仕事」展に古い着物を再生した手芸品を寄せている。

 参加者に、原発事故をいつどのように知ったかを尋ねたところ、東電や公的機関から情報を得た人はいなかった。大熊町の女性が、地震後に「原子炉は安全に停止しました」というスピーカーの呼び掛けを聞いただけだった。

 事故発生の翌日、防護服姿の警察官を見て異変を感じたり、言われるまま隣町に逃げ、そこで見たテレビで建屋の水素爆発を知ったりという状況だった。

 どの人も数日で帰れると思い、普段着にジャンパーを羽織っただけといった軽装だった。後に原発事故を知り、「もう帰れないと絶望感にかられたり、健康保険証を持参しなかったため、病院で多額の請求をされたりしたという。参加者は「理由も知らされず避難し、人格が否定された気がした」「せめて、何と何を持参してほしいくらいは言うべきだ」などと訴えた。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022702000153.html

【社説】
原発事故起訴へ やはり「人災」でないか
2016年2月27日

 福島第一原発事故は東京電力が津波対策を怠ったためだ-。検察官役の弁護士が元会長らを近く強制起訴する。想定外の事故ではなく、「人災」ではないか、公の裁判で真相に迫ってほしい。

 大地震と大津波という自然現象に伴う原発事故ではあった。自然現象に不確実性はあるものの、原発事故という大災害が起こり得るケースに対しては、「万が一」という細心の注意が必要で、できる限りの十分な措置も事前に講じておかねばならない

 検察庁が東電元会長ら三人の幹部に対して、「不起訴」という立場をとったため、市民による検察審査会が検討した。その結論が「強制起訴」であり、それに基づき検察官役の指定弁護士が二十九日に起訴すると明らかにした。

 確かに大地震の可能性は発信されていた。政府の地震調査研究推進本部の長期評価では二〇〇二年段階で、マグニチュード(M)8・2クラスの津波地震が発生する可能性があるとされた。〇八年の段階では、長期評価を用い、東電側で明治三陸地震をモデルに試算すると、一五・七メートルもの大津波が押し寄せる-。そんな結果も出していた。巨大津波が来れば、原発は水に覆われてしまう。

 そんな重大な指摘があったのに、東電側はまるで時間稼ぎをするかのように土木学会に検討を委ね、対策を先送りしていた。国側に試算の報告をしたのは、東日本大震災の直前になってからだ。

 〇六年段階でも、津波によって非常用海水ポンプが機能を失い、炉心損傷に至る危険性があることや、全電源喪失の危険性があることも分かっていた。なぜ必要な対策をとらなかったのか。

 国際原子力機関(IAEA)の報告書では「『日本の原発は安全』との思い込みにより、関係機関には、安全レベル(向上)に挑もうとしない傾向があった」と明確に記している。

 原発運転では核分裂を伴う以上、機器の故障や運転ミスだけではなく、あらゆる過酷な状況を想定しておくべきなのだ。IAEAの報告書はそのような観点にたっている。東電はまさに「安全だ」という思い込みに陥っていたのか。それとも組織的怠慢だったか。

 刑事裁判が開かれることで当時の幹部らが原発事故とどう向き合っていたのか、肉声を聞くことができる。レベル7」の最悪事態を招いた根本原因を突き止める裁判でありたい。
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●東京電力原発人災、「被災者の「怒り」と「慟哭」の声」が心に響かない哀しい人達

2015年08月19日 00時00分05秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【東電元会長らを強制起訴に 原告弁護団の執念と“裁判の行方”】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162323)。

 「安全対策そっちのけで拝金主義に走った「東電のドン」は被告席で何を語るのか。裁判ではあらためて被災者の「怒り」と「慟哭」の声を思い知ることになる」。
 もう4年半近くが経過して、電力会社の誰もが罪に問われない異常。自民党議員も反省や懺悔を口にする者はほとんど皆無。

 ましてや、「原発事故調書 原因不明、責任不在」でも再稼働できる電力会社やアベ様らの神経を疑う。「安全対策そっちのけで拝金主義」に走る九州電力やアベ様ら、そして、経団連などの財界、「地元」の政治家達、それをサポートする田中俊一委員長はじめ原子力「ムラ寄生」委員会の面々。「寄生」委は誰ひとり反旗を翻せないのか? 「被災者の「怒り」と「慟哭」の声」が心に響かない哀しい人達。

   『●東電原発人災の3.11を再び目前に:
     「原発事故調書 原因不明、責任不在」でも再稼働できる神経を疑う


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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162323

東電元会長らを強制起訴に 原告弁護団の執念と裁判の行方
2015年8月2日

    (2011年3月会見時の武藤元副社長(右端)と
      勝俣元会長(右から2番目)(C)日刊ゲンダイ)

 今も約11万人が避難生活を余儀なくされている未曽有の大惨事から約4年4カ月。ようやく“戦犯”が法廷に引きずり出されることが決まった。31日公表された東京第5検察審査会(検察審)による勝俣恒久元会長(75)ら旧東電経営陣3人に対する2回目の「起訴相当」議決。今後、東京地裁が指定する検察官役の指定弁護士が3人を「強制起訴」し、原発事故の責任を問う初の刑事裁判が始まる

 議決日は7月17日付で、「強制起訴」されるのは勝俣元会長と、武藤栄(65)、武黒一郎(69)の両元副社長。東京地検は2度にわたる不起訴の理由として、「想定外の規模の津波を予測するのは困難で、回避措置を講じても事故は防げなかった」と判断していたが、検察審は真っ向から反論。議決では「原発事業者は『万が一にも』『まれではあるが』発生する津波による災害にも備えなければならない」と指摘し、勝俣元会長らが「過酷事故が起きる具体的な予見可能性があった」と認定。「運転停止を含めたあらゆる措置を講じるべきだった」「ひとたび重大事故が起きると、放射性物質の大量排出により、人類の種の保存にも悪影響を及ぼしかねないという事柄の重大さを忘れた誤った考えだ」と痛烈に批判したのだ。

 原告側のほぼ主張通りの議決内容だ。

   「原告弁護団の執念勝ちですよ。13年9月に東京地検が
    勝俣元会長らを不起訴にし、検察審に審査を申し立てて
    以来、弁護団は上申書という形で何度も追加資料を
    検察審に提出してきました。02年の
    政府地震調査研究推進本部による予測で、
    福島沖をM8クラスの地震が発生する可能性が
    指摘
されていたこと。指摘をもとに東電が08年6月に
    15・7メートルの津波が福島原発に押し寄せる危険性を
    認識
していたこと……。中でも『起訴議決』の決定打と
    なったのは、6月に提出した上申書です。東電役員に
    対する株主訴訟で、東電が08年9月の会議で
    津波対策は不可避という文書を作成していた事実が
    判明。弁護団は早速、その内容を検察審に伝えるとともに、
    『原発の安全対策を対応せず、そのことを十分に
    認識しながら、会社の最高機密として内外に
    隠し通していた
』と批判しました」
    (司法ジャーナリスト)

 気になる裁判の行方はどうなるのか。原告代理人の海渡雄一弁護士はこう言う。

   「東電が、緊急かつ必要な津波対策を怠っていたことを
    裏付ける社内資料はたくさん残っています。私は
    有罪判決が出る可能性は十分あると考えています。
    (検察官役の)指定弁護士を物心両面で支えるとともに、
    我々(弁護団)も被害者参加制度を利用して裁判に
    加わりたいと思います」

 安全対策そっちのけで拝金主義に走った「東電のドン」は被告席で何を語るのか。裁判ではあらためて被災者の「怒り」と「慟哭」の声を思い知ることになる。
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●東京電力原発「人災」は未解決なのに、川内原発を再稼働しようという愚行

2015年08月11日 00時00分16秒 | Weblog


東京新聞の二つの社説【フクシマは“人災”か 東電元幹部を強制起訴へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080102000137.html)、
【原発再稼働 安全とは言わぬまま】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080802000130.html)。

 「福島第一原発事故は東京電力が津波対策を怠ったため起きた-。それが検察審査会の結論だった。“人災”だったのか、公の裁判の場で決着をつけたい」。
 明らかに「原発人災」である。しかも、津波の前に既に破壊・破断が起こっていたのではないか?

   『●予想された東京電力原発人災と裁判官の責任
   『●様々な意味で人災である
   『●東京電力原発人災: 
      津波による天災ではなく、地震で破断していた?
   『●醜悪な構図2:
      原発人災・汚染の原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」

   『●東電原発人災の3.11を再び目前に:
      「原発事故調書 原因不明、責任不在」でも再稼働できる神経を疑う


 「四国電力 伊方原発原子力規制委員会の規制基準に適合し、九州電力 川内原発の再稼働は迫る。多くの不安をのこしたままで、適合すなわち再稼働という短絡を、定着させてもいいのだろうか。川内原発(鹿児島県)、関西電力 高浜原発(福井県)に続いて伊方(愛媛県)は「適合」三件目。ここでもやはり、避難計画の実効性や、地震に対する備えの甘さが不安視されている。にもかかわらず、政府や電力事業者は、それで再稼働の“お墨付き”を得たという」。
 さらに東京電力柏崎刈羽原発を優先審査だそうです・・・・・・あまりの愚行

   『●東京電力柏崎刈羽原発を優先審査: 
      原子力「ムラ寄生」委員会は「規制」のお仕事をしてくれ!

   『●原子力「寄生」委員会の審査に通ったからといって何だというのでしょう?
   『●原子力「ムラ寄生」委員会の机上の空論:
          「大幅に下回」るように計算すれば下回る

   『●東京電力原発人災での「想定不適当事故」を
         想定しなかった教訓が全く活かされていない

   『●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、
     「風船爆弾」が語ることにこそ真実はある ~川内原発再稼働問題~

   『●火山の巨大噴火時の緊急核燃料輸送に
          何時間、何日間? 答えは「2年以上」!

   『●九州電力川内原発を再稼働させてはイケナイ: 
         何のための専門家会合? 市民の意見提出??
   『●「今後の運転期間はせいぜい三十年間。
     その間の噴火はないだろう」との推測下、川内原発規準OK


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080102000137.html

【社説】
フクシマは“人災”か 東電元幹部を強制起訴へ
2015年8月1日

 福島第一原発事故は東京電力が津波対策を怠ったため起きた-。それが検察審査会の結論だった。“人災”だったのか、公の裁判の場で決着をつけたい。

 自然現象に不確実性はある。しかし、原発事故という大災害を招きかねないケースにおいては、「万が一」の事態も事前に想定しておかねばならない

 十一人の市民で構成する東京第五検察審査会は、そのような極めて常識的な立場にたって、福島第一原発事故を検討したといえよう。検察が「不起訴」判断だったのに、東電元幹部らに刑事責任が問えると、ぎりぎりの判断をしたのも、そうした常識観の反映だとみることができる。


◆大津波の試算があった

 もちろん、「想定外」の事態を扱う場合、その安全対策をどこまで考えておけばいいのか、どのような具体的な条件設定をすればいいのか、難しいポイントは数々ある。検察審査会の市民が重視したのは政府の地震調査研究推進本部の長期評価である。

 二〇〇二年の段階で、マグニチュード(M)8・2クラスの津波地震が発生する可能性があると指摘されていた。〇八年の段階では、長期評価を用い、東電側で明治三陸地震をモデルに試算すると、一五・七メートルもの大津波が押し寄せる-。そんな結果も出していた。巨大津波が来れば、原発は水に覆われてしまう。

   「十メートルの敷地高を超える津波がひとたび来襲した場合には、
    電源喪失による重大事故が発生する可能性があることは、
    そのとき既に明らかになっていた」

 検察審査会の議決書では、そう記している。東電元幹部の刑事責任を問うには、まず注意義務違反があったかどうか、重大な事故となる予見可能性があったかどうか、などが焦点になる。市民の感覚は、そのいずれも「あった」と断じるものだった。


◆安全だと「思い込み」が

 そもそも一五・七メートルもの大津波が来るという重大な指摘があったのに、東電側はまるで時間稼ぎをするかのように土木学会に検討を委ね、対策を先送りしていた。

 その点について、検察審査会は「最悪の場合、原発の運転を停止せざるを得ない事態に至り、東電の収支を悪化させることを危惧した」と述べている。

 東電は津波によって非常用海水ポンプが機能を失い、炉心損傷に至る危険性があることや、全電源喪失の危険性があることも分かっていたのではなかろうか。

 「検察審査会は素人判断だ」などと侮ってはならない。国際原子力機関(IAEA)が作成した福島第一原発事故の最終報告書でも、巨大地震や大津波は「想定外」とする東電と国の主張を真っ向から否定しているからだ。

 その報告書では、「『日本の原発は安全』との思い込みにより、関係機関には、安全レベル(向上)に挑もうとしない傾向があった」と明確に記しているのだ。しかも、約二百四十ページにも及ぶ報告書には「思い込み」という言葉を何度も刻み、国や東電の対応のまずさを指摘している。

 原発運転では核分裂を伴う以上、機器の故障や運転ミスだけではなく、地震や津波、洪水などに対しても万全の対策が求められる。それでも対策は突破され、重大事故は起きるものだ。IAEAの報告書はそのような観点にたっている。東電はまさに「思い込み」に陥っていたのではないか。

 ただし、今回の「強制起訴」議決によって、東電元幹部を有罪視するようなことがあってはならない。白黒をはっきりさせるのは、あくまで裁判の場である。

 〇九年に新しい検察審査会の仕組みが出来上がってから、初の強制起訴となった兵庫県明石市の花火大会で起きた歩道橋事故のケースは、時効成立による「免訴」の判決が出た。尼崎JR脱線事故では、JR西日本の歴代三社長は「無罪」判決で、両事件とも最高裁に係属中だ。政治資金規正法をめぐる陸山会事件では、小沢一郎元民主党代表は「無罪」が確定している。


◆法廷で真相に肉薄を

 むしろ、福島第一原発事故のケースでは、当時の東電の幹部たちが、原発事故とどう向き合っていたのか、公の法廷で肉声を聞くことができる。証言や証拠が開示され、われわれ国民の前で明らかにされる意義が極めて大きい。

 少なくとも検察は強制捜査に踏み切ることもなく、業務上過失致死傷罪での刑事訴追について、「想定外だから罪は問えない」と一蹴してしまった。

 「レベル7」の過酷事故は本当に防げなかったのか。天災なのか、人災なのか、被災者も注視している。真相に肉薄することが、今後の裁判に期待される。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080802000130.html

【社説】
原発再稼働 安全とは言わぬまま
2015年8月8日

 四国電力 伊方原発原子力規制委員会の規制基準に適合し、九州電力 川内原発の再稼働は迫る。多くの不安をのこしたままで、適合すなわち再稼働という短絡を、定着させてもいいのだろうか。

 川内原発(鹿児島県)、関西電力 高浜原発(福井県)に続いて伊方(愛媛県)は「適合」三件目。ここでもやはり、避難計画の実効性や、地震に対する備えの甘さが不安視されている。

 にもかかわらず、政府や電力事業者は、それで再稼働の“お墨付き”を得たという

 規制委の「適合」判断は、再稼働の必要条件ではあるだろう。だが、十分条件とは言いがたい

 多くの原発は半島に立地する。特に伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている。

 愛媛県が策定した事故時の広域避難計画では、原発前の国道を通って松山市などに向かう陸路と、フェリーに乗って大分などに逃れる海路が想定されている。

 だが、南海トラフ地震と原発事故の複合災害が発生すれば、道路は寸断、港が荒れて船も使えず、孤立化する恐れは強い。

 共同通信が六月中旬に実施した調査では、伊方原発から半径三十キロ圏内十二万三千人の避難先になる六県十九市町のうち、受け入れ態勢が「整っている」「どちらかというと整っている」と答えた自治体は一県七市町にとどまった。

 大分県と愛媛県は、愛媛県側住民を船に乗せ、大分県側に運ぶ避難訓練を、秋に実施するという。

 順序が逆だこんな大事な訓練をする前に、再稼働の“許可”が出されて、いいのだろうか

 福島第一原発事故をめぐる検察審査会の起訴議決にも「原発に関する責任者は『万が一』の災害にも備えなければならない義務を負う」とあるではないか。

 そもそも数千人が船で海上に逃れなければならないような大事故は、万が一にもあってはならないことではないか。

 「適合」判定第一号の川内原発は、十一日にも再稼働第一号になるという。だが、規制委も政府も自治体も、誰も「安全」を保証していない

 事故発生時の責任を、誰が、どう取るのかも、あいまいなままではないか

 このような状態で、規制基準「適合」=「再稼働」という図式を定着させてしまってもいいものか。もう一度よく考えたい。
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