食育・食生活指針の情報センター:食育基本法
ゼミの子で卒論に「食育」を設定している子がいたので、ちらっと見てみる。
引用
(食品関連事業者等の責務)
第十二条 食品の製造、加工、流通、販売又は食事の提供を行う事業者及びその組織する団体(以下「食品関連事業者等」という。)は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、自主的かつ積極的に食育の推進に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する食育の推進に関する施策その他の食育の推進に関する活動に協力するよう努めるものとする。
以上
最近良く食品関係の企業、たとえばマクドナルドなどが食育事業を行っているというニュースを目にした。そこで見たのは奄美大島でのマクドナルドによるハンバーガーの試食とオリジナルハンバーガーの調理授業。奄美にはマックはない。子供の大変も奄美から出たことがなく、マクドナルドのハンバーガーは初めてであるという。大変美味しそうに食べていたのが印象的だった。
もうこれには頭の中に「巨大なクエスチョンマーク」が大点灯!!これは「食育」と呼べるのか?確かに概念的には新しいものであるし、手探りであるのだろうが、これはちょっと酷い。これは食育ではなくて、マックの味を覚えさせる、つまりは化学調味料の味を植えつけるだけの行為に他ならない。何故80年代から90年代にかけて、「チャイニーズレストランシンドローム」ということが欧米で問題化したのか、そういうことを考えれば、容易にその無邪気さに気づくはずだ。
これはマックに限らず、どの企業も工場見学と大差ないレベルでしか、食育事業を行っていない。それは何故か。やはり過渡期であるから、具体的に有効な事業を提起できないのか。否である。これは彼らの確信からもたらされる「お茶濁し」だ。
引用
(国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成)
第二条 食育は、食に関する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活を実現することにより、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資することを旨として、行われなければならない。
以上
「生涯にわたって健全な食生活を実現…云々」とある。これが意味するところは明瞭ではないが、少し考えれば、心身の健康を脅かさないものを食べないことである。脅かすものとは科学的に合成された薬品である。
これは絶対大手の企業は否定できない。少なくとも現在までの常識として、大企業が大量に食品を販売するには多くの科学薬品が必要である。長期保存や安定的な供給が大量消費社会では求められるから。
人間を脅かすものを知らせることこそ、食育の重要な役割の一つではないか、と私は思うがそれを企業は出来ないし、まして行政が行うとも思えない。第一行ったとしても、真に人間に安全な食事を取るには、コストがかかる。そしてそれは僕のような一般人には不可能でお金を持った人に限られる。それにもう僕の体は保存料付けで、科学調味料付けで、健康も怪しいし、食文化を守れる味覚を有しているかも怪しい。
話がとっ散らかった。
『美味しんぼ』の1巻から10巻までを読ませるだけで、それだけで企業の食育よりは確実に教育的効果が表れる気がする。