新・エンゲル係数

肥満と痛風に悩まされながらも新鮮な食ネタを捜し求めて・・・

磁気嵐

2014年10月19日 | 気になるネタ

さる9月に大規模な磁気嵐(じきあらし)というものがあった。

 地球は巨大な磁石になっていて、その磁石の作ってくれた地磁気のバリアのおかげで人類など生物は強い宇宙線からさえぎられている。しかし太陽から出る「太陽フレア」がこのバリアを一時的に乱してしまうのが磁気嵐なのである。

 9月中旬に、いつもよりも100倍も強い「太陽フレア」が出た。その太陽フレアからは「コロナ質量放出」といわれる荷電粒子のかたまりが噴出し、それが地球に達すると磁気嵐になる。

 太陽フレアは太陽黒点から出る。その規模はエックス線強度によって5段階に分類されるが、今回は最も規模が大きいクラス5だった。黒点は太陽の表面としては表面温度が相対的に低いところだが、それでも温度は約4000度もある。

 磁気嵐が発生すると、地磁気が大きく乱れる。このため人工衛星やGPS(全地球測位システム)などの人工衛星や、航空や漁業に使っている無線、それに送電網などに障害が出る恐れがあった。悪くすると国家レベルの甚大な被害を及ぼす恐れさえあったので各方面で厳戒態勢が敷かれていた。

 幸い緊張の1週間がすぎて、今回は心配したほどのことはなかった。

 だが、太陽フレアによる影響は過去にも起きている。たとえば1989年にはカナダで大規模な停電が起きたほか、2003年には日本の人工衛星が故障したこともある。

 じつはハトは磁気を感知するのだ。磁気嵐がハトレースに大きな影響を及ぼしたことがある。

 いまのようにインターネットが発達する前は、伝書バトは重要な通信手段だった。小さく巻いた写真や図面を足に付けた伝書バトは世界のニュースを伝えていた。

このため昔から伝書バトのレースが行われてきて、伝書バトの意味がなくなった現代でも世界各地でハトレースが行われている。元来は実用の道具だった馬も自動車も競争の道具にしてしまった人類のことだから、ハトも格好の道具として選ばれたのであろう。

 ところが、このレースが悲惨な結果に終わったことがある。選ばれてレースに出るほどの方向感覚が優秀なはずのハトが道に迷ってしまったことがあるのだ。

 1988年6月に、フランスから英国へ向けて行われた国際レースはとりわけ悲惨だった。5000羽が放たれたが、2日後のレース終了までにゴールに到着したハトは20羽に1羽にしかすぎなかった。ほとんど全滅だったのである。

 ハトのレースの主催者は、事前に地球物理学者に訊(き)くべきであったのだ。その日はたまたま大規模な磁気嵐の日だったからである。

 ハトは磁気を感じて方向を知るに違いない。そしてハトだけではなく渡り鳥や、もしかしたら生まれた川に帰ってくるサケも感じているのかもしれない。

 じつは私の知人のフランスの地球物理学者は、カーテンの後ろに隠した磁石の位置を正確に当てる。そしてこの能力は彼の娘にも遺伝しているのだ。さて、あなたは磁気を感じられるだろうか。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。最新刊に、本紙連載をまとめた『油断大敵! 生死を分ける地震の基礎知識60』(花伝社)。


スイッチ・オンは1回

2014年10月19日 | 気になるネタ

空気が乾いて爽やかな季節。窓を開け放して、自分の“城”を、いつでも清潔にしておきたい。より効率良く、手際よく掃除をするために掃除機マスターになろう。

 まず、掃除機をかける前にフィルターをチェック。フィルターが詰まっていると、モーターがフル回転して騒音になるばかりか、電気代に影響が出てしまう。吸引力も大幅に落ちるので、掃除機をかける前にフィルターのゴミを捨てておこう。

 掃除機マスターの常識は、「スイッチ・オンは1回」ルール。家電製品に共通していえることだが、家電は電源を入れた時に多くの電気量を消費する。掃除機もスイッチを押した瞬間に電気代がアップ。スイッチをつけたり消したりを繰り返すと、それだけ電気代がかかるのだ。

 掃除機をかける前に部屋を片付けて、障害物を取り除いておこう。1回スイッチを入れたら、部屋中の掃除が終わるまでオフにはしない。電気節約も考えられるのが、掃除機マスターだ。

 スイッチの切り替えにも気をつけたい。手早く掃除を終わらせようと、強度を「強」にしがち。しかし、スイッチを入れるときと同様、モーターに負担がかかると消費電力が大きくなる。設定は「弱」にして使用する。実は、強と弱の吸引力に大差はないのだ。

 手際よく部屋に掃除機をかける掃除機マスターは、“カニ歩き”が特徴だ。部屋の中央から端へ、端から中央へと向かって横歩きをしながら掃除機をかけていく。

 壁に突き当たったら体を反転させ、残り半分のスペースを、今度は逆に奥から手前に向かって横歩きしながら、再び中央から端へ中央から端へとかけていく。ただし、和室では畳の目に沿ってかけるのが原則だ。