天国と地獄

昨日の夜、電車を降りてぞくっとした。
やたら身軽だ。そして手ぶらだ。
またやったか、あれを。
バッグ置き去り事件。
落し物常習犯のあたしは、何度かそんな事件を起こしてる。
そして毎回ちゃんと戻ってくる。
でも今回は、よりによって一番高くておっきなバッグ。

連日同様、超残業。
営業たちの打ち上げみたいなのを社内でしてて、ついでにビールを一本飲んだ。
帰りの電車で、重さに耐えかねてバッグを網棚に乗せた。
そして、うっかり寝ちゃったんだな、これが。
あ、降りなきゃって思ってぽんと降りた。手ぶらでね（笑）。

駅員さんはとっても親切で、全駅に問い合わせてくれた。
でも、ないってよ、、、。
真っ青だ。
“何が入ってますか？”の問いに、ぼんやり頭のあたしは、
“お財布、定期、携帯でしょ、、あと、缶ビール”
“ビールですか！？”
“ええ、ビールです”
そう、余ったのを一本入れてたんだな。
全財産と言っても過言じゃない。
お財布、定期入れ、携帯、書きかけの小説、化粧ポーチ。あとビール（笑）。
金額だけでざっと見積もっても３０万はくだらない。
恥かしメールも、大事なひとたちの個人情報も詰まってる。
痛い！痛すぎる。
それだけに、戻ってこないだろうな。。久しぶりに泣きそうになった。

でも死ぬよかまし！火事よかまし！よかったよかった！
そう思って生きていこうと思った。

手馴れた感でカードや携帯を止めて眠れぬ夜を過ごし、
朝になって電話で問い合わせたけどないって。泣くぞ！
そしたら！直通運行の違う路線に電話してみると、
“あらら、一式ですか”
と気の毒そうな声のお兄さんが、
“届いてますよ”
だって！！
人生って美しい、と思いました。

駅員さん、そしてまったくの無傷で届けてくれた方、
ほんとうにありがとう。
名前もわからないけど、ほんとほんとに感謝してます。

みんなのおかげで生きてるんだな、としみじみ。
いい一日でした。

教訓大事なものは網棚に乗せないこと。