スープはかぼちゃ
爽やかな味でした
熱々で美味しくいただけました。
北の丸
お寿司屋さんでは、最後に“あがり”、つまり緑茶が出てきますね。単にお寿司にお茶がピッタリだからではありません。お茶の健康効果をしっかり活用しているのです。寿司ネタは生ものが多いため、抗菌作用を持つお茶を出す。食あたり防止作用に期待してのことです。また、口臭予防効果もあり、お寿司を食べた後、あがりを飲むと、口のなかがすっきりしませんか。
お茶は、ツバキ科に属し中国南部に起源を持ちます。約4000年前に中国皇帝により初めてその健康効果が言われ出し、以来、薬用として利用されてきました。
今では、メタボ、糖尿病、認知症、歯周病、インフルエンザ、肝臓病、さらにはがんまで緑茶の効果が期待できるとされています。そしてそれは、主にポリフェノールの一種「カテキン」によることが、ここ10年の研究で明らかにされてきました。
たとえば認知症。最近、カテキンの脳細胞保護作用が確認されました。認知症の代表、アルツハイマー病の患者の脳内には、アミロイドβというタンパク質が蓄積されてできる老人斑(はん)が多くあり、発病に関係します。アミロイドβによる老人斑を防ぐのみならず、すでに沈着している老人斑を分解する効果もカテキンにはありそうなのです。驚きです。実際、大規模試験でも緑茶の1日3杯程度の飲用習慣が認知症の発病リスクを抑えることが証明されています。
面白いことに、同じ茶葉から作られる紅茶やウーロン茶には緑茶ほどのカテキンは含まれていません。現代病の最難敵、認知症。カテキンへの期待が一層高まります。
■栗原毅(くりはら・たけし) 医学博士。栗原クリニック東京・日本橋院長。慶應大学特任教授。「血液サラサラ」という言葉を提唱し、著書やメディア出演などを通じて予防医療の大切さを訴えている。