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好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ポストニコワ/ロジェストヴェンスキー/ウィーン響

2016-01-31 21:47:30 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ポストニコワ
指揮…ロジェストヴェンスキー
演奏…ウィーン交響楽団
好み度…5(5点満点)

華美だったり華麗だったり、という音ではないが、実直で大変力強く、雄大、それでいてどこかほのかに甘い、堂々たる演奏である。
ピアノは堂々と力強く、それでいて強弱、テンポに独創的な細かな変化がつけられ、これがいちいちハマっている。
ロジェの指揮も決して急がずしっかり大地に根を張ったような展開であり、応えるオケも、ときに低弦の重みをずしりと効かせ、ときに金管を十分に響かせた、実直で厚みのある響きで、こういうのをロシア的というのだろうか、と思う(ウィーン響ですがね)。
ピアノもオケも上手にこなしてやろうというのではなく、何かを表現しようという意志が感じられるような気のこめられた演奏のように思う。
第1楽章序奏は力強く雄大でほのかに甘い。その後も基本的には「ロシアの大地を彷彿とさせるような」力強い演奏だが、こぼれるような一音一音を聞かせたり、迫り来るような感情も感じさせられたり、この演奏でしか聴けない雰囲気たっぷりである。
第2楽章は8分の表示からもゆっくり目の演奏。静かに美しくロシアの大地になぞられるなら春の雪解けを待つ静けさか。
終楽章でも音の抑揚あるいはアクセントのつけ方、テンポの微妙な動かし方は独創的で効果的。単調になってしまうこともあるこの楽章を興味深く聴かせ、フィナーレも堂々と力強く締めている。
夫婦の共演であるが、ここにはそんなことからくる演奏に対する甘さなんてかけらもなく、ピアノとオケがしっかり溶け込んだ、「ロシア的な」強さと雄大さを感じさせる、これは名盤と思う。


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