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雀ばぁば

おしゃべり雀、孫7人

65歳のお雛様

2006-03-04 22:56:34 | Weblog
私が生まれたとき祖父が、
お雛様を買うようにと十分なお金をくれたとか。

早速、買いに出かけた若い両親、
散々迷った末、お顔がとても素敵だったので…と、
お内裏様と三人官女、ぼんぼりと桜、橘、菱餅の台のみ
買ったそうだ。
後から、買い足そうと思っていたが
残念、その年の12月、太平洋戦争が勃発。

1歳半違いで、妹が生まれて、
お雛様を買いに行ったときは
店頭にその影はなく
一体の日本人形を買っただけだった。

あのお金なら、
御殿付きの立派なお雛様が買えたのに、
とても高価なお雛様なのよ! と
母が、よく言っていた。

ぼんぼり等の小道具は、
私が幼い頃、遊んでいて壊した。

しかし、お内裏様だけは
子供心にも、大切にしていて、
お人形は、顔が命…という
母の言葉を守った。

私の娘達には、お雛様がない。

転勤族だった夫が
頑として買うことを拒否したから。

私の父は、初孫のために
張り切って京都まで
お雛様を買いに行ったのに…

私のお雛様が
子ども達のひな祭りに飾られ
結構好評で
大事にされた。

最近は、ひな祭りが来ても
出すこともなかったが
今年は、女孫が二人もいるので
久し振りに出してみた。

1歳9ヶ月になった孫と
一つ一つ、箱を開け、
くるんである紙を除けてゆくと
出てきた人形を見て
きゃぁー と歓声をあげてくれた。

考えてみると、
お雛様も私と同い年、65歳!

小道具は、散々な傷み方だが
お顔は、ほんとに品があって
見飽きない。
衣装も、色褪せていない。

私の人生は修復できないが
このお雛様は
何とか修復してみたい気がしている。