好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第5番 マゼール/ウィーンフィル

2017-12-09 12:07:20 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…マゼール
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

この曲から、余分な甘さを取り除いたような、厳しさと強さと、過度の感傷を排して残る美しさを感じるような演奏のように思う。
それでも漂う情感を感じるのはこの曲だからなのか、マゼールがうまいところなのか。オーケストレーションの妙の引き出し方はさすがであり、音のメリハリもしっかりつけられ、センチメンタルは排しつつも堂々と、強く美しい鋼のようなチャイ5との印象が強い。とはいえ第2楽章は弦をはじめ各楽器強く美しく、第3楽章での軽快なリズムの中での楽器間のやりとりも軽妙でさすがの感を受ける。
終楽章もちょっと意表を突く処理なども相まって、厳しい音つくりの中に、力強い覇気と華と底光りのような美しさを感じさせる個性的で魅力あるものになっている。
ウィーンフィルならではの柔らかさとか気品とかというよりは、らしからぬ厳しさをもって美しく強く鳴る管・弦が印象的(デッカの録音の妙だろうか)で堂々たる雰囲気をつくっている。力強さとオーケストレーションの妙が印象的な、甘さを排したこの曲の魅力を新鮮に提示した、1つのタイプの名演と思う。


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