日常。
2005年06月25日 | 旅
世界報道写真展に行ってきた。
今年で48回目となるこの報道写真のコンテストの存在を知ったのは96年。
以来、出来る限り毎年行くようにしている。
このコンテストは「ニュース」「ポートレート」「現代社会の問題」「日常生活」「自然」「スポーツ」などの分野に分かれていて、それぞれ単写真、組写真の入賞作が展示されている。
見て行くうちに前年の出来事を思い出せる、そんな配置になっている。
日常の中で、いつの間にか忘れてしまった2004年の出来事。
スマトラ沖大地震の津波。
ロシアの学校占拠テロ。
イラク戦争。
アラファト議長の死。
アテネオリンピック。
そして、言われても思い出せない数々の紛争やテロ。
貧困や病苦に喘ぐ人々の存在。
綺麗な写真では、決してない。
私は基本的にグロテスクな映像は苦手だけれど、一つ一つの写真の「真摯さ」から目を背けられなくなる。むしろ、見入ってしまうオーラがそこにはあると思う。
今回私が気になったのは、「日常生活の部」である。
麻薬に汚染されること。
スラムに住むこと。
国連の監視の中で選挙に臨むこと。
それが「日常」であるとは。
そして、数年前に「ニュース」だった出来事が、いつの間にか「日常化」しているとは。
なんともはや。
そして今回、一番印象に残ったのは、レッドリボンを胸につけたエイズ孤児の少女だった。
他の写真とは違って、その子はこちらを見ていた。
だから、目が離せなくなってしまった。
東京での開催は、7月31日まで。
是非、お薦めしたい。
何が出来る訳でなくても、思い出し、知ることでも大切だと思うから。