俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『茨城・福島県境』

2010-06-08 18:50:38 | Weblog
鼠ヶ関(山形県鶴岡市鼠ヶ関)、白河関(福島県白河市)と共に奥羽三古関の一つの「勿来の関」は茨城・福島県境の浜通りの福島県いわき市勿来町にあります。

今でこそ太平洋沿いに走る国道6号線の平潟隧道で県境を行き来することが難無く出来ますが、往時は海沿いの道を九面九浦の断崖絶壁に阻まれて通れません。
「来ること勿れ」、「来ちゃ駄目よ!」の「勿来の関」の山道を通るしか無かったのです。


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この県境から茨城県の北茨城市にかけて、太平洋の荒波に浸食された断崖の海岸線が続き、日本渚100選や日本の音風景100選に選定されています。

6号線から勿来漁港へ入り、九面九浦で九面鵜子崎や九面二後浦、鵜ノ子岬の圧倒される景観を楽しんだ後は、再び6号線へ戻ってすぐ、平潟隧道の手前を今度は平潟漁港に入ります。
テレビ放映されたこともある「しおや商店」の美味しい手作り天日干しの干物がお進めです。


町中で別れる道を左へ折れて山道を進むと、「県立天心記念五浦美術館」へ出ます。
庭園の庭先から見下ろすと、断崖の続く海岸線と打ち寄せる白い波、広がる太平洋の水平線に別けられた青い空と紺碧の海、心が洗われる雄大な景観です。
足下から岩に砕ける怒涛の波音が大気を揺すって轟き、身体が突き上げられるようです。


ダイナミックで変化に富んだ五浦(いづら)海岸の景観に魅了された岡倉天心は、ここに別荘を建て、横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山の4人の愛弟子を呼び寄せ日本画の近代化を図ったという。
海岸の岩の上に建てた朱色の「六角堂」で瞑想に耽ったのだそうです。


更に南下して磯原には「二つ島」があります。
急峻で草木の生い茂る「北の島」はウミウが繁殖しているそうですが、手前の「南島」は波に浸食されて、今にも水没してしまいそうな岩礁だけになってしまい、何れ消滅してしまうのではないかと云われています。


北原白秋、西条八十と共に童謡作家の御三家と言われる野口雨情は、この北茨城市磯原で生まれ育ちました。
「野口雨情記念館」や生家があります。


船頭小唄、十五夜お月、七つの子、青い目の人形、證城寺の狸噺、赤い靴、あの町この町、兎のダンス、シャボン玉・・・

子供の頃を懐かしく思い出しますねぇ・・・

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北茨城は関東でありながら、「来ること勿れ」の最果ての地を想い起こさせるような郷愁にかられ懐かしさがこみ上げて来るような旅情豊かで人情味溢れる土地柄です。

田舎が・・・、昔が・・・、年と共に・・・恋しくなるものです。



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