O's Note

いつまで続くか、この駄文

そういうことだったのか。

2008-07-16 22:50:50 | 仕事(第3業務編)
 月曜日に参加した会議。
 メインテーマは「学士課程教育の構築と教育の質保証」。
 非常に堅苦しいテーマですが、最近、業界(?)では学士課程という言葉が流行しており、学士課程が何を意味するのかも知らなかった小生にとっては、いい勉強になりました。
 近年、大学の卒業式では、卒業証書のみならず学位記ももらえます。近年といってももう10年以上前からです。それまで(1991年まで)は、大学設置基準で学士の種類などが定められていたのですが、その時代には、大学が、大学卒業要件を満たした者に学士を名乗ることを認めるという制度だったそうです。いいかえれば、大学が卒業者に学士(たとえば経済学士とか商学士とか)の「称号」を与えたということで、これはあくまでも「称号」であって、「学位」ではないという位置付けだったわけです。
 それを、1991年に大学設置基準を大綱化し(う~ん、懐かしい)、その一環として学士を「称号」から「学位」に変更して現在に至っています。

 学位といえば、我々の時代には、修士課程を終えてもらう修士、博士(後期)課程を終えてもらう博士だけでした(しかもどちらもしかるべき論文を提出してもらうものでした)。
 それが、修士や博士と同じように、大学を卒業した者にも学士という学位を授与することになったわけです。修士の学位をもらうのに修士課程、博士の学位をもらうのに博士課程があれば、同じ学位である学士の場合にも学士課程があってもおかしくありません。
 つまり、昨今話題になっている学士課程というのは、学士という学位を授与する課程ということだったわけです。あまりに当たり前のことですが、当日の話を聞くまで、恥ずかしながらそんな単純なことに思いが至りませんでした。

 でも、もう10年以上前に制度変更がなされているにもかかわらず、なぜ今、学士課程教育が問題になっているのでしょうか?
 会議のテーマでは、今まさに制度が出来たかのように「学士課程教育の構築」となっています。また、会議資料として配付された中教審大学分科会の大部の冊子のタイトルも「学士課程教育の構築に向けて」。これは中教審への答申という形で、近々正式な文書になります。

 ところで、なぜ今、学士課程教育が問題かという点ですが、レジュメ集には、面白い調査結果が添付されていました。それは、学位に付記する専攻分野の種類についてです。
 先に書いたように、我々の時代には、大学で経済学を学べば経済学士、商学を学べば商学士など、特定の分野を表す称号が与えられました。大学院では、経済学修士や経済学博士ということになっていました。それが今では、学位は学位なので、学士課程では「学士」、修士課程では「修士」、博士課程では「博士」だけです。ただし、どんな種類の学位を専攻したのかを明示するために、学位の後ろにカッコ書きで、専攻分野を付記することができるようになっています。つまり、経済学科では学士(経済学)ですし、経営情報学科では学士(経営情報学)、経済法学科では学士(経済法学)という具合です。
 調査では、学士課程を置く707校(回答数664)の専攻分野の種類を、その名称とともに明らかにしていますが、これが驚くほどの数です。なんと、580の専攻分野が付記されています。
 つまり、日本の大学を卒業した者には「学士」という学位が付与されますが、その専攻分野が580に分化されているというわけです。そこで問題になったことは、まず、これだけ多くの専攻分野が、果たして同等の学問レベルを保っているのかという問題でした。つまり教育の質に関する問題です。
 次に、かつてのように称号としてならば、国内の問題として割り切ることができましたが、学位ということになれば、世界に通用するかどうかという問題も生起しました。いいかえれば、学士に付く専攻分野を英語名称に変えた場合、それが世界に通用するかという問題です。くどいようですが580もの専攻分野があり、これは今後も増える可能性を秘めています。他の大学にはない名称の学部学科名を付けようと思えば思うほど専攻分野は増え続けます。名称一覧を見ると、「これ何?」と思ってしまうものも少なくありません。卑近な例をいえば、小生が所属する学科名称も、英語にするとどうもしっくりこない名称になってしまいます(今でも話題になるほどです)。
 これらが、昨今いわれている学士課程教育の問題のようでした。

 結局のところ、それがいいとか悪いとかという問題とは別に、大学教育に関する国の方向性が変わってしまっているわけですし、学士課程という表現がクローズアップされていることから、私立大学にあって、学科というような狭い範囲で学生を教育するなんていう時代は、少なくても、方向性としては終焉を迎えていると考えなければならないといえるでしょう。
 一方、大学は、学部=学士課程の集合体ですので、まず最低限、学部全体の質を高めることを考えなければならないわけです。こうしたことは、学士力(文部科学省)とか、社会人基礎力(経済産業省)、就職基礎力(厚生労働省)というキーワードの中に含められている考え方ですし、このような能力を学部として醸成することが結果的に大学の質の向上につながるという考え方が、大学現場以外に出来上がっていることを認識しなければなりません。
 その一つの試みとしてICUの学科廃止、31メジャー制の導入が紹介されましたが、この制度、小生の思考ともシンクロしていて、非常に興味深いお話でした。

 でもねえ、本当は、こういう話というのは組織のトップが聞いて、それを我々に還元するものではないのかえ?

 ・・・と、一応、出張報告でした。

すべる話

2008-07-15 22:55:00 | 学生と教員の会
 今日はゼミの前期最終日。
 ゼミ幹事のO君の発案でkirariでBBQ。
 今日は気温も26℃ぐらいまでになり、最高のBBQ日和。
 ひとしきりBBQを楽しんだあと、参加者全員で「すべる話」。
 すべらない話の方が難しいと思っていたのですが、すべる話は多くはもの悲しい結末になる話が多く、この企画自体がすべる結果に。(苦笑)
 でも、参加者全員がそれなりに弾けて、楽しい時間を過ごしました。

初体験

2008-07-14 23:15:00 | 多分駄文
 本日、東京出張。
 そして日帰り。
 思い返してみれば、日帰りで東京往復するのは初めて。
 これで小生も、ワーカホリックなビジネスマンの仲間入り。(苦笑)

「観客がいるじゃない!!」

2008-07-13 15:15:15 | 多分駄文

 この言葉、少なからず小生の行動様式を決めた一言。
 
 酒井美羽「17回目の反抗期」(『花とゆめ』1980年3月号)

 主人公、佐藤亜紀子(高校3年生)が、担任、豊部(とよべ)先生に相談を持ちかけて、その先生が考え抜いた末に発した一言。

 あー、懐かしい。
 お宝ボックスに入っておりました、酒井美羽通り過ぎた季節シリーズ。



ひさし、ぶり

2008-07-12 15:00:00 | 涜書感想文
 大学受験を控えた日々。受験勉強と共にいつもそばにあったのはラジオでした。
 そんな時期、NHKFMの番組で、短いラジオドラマを放送していました。
 そのラジオドラマを聞いて、「これはスゴイ!」と驚き、『原作を読んでみなければ』と思って読んだ本が井上ひさし氏が書いた『十二人の手紙』でした。
 この本は、その名のとおり、12人の手紙がモチーフになった短編小説です。一編一編がそこはかとない人の生き方を描いててい、何の関係もないと思われた一つ一つのエピソードが最後に結びつく筋立てに、鳥肌が立つほど驚いた記憶があります。

 さて、久しぶりに井上ひさし本を手に取りました。

 井上ひさし『イソップ株式会社』(中公文庫、2008年6月)

 さゆりと洋介という、ふたりの姉弟は、夏休みを利用して、おばあちゃんの住む町に滞在します。ふたりの父は、イソップ株式会社という小さな出版社を経営しています。その父親から、毎日、「お話」が届きます。この本は、さゆりと洋介の夏休みの出来事と、父親から届く「お話」、そして出版社で働く弘子さんとの関係が、互いに絡み合いながら展開されるという、何とも贅沢な小説でした。

 とりわけ、『さすが』と感心したのが洋介の夏休みの課題を通して語られる井上ひさし氏の言語感覚の鋭さです。
 洋介が「発見した」課題には、「ところによってモノの数え方が違う」「母音の長短で意味が変わり、擬音語の澄む濁るでは感じが対立する」などというものがあります(その他に「噂の時速は8キロである」「カラスは他の鳥の鳴き声のまねをする」などという、面白い仮説もあります)。
 たとえば、「母音の長短で意味が変わり、擬音語の澄む濁るでは感じが対立する」では、さゆりと洋介に次のように語らせています。
 まず、母音の長短。
 洋介がよろず屋のおばあさんからアイスクリームをタダでもらう場面[pp.121-122]。

「いったいどういうこと。おばあさんにどんな魔法をかけたの」
さゆりは店先の、日除けのかかったベンチに腰をおろして、洋介が取ってくれた苺バニラをなめながら訊ねた。
「オバーサンとのばすところを、オバサンと縮めて読んであげたんだ。オジーサンだって縮めるとオジサンになって、いっぺんに若くなるんだよ」
「うん、おもしろい発見よ」
(中略)
「むずかしいことは分からないけど、ほかにもいっぱいあるんだよ。雪と勇気、来てと聞いて、靴と苦痛・・・・」
「ビルとビールもそうよ」
「それから、いますと言います」
「書くと架空もそうだわ」
「土と通知」
「黒と空路と苦労・・・。洋ちゃん、これ夏休みの自由研究になさいよ。スゴイ研究になるわ」
「・・・ぼくって天才?」
「それは背負いすぎ」

 次は擬音語。
 夏祭りの太鼓の練習をした後での洋介とさゆりの会話[pp.129-130]。

「お囃子のお兄さんから、きみの鼓はポンポンではなくボンボンと聞こえるって、注意されてばかりいたんだ。でもそのうちへんなことも気づいた。ボンボンとかポンポンとかいうことばのことを、なんていったっけ」
「・・・擬音語?」
「うん、その擬音語だけど、澄んでるときと濁ってるときとでは、なんだか感じが違ってしまうんだ。大きな太鼓がトントントン・・・これ、どっかおかしいだろ」
「大きな太鼓ならドンドンドンでなくちゃね。そして小さいのがトントントン」
「笛がピーピーならいいけど、ビービーなら下手くそ。おばあちゃんが畑から帰ってきたとき、額から汗がポタポタなら、ご苦労さまっていうけど、汗がボタボタなら、きたないなといってしまう。こそ泥ならコソコソ、強盗ならゴソゴソ・・・」

 小説全体のモチーフはもっと別の、深いところにあるのですが、こういった言葉の遊びをさりげなく小説の中に含ませながら、ストーリーを展開していくというのは、井上ひさし氏の真骨頂といえるのではないでしょうか。
 それとは別に、この本には和田誠氏の挿絵がカラーで挿入されています。これもまた読むことを楽しくさせてくれます。
 
 でも、今となっては、小説で描かれているような「田舎」もなく、「さゆり」も「洋介」もいないんでしょうね。

今年もまた

2008-07-11 14:20:20 | NPOな日々
 つい先ほどメールが・・・。

 件名:決定しました!!○○省事業

 昨年もお手伝いして、この3月にやっと報告書を仕上げたのですが、休む間もなく、新しい事業。
 メールが届いたということは、今年もやっぱりお手伝いすることになるんでしょうね、きっと。(笑)

気がつけば。

2008-07-10 23:00:00 | 多分駄文
 今朝、朝一の講義に向かう途中、「あと一週間ですね」とI先生。
 今年は、何だか時が速く過ぎていくような感じ。
 時間割編成のせい(おかげ?)かな。それともトシのせい?
 そろそろ試験問題を考えねば・・・。(苦笑)

へぇ~。

2008-07-09 22:22:22 | 多分駄文
 昨夜開催された生協理事会で配付された資料は、非常に興味深い資料でした。
 その資料とは、生協の活動交流誌『UNIV.COOP』(2008年7月)。昨年10月に実施された第43回学生生活実態調査の総合データから書籍店舗、購買店舗に関する調査項目をまとめたものでした。

 この中では、店舗評価「書籍」7項目、「購買」6項目の調査結果(上位15単協)が紹介されています。
 そしてそこには、勤務先生協に関するうれしい結果が示されていました。

 店舗評価「書籍」
  ・欲しい本がある 6位
  ・本を見つけやすい 3位
  ・話題の本がある 1位
  ・新刊がある 1位
  ・必要な本がある 圏外
  ・注文品の入荷が早い 1位
  ・営業時間がマッチしている 圏外
 店舗評価「購買」
  ・価格が安い 1位
  ・営業時間がマッチしている 圏外
  ・欲しいものがある 1位
  ・明るい雰囲気 1位
  ・話題の商品がある 8位
  ・新しい商品がある 6位

 「書籍」「購買」とも、勤務先の生協店舗は3項目で1位です、全国1位ですよ!
 これまでも大学ランキングで、生協はいい評価をもらっていたのですが、それでも最初は疑心暗鬼。「調査に何かからくりがあるんじゃないの?」と思ってしまいましたが(笑)、聞けば無作為抽出をして回答者を選んでいるため、回答上、何らかの操作を行うことはできないそうです。
 もっとも「書籍」の項目で「欲しい本」はあっても「必要な本」はない、とか、全道統一価格が基本なのに価格が安い、とか、何ともビミョーな結果もみられますが。(苦笑)

 それにしても運営にかかわる者としてはうれしい結果です。
 生協職員やパートの皆さんの努力、そして学生委員の努力の賜でしょう。

 この結果、第三者評価で採りあげてくれないかなあ。

どうにもこうにも。

2008-07-08 22:44:55 | 仕事(第3業務編)
 昨日、報告書を一つ提出。
 これに基づいてこれから本格的に検討が始まると思いますが、思惑の違いがあっても意見の一致を見ることもあります。
 ボタンの掛け違いにならないように留意しなければ・・・。

 でもって、もう一つ仕事を抱えています。
 これがどうにもこうにも・・・。
 引っかかっているのは、その仕事の中身よりもっと大切なことを考えなければならないのに、と思う気持ちがあること。
 誰かが満足しても、別の誰かが不満足に思うのはよくある話。
 それを知りつつも中身を考えようとすればするほど、『こっちの方が先じゃないかなあ。』と思うわけです。

 そんな中、国立大学財務・経営センターのメールマガジンに掲載された、面白いエッセイを発見しました。
 これは教員の立場ではなく、職員の立場から、そして職員の意識について書かれたエッセイですが、洋の東西を問わず同じような問題に直面しているように感じられます。
 このエッセイの最後の部分では、「教訓めいたもの」として、次の2点が挙げられています。

(1)専門性を築く。そしてその専門性を基礎として新しいことを学ぶ、チャレンジする。
(2)チームワーク。個々人がどんな能力を持っているか認識し、チームを多様な能力の人材で構成すること。

 (1)は個人の意識の問題、(2)は経営管理の問題。
 専門性を築くだけなら誰でもできるでしょう。その昔、大学の教員が専門バカといわれたことがありましたが(今でもそうか)、誰でも一つのことだけを集中してやればその道のプロにはなれます。大事なのは後段の部分で、その知識を利用して新しいことにチャレンジするだけの意識を持つことでしょう。
 (2)は、経営管理、とくに管理者・責任者の意識の問題で、管理者・責任者がこうしたことに配慮しなければ、仕事をやり遂げる意識の共有はできなくなるでしょう。
 そしてこうしたことは、どんな組織でも当てはまるもの。
 決して古い皮袋に新しいワインを注ぎ込むようなことはしてはいけないでしょう。

 それはそうと、『これも洋の東西を問わないんだな』と思ったことが一つ。

「教員の中には、事務系職員から指示を受けるのを嫌う人もいますし、はなから事務系職員が役に立つアイデアを持っているはずがないと思っている者もいるのです。」

 自分はそうではないと、いい切れるかどうか。(苦笑)

ものの哀れ

2008-07-07 22:50:00 | 多分駄文
 直接的には一緒に仕事をしたことがなかったけれど、何度か言葉を交わしたことがある方がお亡くなりになった。
 病気療養中の3ヶ月前にはその姿を拝見し、その方の部下から「だいぶ良くなりました、あと半年もすれば復帰できるでしょう」という、うれしい知らせも聞いていたのに。
 合掌。

春の納会

2008-07-06 23:30:00 | 海賊たち
今夜はパイレーツ春の納会。
今春のパイレーツは1勝4敗。この結果から何を酌み取り、何を生み出すかは、この夏の取り組みにかかっていますね。
それはともかく、今夜は弾けました。
暑いのによくやるよ、と我ながら苦笑。

肩透かし

2008-07-06 10:07:10 | 多分駄文
都内のJR駅のごみ箱が使用禁止になっていて、『こりゃ空港も物々しい雰囲気で、セキュリティチェックが厳しくて時間がかかるかな。』と思って早く来たのに、手荷物検査もあっけなく終了。(笑)
さて、本でも読んで時間をつぶしますか。

32番

2008-07-05 23:30:00 | 多分駄文
 このお店のお勧めの一品。
 その名も「驚愕の唐辛子料理 鶏」
 鶏肉(唐揚げ)自体はそれほど辛くはなく、唐辛子の香りが付いて美味しい。
 でも焼き色の付いた唐辛子は、飛び上がるほど辛い!

警戒

2008-07-04 17:15:00 | 多分駄文
神奈川、香川、栃木、愛知の方々、お疲れさまです。
でも北海道の方々は何処?(笑)

ついてない・・・。

2008-07-03 23:45:00 | 多分駄文
 訳ありで、少しテンポアップして講義を進めようと考えて教室に入ったまでは良かったのですが、テンポアップするための材料(配付資料)の一枚を研究室に忘れてしまいました。
 ゆっくり時間をかけられるのならば、その資料なしでも十分だったのですが、今日はそうも行きません。
 ついつい口調も早口になってしまいました。(反省)
 講義が終わって研究室に戻って確かめてみると、今日配付するはずの資料が最後に配付する資料の下にありました。
 決して慌てていたわけではないのですが、ついてない時はついてないもの。
 明日は、お詫びして改めて配付することにします。