好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第5番 キタエンコ/ケルン・ギュルツェニヒ管

2021-07-11 17:00:28 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー
交響曲第5番

指揮…キタエンコ 
演奏…ケルン・ギュルツェニヒ管 
好み度…4.5(5点満点)

音楽に流麗な流れはなく重く朴訥である。
鈍く光る金属の塊のような重さで決して器用なチャイ5ではないが、こんな武骨で重いチャイ5も悪くない。
ほの暗さを帯びた重さは第2楽章などでもよい雰囲気となっている。
悪くない、と思いながら重く武骨な演奏を聴き進んで、そんな響きに慣れた後のフィナーレは、ゆったりと、何でだかわからないが、弦に突然何かから解放されたかのような安堵感に似た光彩を放つような美しさがまとう。あるいはこの不思議な感覚がこの盤のいちばんの魅力かもしれない。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 ブレンデル/ラトル/ウィーンフィル

2021-07-11 16:57:14 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第4番

ピアノ…ブレンデル 
指揮…ラトル
演奏…ウィーンフィル
好み度…4.5(5点満点)

皇帝もよかったけど、ここでのラトル/ウィーンフィルも流石の美しさ。
この空気はウィーンフィルならではだろうし、この類の美しさは交響曲でなくてやっぱり協奏曲だから聴けるようにも思う。
といって室内楽的なものではなく、むしろ他の盤よりもゆとりのある自然な大きさのような雰囲気を感じさせている。
ブレンデルのピアノもここでもその余裕を感じさせる美しさは上質のウィーンフィルの響きともよく合って、特に激しさや情を求めないこの曲でもあり、この曲の王道といってもよいような演奏と思う。
第1楽章終盤のカデンツァが他とちがうのが個人的にはちょっと残念。
ブレンデルのピアノもいいけど、やっぱりなんと言ってもラトル/ウィーンフィルがいい。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ゼルキン/オーマンディ/フィラデルフィア管

2021-07-11 16:33:56 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…ゼルキン
指揮…オーマンディ
演奏…フィラデルフィア管
好み度…4.5(5点満点)

オケの大きく柔らかな覇気のある華と、ピアノの漲る気迫とほとばしるような情に彩られた、陰を感じさせる重さはないが、大きさを感じさせる堂々の演奏。
明るい大きさの中に緊張感も漂わせ、ゼルキンのピアノは力強く気概に満ちた情にあふれながらどこか純粋に澄んでいるような響きでもある。
ゼルキンは後年、セル/クリーヴランド管ともこの曲を録音しており、世間的にはセルとの盤が名盤ということになっているようだが、個人的にはオケに大きさと華、ピアノに闊達な気概と純粋な情を感じられる音色を感じるこちらに軍配。
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