─光る波の間─

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シルヴィ・ギエム『三つの愛の物語』

2005-05-15 23:44:36 | 音楽・映像・アート
はぅ~~~ん・・・感動しました~・・・

-シルヴィ・ギエムプロデュース-
『三つの愛の物語』
/宮城県民会館
シルヴィ・ギエム/ニコラ・ル・リッシュ
ジョナサン・コープ/マッシモ・ムッル
アンソニー・ダウエル 他

タイトル通り三つの小品で構成されていて、
最初はマクミラン振付『三人姉妹』
これはロイヤルバレエ団のLDを持っているので
予習済み。チェーホフ原作。
モスクワから遠く離れた田舎に閉じ込められた姉妹。
既婚の次女と、彼女に心を寄せる将校を中心に展開します。
 



次女役のギエムとヴェルシーニン役のコープが息もぴったりで美しい!
いや~...コープさんね~、以前にサイン頂いたことがありまして。
とある公演を観た翌日に渋谷のWAVEをうろついてて、ふと気づいたら
後ろに立ってた。(ひゃぁ~~)
すごく背が高いのに、すごい顔が小さくて!
前日のチケット出して「エ、エ、エクスキュ~ズミ~??(汗)」
快くサインしてくれてました。ヒジョーにチャーミングな笑顔でした。
今回のヴェルシーニンは、とても“らしい”感じの、
純粋で率直な表現だったと思います。
LDの配役ではかなり野生的で男くさい感じだったんで真逆ですね。
ギエムは抑制された演技で、マーシャのやるせなさを巧みに表現。
その表現を支える技術の完璧さはあいかわらずです。
絶対崩れないバランス、完全にコントロールされた身体。
ため息しかでませんわ。

忘れてはいけないのがアンソニー・ダウエル。
かつては英国ロイヤルバレエの素晴らしいプリンシパルであり、
その後同団の芸術監督も務め、熊川哲也を引っ張り上げた人。
不器用で、妻が他の男に惹かれるのを知り苦悩し、嫉妬し、しかし妻の嘆きを
抱えようとする初老の男を見事に表現していました。




二つ目は『カルメン』
ストーリーは、「言わずと知れた」です。
アロンソ振付で、音楽はお馴染みビゼーとシチェドリン(プリセツカヤの旦那様)。
この演目も東京バレエ団で観たことがあります。
そのときはホセ役を首藤康之がやるというので張り切って行ったのに、
配役変更で観られなかった・・・。
それがショックだったせいか、あんまり面白くなかった印象がある。
しかも公演後に会場を出ようとしたら、その首藤さんとすれ違ってしまって、
「なんでこんなとこいるんだよぅ!なんでステージじゃないの~!わ~~ん!!」
と、心の中で叫んだのだった。。
今回の公演ではハイライト版になっていたんだけど、私としてはこの方が面白かった(笑)
ステージがコンパクトで、踊り手の距離が接近してるのも緊張感が出て良かったし。
『三人姉妹』で可憐な三女役だった人がカルメンでファムファタル。
このがらっと雰囲気を変えてみせるのも良かったですね。



最後が『マルグリットとアルマン』アシュトン振付。
『椿姫』を題材にしています。
最初にアルマン演じるル・リッシュが登場して
ポーズを作ったときはプルルッときました~。
さすがオペラ座のエトワール、“華”が違う!
色気ありますわ~~。
英国はシェイクスピアの国。バレエも演劇的要素が濃くて、
きめ細かな演技が要求されます。
この作品も例外ではありません。
 



娼婦をやめて、アルマンとの暮らしに安らぎを見出す
マルグリットに、別れるように言うアルマンの父とのやりとり。
アルマンのために身をひき娼婦に戻るマルグリットと、
理由を知らずに、自分を裏切ったと思いマルグリットを
責めるアルマン。
臨終の間際に再会を果たし、死んでゆくマルグリット・・・。
今まで現代バレエのギエムばかりを見ていたけど、
こんなにも豊かに感情を表現するなんてね~。。。
昔よく“理性的にすぎる”っていうような評価もされてたと思うけど、
“どこ見てゆーとるんじゃ!!”と言いたい。

というように、素晴らしかったのですが、ダンサーのほかに盛大な拍手を
もらっていたのがピアノ伴奏者。
『三人姉妹』のチャイコフスキーと、『マルグリットとアルマン』のリストは、
ピアノ演奏で踊られたのです。もうすごい贅沢。
最後はスタンディングオベーション!
バレエを習っているのであろう小さい女の子たちが飛び上がって拍手してました。
一生懸命手を振るのに応えて、ギエムも手を振ります。
微笑ましい、じつに。こうして明日のギエムを夢見るのだね~。

うちに帰ってテレビつけたら芸術劇場でも『椿姫』
徹底的に浸れということらしい(笑)



もらったチラシの中に『金森穣Noism仙台公演』が!!やった~~!!!来年だけど・・