好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 アラウ/マルケヴィチ/フランス国立管

2023-01-21 17:48:06 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…アラウ 
指揮…マルケヴィチ
演奏…フランス国立管 
好み度…4.5(5点満点)

一種特異な雰囲気を感じさせる。重い。
この重さはアラウのピアノによるところが大きいだろう。
オケもフランス国立管から連想させる明るさというよりはやはり重い。
しかし両者相まってのその重みは結構気持ちいい。
1976年のローザンヌ国際音楽祭でのライブ録音のようだが、録音はちょっと不安定な箇所もないわけではないが音質等、聴くに支障はない。
アラウの録音としてはジュリーニとの盤が1960~1962年くらい、ハイティンクとの盤は1969年の録音のようだから、その後。
マルケヴィチのこの曲はコンセルトヘボウとの録音があるようがだあまり録音状態はよくないようで、私はマルケヴィチは結構好きなのでこれは結構貴重な盤のように思う。
ピアノもオケも華やいだ雰囲気からは縁遠いところにあり、ピアノもミスタッチとかちょこちょこありそうだし、洗練された完成度とかを求めるならこの盤はないと思うが、何かピアノもオケも重さの中に迫力を感じるというか、この重さは結構この盤ならではであり魅力のように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 アンゲリッシュ/ヤルヴィ/フランクフルト放送響

2022-12-11 07:47:33 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アンゲリッシュ 
指揮…ヤルヴィ 
演奏…フランクフルト放送響
好み度…3.5(5点満点)

オケの響きは結構分厚く、濁らず均整もとれて、ブラームスらしい重厚感とは違うが、なかなか美しくもある。
ピアノは綺麗に弾けていると思うが、オケがせっかく分厚い分、もうちょっと重みとか重みを伴った力強さ、あるいは独特の音色みたいなものがあればなぁ、とも思う。それがない分、演奏全体がちょっと重みに欠けるというか味わいに欠けるというか、ちょっと綺麗なだけにとどまってしまっているような感を受ける。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ティリモ/ザンデルリング/ロンドンフィル

2022-11-13 18:30:25 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…ティリモ 
指揮…ザンデルリング
演奏…ロンドンフィル 
好み度…4(5点満点)

ピアノの技巧とか構成美とかはよくわからないが、特別うまいピアニストとか、そういうことでもないのかもしれない。
ただ、実直で力強く情と熱の込められた響きは結構爽快だし、派手なパフォーマンスはないが堅実な重みがこの曲にあっているようにも思う。
それと、重く大きなオケが結構いい。終楽章もなかなかに力強い。
際立った何か、というわけではないが、重みも美しさも標準以上、実直なブラームスらしい響きが聴けるよい盤と思う。
※同じ曲、ピアニスト、オケで、指揮がレヴィという盤もあるようで、もしかしたらこれもそうかもそうかもしれないが、ジャケットには指揮ザンデルリングとあるので、ここでもそう表記する。

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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 オールソン/テンシュテット/ロンドンフィル

2022-10-23 14:36:26 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…オールソン 
指揮…テンシュテット 
演奏…ロンドンフィル 
好み度…5(5点満点)

テンシュテットでこの曲の盤が聴けるとは思ってなくて、この盤を見つけたときはそれだけで結構うれしいところがあり、情感豊かに力強く少しドラマティックに聴かせてくれるのではないか、とほのかに期待して聴いてみて、期待通りでありある意味期待以上によかった感がある。
第1楽章の十分な重みとエネルギーを帯びたような覇気、第2楽章の重く大きな響き、ときにちょっと退屈感を覚えることのある終楽章もダイナミックな寄せては返すような起伏は雄大すら感じるようでありカデンツァあるいはフィナーレに向けての高揚もドラマティックで、ピアノもあまり名を聞かない人のように思ったが、ショパンコンクールの優勝者とのことで、まだ結構若く、一音一音の深みとか表現力の深さとか、そういうのは所謂大家たちに及んでいないところはあるのだろうけど、実直でひたむきさを感じるような情とテンシュテットの熱と覇気に負けない力強さを伴ったピアノで、相性ピッタリの印象で、それでいて両者雑だったり大味だったりという印象は少しも与えず、情熱に満ちたような、すごく正統のような、テンシュテットらしい、何ともココロに響く剛毅雄大な1番となっている。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 舘野/井上/チェコナショナル響

2022-10-01 15:17:05 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…舘野 
指揮…井上 
演奏…チェコナショナル響
好み度…4.5(5点満点)

何てことないようで、これがなかなかいい。
ピアノの音色がいい。特にタメをつくったり抑揚をつけてみたりといったことをしているわけでは全然ないんだけど、むしろ淡々としているくらいなんだけど、清らかとでも形容しようか、それでいてか細さは微塵もなく、澄んで凛として、かといって冷たくない…、褒め過ぎだろうか。
今は左手一本のピアニストとしてご活躍中だそうですね。ライナーノートに「人間味溢れ、豊かな叙情性をたたえる演奏」「純度の高い透明なる抒情を紡ぎだす孤高の鍵盤詩人」とあるが、頷ける感じがする。
録音も美しくオケの響きも厚くて綺麗。オケはティンパニとか金管とか控えめで、骨太感やブラームスっぽい重厚さはあまり感じず、楽器の出し入れもちょっとちがうかな、と思うところもないではないが、弦を中心に厚く美しくこれはこれで悪くない。
この曲は重厚と情熱の曲のイメージもあるが、こんな風に厚く美しくも響くのか、と感じるような盤。
ピアノがいいなぁ、両端楽章もいいけど、この盤ならではという意味では特に第2楽章かなぁ。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 モラヴェッツ/ビエロフラーヴェク/チェコフィル

2022-08-25 12:28:32 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…モラヴェッツ 
指揮…ビエロフラーヴェク 
演奏…チェコフィル
好み度…5(5点満点)

あの重かったり勇ましかったりする前奏からして渋い味わい漂うような、もうビエロの世界である。
渋いといってもしおれてたり干からびたというのではなく、出る音はしっかり出て、艶と緊張感を湛えた味わいである。
この前奏を聴いて美しいと思うこともあんまりないように思うが、この前奏はちょっと哀すら漂うようで美しい。
続くピアノがまたしっかりした力強さをベースに透明感と情に満ちた音色で、スッと浮いてくる音もまた美しい。
無機的でなく、繊細とかでなく、自然でおおらかで血の通った情があって美しい。
2番ではちょっと合わなかったけど、これはいい。
そんなオケとピアノが一緒になって、息も合って美しく融合し、名サポートとはこのような演奏だろう、ピアノを前に感じさせながら、オケも決して脇役でなく、控えめなのにこの演奏の美しい雰囲気に決定的な影響を与えている。
壊れやすいくらいに繊細だけどどっしり重く、カッティングによって様々な美しい色合いを見せるガラスの花瓶を連想させるようである。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 オピッツ/デイヴィス/バイエルン放送響

2022-08-20 18:52:49 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…オピッツ 
指揮…デイヴィス 
演奏…バイエルン放送響
好み度…4(5点満点)

デイヴィスのサポートは例えばコワセヴィッチとのときなどよりはずい分力強さを出している。
ピアノは実直で美しい。低音での重みなどはあまり感じさせないが独奏部でのふくよかで伸びやかな高音なんかは印象的でもある。
デイヴィスが結構厚く前に出てきているのはピアニストのタイプを見て、独奏部できらめきを聴かせながら高揚部ではオケが一緒になって厚い底をつくったほうがいい、というような考えもあるのだろうか。
オケもピアノも実直で美しい、特別な感銘はないが好感の持てる演奏のように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ティベルギアン/ビエロフラーヴェク/BBC響

2022-07-18 10:13:30 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ティベルギアン 
指揮…ビエロフラーヴェク 
演奏…BBC響 
好み度…5(5点満点)

ピアノの、その音色は柔らかく澄んで美しく、その語り口は幻想的な雰囲気さえ醸すようでこの曲に美しい側面を与え、しかし十分な重みと大きさを感じさせる力強さももつ。
ビエロフラーヴェクはときに力感の不足のような印象を感じる演奏もあるが、この盤ではBBCだからだろうか、その響きはいつにない厚い、熱を伴った力感と、この人らしい実直な情を感じるをものになっている。
派手さや名盤と言われるような特別な印象を与える演奏ではないかもしれないが、録音もよく、実直な厚みとエネルギーと美しさを感じさせるなかなかの名演と思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ブーフビンダー/アーノンクール/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2022-07-09 17:10:37 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ブーフビンダー 
指揮…アーノンクール 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
好み度…4.5(5点満点)

かなりゆっくりとしたテンポの印象が残るのは、おそらく第1楽章のテンポによるものだろう。
第1楽章はかなり時間をかけるが間延びの印象は感じさせず、コンセルトヘボウの響きは渋い艶を帯びて重く、ピアノはほんのり甘い憂いを帯びて心地よい重さを感じさせる。
第2楽章も渋めの響きの中でピアノの情を漂わせた雫のような音色も随所で美しく、終楽章のピアノは迫力にも似た力強さも加わって聴き応えあり。
渋い重みとしっかりした厚さに、にじむ美しさを感じさせる特有の雰囲気をまとった、味わいのある盤のように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ギレリス/ヨッフム/ベルリンフィル

2022-06-12 08:57:38 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ギレリス 
指揮…ヨッフム 
演奏…ベルリンフィル 
好み度…3.5(5点満点)

冒頭などはのしかかるような響きで、ベームとかヨッフムとか、硬派で堅牢なタイプにこの曲はむしろこちらが一歩引いてしまうような圧迫感になるのかな、なんて思いながら聴き進めるのだが、オケもピアノもどうも2番で感じたような気が伝わってこない。
いや、両者じゃなくてピアノかなぁ。高揚部ではピアノもオケも重い大きな音は出しているが、気の感じられない重い大きな音と言うのもかえってちょっとというところもあるし、全体的に流れも今ひとつのような。
2番はいいんだけどなぁ、個人的な好みとはいえ、同じ組み合わせでもこんなにも印象が変わるものかと不思議なくらい。
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