楽屋で弁慶を遣って説明をして下さる吉田玉男師匠
演目:
☆傾城恋飛脚 (けいせいこいびきゃく)新口村の段
当時実際に起こった事件を近松門左衛門が「冥途の飛脚」として上演したものなどを下敷きにして書かれたもの。
☆鳴響安宅新関(なりひびくあたかのしんせき)勧進帳の段
能の安宅をもとに歌舞伎の勧進帳ができそれを文楽にしたもの。
文楽人形は歌舞伎と異なり人間ではできないような動きで魅せてくれます。
人形は武蔵坊弁慶を吉田玉男師匠が、安宅の関守富樫を吉田玉助が遣う。
先日楽屋訪問をしたとき、玉男師匠に弁慶が舞台を下がる時六法を踏みますが、 どうされるのでしょうかとお尋ねしましたら、ニコッと笑っておられました。
舞台では人形の足遣いが片足だけで歩くようにして六法を踏んでました。
🙋♂️ 💁♂️ 🦵
3人遣いの人形では通常左手遣いと足遣いは黒子のように黒い頭巾をかぶるのですが、この弁慶だけは主遣いと3人とも顔を出しての遣い。やはり弁慶は別格なんでしょうね。
舞台で特に印象に残ったのは、最後の方で弁慶を残し義経一行がその場を去り、義経もその場を去る時、笠を取り富樫に挨拶をしました。
富樫は一瞬義経と気付き表情をこわばらせるが、弁慶の「心」を察しその場を去っていく。
その一瞬を表した玉助さん、さすがです。