◎アテネ文庫『映画作品辞典』より(「土と兵隊」の項)
アテネ文庫(弘文堂)の一冊に、筈見恒夫〈ハズミ・ツネオ〉・清水晶〈シミズ・アキラ〉『映画作品辞典』(一九五四)がある。
作品のセレクションといい、その解説といい、実に愛すべき小辞典である。ただし、本文六八ページでしかないこと、また、字が細かくて読むのが疲れるのが、難点と言えば難点である。発行時の定価は、三〇円である。
本日は、そこから、「土と兵隊」の項を紹介してみることにしよう。
土と兵隊(日.日活.1939) 日華事変下ベスト・セラーズの随一であつた火野葦平〈ヒノ・アシヘイ〉の小説から,田坂具隆〈タサカ・トモタカ〉の監督の下,日活多摩撮影所は打つて一丸となつて,大々的な中支ロケーションの末,日本映画として空前の規模を持つた戦争映画を作り上げた.敵前上陸に始まつて,泥にまみれながら進軍また進軍の部隊一同の喜怒哀楽が誠実にスケッチされ,女は一人も登場しない.小杉勇主演.〔キネマ旬報〕ベスト・テン第三位.
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