◎杉田水脈議員は、少子化問題に真剣に取り組め
昨日の続きである。
杉田水脈議員の発言を読んで、ひとつ疑問に思ったのは、生命の再生産を、「生産」という概念で捉える発想を、いつ、どこで学ばれたのかということである。発言が、これだけ問題になった以上は、その発想の拠ってきたる経済学、哲学などを(もし、そうしたものがあるとすれば)、披露されるよう提案したい。
大熊信行の場合、生命の再生産を「生産」と捉える自己の経済学を、「国家科学」と呼んだ。これはあくまでも、総力戦体制という国家の存亡が懸かる事態の中で、出るべくして出た「科学」であった。一方、杉田議員の「生産性」発言もまた、「少子化」という日本社会の存亡が懸かる事態の中で、出るべくして出た「発言」だったのだろうか。杉田議員に、もし、そういった危機感があるのであれば、国民にむかって、ハッキリとその危機感を表明すべきである。
私見によれば、今日の「少子化」問題を招いた最大の要因は、この数十年間の自民党政権が推進してきた、競争原理主義と自己責任路線である。競争原理主義と自己責任路線がゆきすぎた結果、将来をになうべき若者の多くが、「結婚し、子どもを産み、子どもを育てる」ことへのゆとりと意欲を失っているのだ。もし、杉田議員が、「少子化」という事態に危機感を抱き、政治家として、この問題に真剣に取り組もうと考えておられるのであれば、批判を向けるべき対象は、「LGBT」支援者ではない。この数十年間、競争原理主義と自己責任路線を推進してきた自民党政権である。
杉田水脈議員に申し上げておこう。もしあなたが、「少子化」の問題に、真剣に、かつ全力で取り組もうと考えておられるのであれば、「LGBT」問題などにコメントしているヒマはない。「LGBT」問題は、少子化問題のホンスジではない。あなたが政治家としてなすべきことは、住宅環境の改善、労働環境の改善、賃金・諸手当の改善、長時間労働の是正、産休・育休制度の拡充、保育制度の抜本的な改善、教育の完全無償化などの課題について、実効性のある対策を提案するとともに、その実現を図るべきである。これが問題のホンスジである。つまり、これまで、自民党政権が推進してきた競争原理主義・自己責任路線を転換し、それとは真逆の社会福祉路線を推進する以外にないと思うが、いかがであろうか。
私はこのことをもっと大々的に取り上げ、安倍政権は痴漢を擁護する人物を比例の上位に置いていることを問題視すべきだと思います。