好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

サン=サーンス 交響曲第3番 ヤンソンス/オスロフィル

2017-01-21 11:14:49 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番 

指揮…ヤンソンス
演奏…オスロフィル
オルガン…マーシャル
好み度…4(5点満点)

第2楽章2部のオルガンは結構な迫力もの。
ネットの評などでは「それまでの繊細な雰囲気がぶち壊し」などの評もあり、確かにそこまでが繊細なほどの演奏なだけにちょっとびっくりだし、弦などの活き活きとしたオーケストレーションなどがかき消されているような面はあるとは思うが、個人的にはこの曲では荘厳にオルガンが鳴り渡る演奏も聴きたいと思うし、これくらい鳴り響く演奏もむしろ歓迎、この演奏でもそれまでも結構厳かな雰囲気をつくっているので、〆としてむしろこれくらい荘重なのも合っているような感もある。
第1楽章1部は少し幽玄な雰囲気も醸すような前半と、なかなかの盛り上がりを聴かせる後半の起伏も大きく、美しく大きな響きを聴かせている。
2部はやや音量を絞っての演奏で、ゆっくりと静けさに満ちた響きで、ちょっと静かすぎに感じられそうでもあるが、他の演奏では得がたい美しさを帯びているようにも感じる。
第2楽章第1部は一転何かを告げるかのように響きに力が込められ、オルガンの鳴り響く2部は上記のようにオルガンが印象的だが、少しゆっくりめのテンポの中で金管も弦も艶のある美しさはそれなりに効かせて、曲全体の中で重みのある終楽章となっていると思う。
前半の幽玄と後半の荘厳と、雰囲気としてはサン=サーンスの華やかさや活気というよりは、冷気に包まれた重く美しい教会の中をイメージするような、そんな演奏のように思うし、サン=サーンスというと、旋律ごと、楽章ごとにあまり関連性を感じないことが多いが、この演奏はなぜか1曲通してのものを感じるような、そんな演奏でもあるように思う。


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