Heal-log

つれづれなるままに。

スペイン散歩10-バルセロナもろもろ-

2009年04月30日 | 
お天気に恵まれたせいもあって、バルセロナはとてもキレイで明るい街に思えた。
この日は新市街や旧市街を散策し、いろいろなものに出会った。


エコ部門、レンタサイクル。
街中いろんなところに自転車のプールがあって、借りたり返したり出来るらしい。
仕組みは良く分からなかったけれど(後で調べると市民用のようだ)、便利そうである。


オシャレ部門、新市街のショッピングセンター内のチョコレート屋さん。
安くはないけれど、センスの良いパッケージが揃っている。
特に気に入ったのは、カロリーごとに大きさが違うチョコレートバーの詰め合わせ。
食べるのに勇気が必要である。


ファーストフード部門、パンズ&カンパニー。
これはスペインのサンドイッチであるボカディージョの専門店。
フランスパン+具というシンプルなサンドイッチなのだけれど、人気があるらしく、マドリッドでもバルセロナでもマクドナルドと同じくらいの店舗数を見かけた。
オススメはやはり生ハム。


デザイン部門、時計。
最初は文字盤の「6」が落っこちていることに気付き、次に「9」がないことに気付いた。
この角度まで歩いてきて、やっと「9」を発見した次第である。


大きさ部門、駅の自動販売機。
ちょっとおもしろかったので、ホールズを買ってみることにした。
でかすぎて、商品が出てくるのに恐ろしく時間がかかる。
しかも、ホールズが2個出てきた。
ラッキーだけど、自動販売機としてはどうなのだろう。

少し歩けば、変わったものに出会える。
だからついつい歩いてしまう。
毎日平均20,000歩の旅も、明日が最終日。

スペイン散歩9-グエル別邸とカーサ・バトリョ-

2009年04月30日 | 
バルセロナにあるガウディの作品は出来るだけ見たいと、今日は朝から遠出して新市街へ向かった。
ここにはグエル氏の別邸がある。


口を開けた竜の門がお出迎え。

実はこの建物は現在、どこかの大学のものになっているので、中にはいることは出来ない。うーん、残念である。


少し離れて全景をパチリ。
外壁や、少しだけ垣間見える屋根にガウディのテイストがある。


市内にもどって、カーサ・バトリョへ向かう。


ここは、先日訪れたカサ・ミラにほど近いグラシア通り沿いにある邸宅だ。
やはり、バトリョさんのおうちなのだろう。
カラフルでかわいらしい外観だ。


階段を上ってツアーが始まる。


リビング入り口にある、きのこの暖炉。
この中では2人(恋人と言っていたような気がする)が向かい合って語ることが出来る。

2階にあるリビングルーム(というより舞踏場か)。
ステンドグラスのおかげで、海の中のようなイメージになっている。
用途によって部屋のパーティションを動かせるようになっており、デザインだけでなく機能性にも優れている。


やはり「海」のイメージの吹き抜け。
タイルはグラデーションになっており、上に行くほど青が濃くなっている。


吹き抜けの階段を上るとビックリ。
エレベーターを囲っているガラスに上の写真のタイルの青が反射している。
さらに向こう側の人の見え方までもが、見事に海中を表現している。


階段の途中には、アパートの部屋の玄関がある。
世界遺産になった今も、3世帯が暮らしているらしい。
大変なのだろうけど、何とも羨ましい限りである。


屋上。
トカゲの背のような飾りと十字架。

屋上には煙突や通気口が沢山あって、建物全体の空気の流れが大切に計算されているとのことだった。
例えば使用人の部屋や選択スペースだった屋根裏も、通気性が良い設計になっていて、その時代にありがちな「カビだらけ」の屋根裏とは無縁だったというからすごい。


ちなみにこちらが別の日に撮った夜のカーサ・バトリョ。


絵の才能がある人もすごいけれど、三次元をデザインできる人も驚異だと思う。
ガウディの脳がどうなっていたのか、覗いてみたいものである。

スペイン散歩8-市場と海-

2009年04月29日 | 
バルセロナの旧市街には市場があるというので行ってみた。


まずはお昼時のサンタ・カタリーナ市場。
この市場は最近改装したらしく、とてもモダンな雰囲気がただよっている。

市場にはいろいろなお店がいっぱい。


こちらはシーフード。


生ハムにチーズ。


そしてフルーツ。

一休みしてお昼を食べることにした。
この市場にはレストランが入っている。
クレアトラベラーにも紹介されていた、天井が高くてスタイリッシュなお店だ。


生ハム。


デザートのミルフィーユ。

ちなみにこのレストランには怪しげな日本食メニューもある。
話のたねに食べてみたけれど、普通にいけた。


午後からはもう一つの市場(こちらの方が有名)であるサン・ジョゼップ市場へ。


こちらの方が庶民的な雰囲気。


お肉屋さん。不気味なパーツが売られている。


八百屋さん。

このほか、韓国の食材屋さんやドライフルーツ、ワインショップなんかもあった。
母へのワインをここで購入。


本日最後はシーフロントのレストランで過ごすことにした。
忘れていたけれど、バルセロナは港町なのだ。


地下鉄で海辺まで行くことが出来る。


夕暮れ時は家族連れや若者、物売りで賑わっている。

夕食はバルセロネーテというレストランで頂いた。


港のイメージで統一された店内。ここはシーフードが美味しいらしい。


イカのフライに、


シーフードパエリア。

おいしゅうございました。
ふと横のテーブルを見ると、接待らしいビジネスマン3名が食事をしていた。
私たちが4人で分けたイカフライを一人で平らげていた。

スペイン人の胃袋、恐るべし。

スペイン散歩7-バルセロナ旧市街-

2009年04月29日 | 
今回宿泊したホテルは地下鉄の駅の近くで、移動にはとても便利。
バルセロナ2日目は、旧市街の散策を行うことにした。



まずはピカソ美術館を見学。
この美術館には、若かりし頃のピカソの作品が集められている。
つまりそれは「ピカソっぽい」絵ではなくて、比較的普通の絵画ということ。
それらは10代前半とは思えない表現力で、やはり天才だと感心する。

順路に沿って歩いていくと、その画風はどんどん変わっていくのが分かる。
パリにもピカソ美術館があるらしいのだが、そちらに行って続きを見たくなった。


美術を見たら、次は建築。


こちらはバルセロナのカテドラル。修復中につき、大変残念な景観になっている。



13世紀から15世紀にかけて建てられたというカテドラルの中は荘厳そのもの。
古いこともあって、とても暗く天井や柱も煤などで黒くなっている。



しかしそこには歴史の重みのようなものが感じられて、落ち着ける空間だった。
このカテドラルも、完成までに200年くらいはかかっているらしい。
昨日見たサグラダ・ファミリア教会がそうだったように、この教会にも、完成したばかりのピカピカの部分とすでに古くなった部分が同居した時代もあったのだろう。
今となっては、何処が新しかったのやら判らない。
やはり、神は急いではいないのかもしれない。


続いて、ガウディの作品群の一つである、グエル邸へ。


ここはガウディのパトロンであったグエル氏の邸宅である。
残念ながらここも修復作業中で、中には入れなかった。

窓の柵や飾りの凝り具合にガウディらしさが見られている。


そして建物の上の方にはカラフルな尖塔があって、それは紛れもなくサグラダ・ファミリアと同じ作者のものであった。

グエル邸への再訪は、次回への持ち越し課題である。


スペイン散歩6-カサミラ-

2009年04月28日 | 


サグラダ・ファミリアを出て、市内中心部に向かった。
バルセロナの目抜き通りであるグラシア通り沿いに、ガウディの作品の一つであるカサ・ミラは建っている。

某ファミレスの名前でもあるCASAはスペイン語で家を意味する。
ミラというのは人の名前で、つまりこの建物はミラさんの家らしい。
また、この建物には採掘場を意味するラ・ペドレラという通称もあって、当時から話題の建物だったそうな。


この建物でガウディは直線を徹底的に排除したらしい。
1階から吹き抜けの屋上を見上げると、


確かに丸い。

勿論この建物はまだ使われているので、6階以上のみが開放されていて博物館になっている。
一通り見物して屋上へのぼった。
もう20時近いのにこの明るさである。


煙突の飾りはワインのボトルで装飾されている。
一説によると、これはこの建物の完成を祝ったパーティで明けられたcava(スペインのスパークリングワイン)の空き瓶だそうな。


屋上にはアーチがいくつかある。
向こうにはサグラダ・ファミリアが見える。
まさに借景、ガウディの建築にはこのような計算し尽くされた完璧さがある。
西洋の建物と言うよりも、どちらかというと日本庭園との共通点を感じた。

屋上を後にして、最後は居住部分を少し見ることが出来た。

ドアノブ。


こんなところまで曲線的で、しかも手にフィットするようにデザインされている。

もう100年以上も前の住宅なのに、一瞬にして住みたくなってしまう建物。
ガウディの天才たる所以が、少しだけ解ったような気がした。

スペイン散歩5-バルセロナへ-

2009年04月28日 | 
4月28日、朝からAVEに乗ってバルセロナへ移動。
所要時間は3時間半。


まっすぐ何処までも広がる赤い大地と低い雲。
寝たり起きたりして、無事バルセロナのサンツ駅に到着。

バルセロナについてまず向かったのは、あの建物。


地下鉄を降りて振り返ると、まず一番古い「生誕のファザード」側が目に入る。
あまりの大きさに、しばし圧倒される。

ぐるりと一回りして、新しい「受難のファザード」側の入り口から入場する。


同じ建物なのに色も雰囲気も全然違っている。
1882年から工事が始まっているのだから、当たり前といえば当たり前だけれど、しかし気が遠くなるような月日である。

中に入るとそこは「工事現場」だった。
教会だからといって何も古代工法に則っているわけではなく、最新鋭の工作機械が大活躍のご様子である。
ガタガタガタ、キーーーーンとうるさいわ、砂やホコリが舞い上がるわ、さらには化学物質の臭いまで充満している。

「10ユーロ払って見る工事現場は、世界一高いな」
と隣で相棒がつぶやいていた。


すでに出来上がっているステンドグラス。
自然のものを重視したガウディは、ここでは「水」に重きを置いたようだ。
それを支える柱は樹木。


こちらはまだ途中段階のようだ。
きっとここにもステンドグラスが入るのだろう。

2ユーロを別で払うと、塔に登ることが出来る。

バルセロナ市街がきれいに見渡せた。


サグラダ・ファミリアの完成までは、まだ100年ともそれ以上とも言われている。
その気になればすぐにでも建ってしまうのだろうけど、そうはしない。
そこには資金(寄付に頼っているらしい)的な問題もあるのだろうけれど、それよりもこの一言が印象的だった。

「神は急いではいない」

恐れ入りました。

スペイン散歩4-子豚の丸焼き-

2009年04月27日 | 
セゴビアに行った日にガイドさんに教えていただいた、「子豚の丸焼き」のお店、Botin。
前日は予約でいっぱいと言うことだったので、トレド帰りのこの日に予約。


開店前から人が並び始める人気っぷり。
なんでも文豪ヘミングウェイも通ったらしい。
個人的な考えなのだが、ヘミングウェイが通ったナントカというのは、他の作家に比べてえらく多いような気がする。いろんなところに暮らした人だから当然かもしれないが、きっと彼は食とお酒が好きだったんだろうな、と思ったりする。

名物の子豚の丸焼きは、生後3週間(!)の子豚ちゃんを丸焼きにして、皮ごとバリバリ頂くという、何とも残酷なお料理である。
子豚一匹で8-10人前らしいので、私たちは全貌を見ることが出来ず。


たしか、この大きさで半人前。
私たちの胃袋には、これで十分の量だ。

肝心のお味は、豚肉というよりは鶏肉のようで、パリパリの皮とジューシーなお肉がとても美味しい一品だった。
満腹、満足。


3日目にして初めて頼んだサングリアもおいしく、楽しいディナーであった。

帰り道に厨房を覗かせてもらった。



後ろの棚には、仕込みと下焼を終えた子豚ちゃんがズラリとスタンバイ。
いったい、一日どれだけの子豚を消費するのだろうか・・・。

スペイン散歩3-トレドへ。

2009年04月27日 | 
もし1日しかスペインにいられないとしたら、トレドへ行け。
もし10分しかスペインにいられないとしたら、トレドを見渡す展望台に行け。
・・・そんな言葉があるらしい。

と言う訳で、3日目はトレドで過ごすことにした。


トレドへはマドリッドから特急列車に乗って30分で行ける。
列車のチケットも、予めWEBから予約することが出来、そのプリントアウトで改札を通れてしまうのだ。

トレドの町は大きくはないけれど、道が入り組んでいて、方向感覚をつかみにくい。


この小さな広場を起点に散策開始。

ヨーロッパの町の中心には広場があることが多い。
けれども長きにわたってイスラムの支配を受けたトレドの町には、広場らしいものが殆どないらしい。
ここソコドベール広場は例外らしい。


レトロなキャンディ屋さんを発見。
量り売りでチョコレートやキャンディを売ってくれるのだ。


みみっちく、一人一個のキャラメルを購入。でかい。

もぐもぐしながら歩くこと数分。
第一目的地のカテドラルに到着した。


大きすぎて、写真を撮るのも一苦労である。
このカテドラル、完成までに250年くらいかかっているらしい。
中には宝物室(金銀財宝でいっぱい)や、衣装室(重そうな法衣でいっぱい)、絵画室(有名画家の作品でいっぱい)もあり、博物館としても楽しめる。

カテドラルを出た後は、さんざん迷って、アルカーサルに到着。


カテドラルとは反対に、直線的なデザインが特徴的。

お昼時になったので、絶景を堪能しながらランチをとることにする。
行き先はトレドのパラドール(国営のホテルで、昔の修道院や貴族の邸宅などの建物を使っている)。


タクシーはぐんぐん丘を登っていき、15分ほどで目的地に到着。


そしてこれが、展望台からの景色。
お昼ご飯はもひとつだったけれど、目はお腹いっぱいになった。

午後はお買い物をしながら再度、トレドの町をブラブラ。


現存する最古のモスクの一つである、クリスト・デ・ラ・ルス。
紅白のしましまのアーチ模様は、アルハンブラ宮殿を彷彿とさせる。
修復工事中で残念。


10時頃にトレドに着いて、17時頃にマドリッド行きの電車に乗った。
本当はもっと行きたいところはあったけれど、遠出をして良かったと思う。
それにしても、あのトレドの景色は絶景だった。


スペイン散歩2 -ゲルニカとセゴビア-

2009年04月26日 | 
4月26日朝。スペインの夜明けは遅い。午前7時でもこんなもんだ。
さらに、細かい雨まで降っているようだ。


「大丈夫、すぐ止むよ」とベルボーイが言ったとおり、出かける時間には雨は上がった。
本日最初の目的地は、ソフィア王妃芸術センターだ。
ここにはピカソのゲルニカを始め、現代美術が展示されているらしい。

ホテルからはバスが便利なので、バス停で待つこと5分。お目当てのバスがやって来た。
・・・と運転士のおっちゃんが慌てた様子で降りてきて、他の客に何やら告げ、私たちの泊まっているホテルに駆け込んで行った。
周囲の苦笑っぷりからすると、どうやら「トイレ」のようである。

生理現象は仕方がない。とはいえ日本ではこんな光景にお目にかかった事はない。
大学時代は毎日バスのお世話になっていても、だ。
お腹が痛くなることもあるだろうに、運転士さんには頭が下がる思いだ。

・・・などと考えていたら、おっちゃん悠々と帰還。
タバコをふかして。
おーい。でも、ここはスペインなのだ。

いざバスへ乗り込もうとしたら、おっちゃんに止められる。
なになに、今日はマラソンがあるから、このバスは目的地方面には行かない?
おーい、そういうことはトイレに行く前に言っとくれ。でも、ここはスペインなのだ。

気を取り直して地下鉄へ。


マドリッドの地下鉄の乗降ドアの開閉は手動だ。
このツマミを上に上げると、ドアが開く。新しい車両だとボタンになっていたりもする。
私が生まれ育った富山の冬の電車(地元では汽車と呼ぶ)のようで、少し懐かしい。

さて、地下鉄2駅で目的地に到着。


元々は病院だったという建物にモダンなエレベーターがくっついた外観は、一目で分かる。

ここでの目玉はなんと言ってもゲルニカ。
遠い昔に美術の教科書で見て以来、ずっと本物を見たかった作品である。

思ったより大きな壁画。
写真では分からない、書き直された跡。
そして、夥しい数の下絵。馬だけで、犠牲になった子供を抱える女性だけで何枚あるのだろう。

天才ピカソは、いきなりキャンバスに向かって絵を描くのだと勝手に思っていた。
感情の赴くままに筆を動かすのだろうと。
予想に反して、ゲルニカの両側の部屋が埋まるぐらいの下絵が残されていた。
そして、ピカソくらいになると下絵まで展示されちゃったりするのかと思ったりもした。


絵画を堪能したあとは、胃袋にも栄養を。


パンに生ハムを挟んだだけのボカディージョは、昨日訪れた「ハムがぶら下がっているバル」で注文。
立ち食いで、おまけにコーヒーもない酒場だけれど、さすが本場である。美味。


午後からは半日観光でセゴビアに出かけた。
このたび唯一のガイド付きツアーである。
集合場所に着いてみると、本日のゲストは私たち4名だけらしい。
マドリッドからセゴビアはバスで約1時間15分の行程だ。
治安面での不安が大きいスペイン。その中での貸切バスということで、盛大に爆睡。

到着すると、のっけから世界遺産に出迎えられた。


紀元1世紀に建てられたというローマ水道橋。日本ではまだ弥生時代の頃である。


アーチ部分は、左右から力がかかっているので石が落ちて来ないとのこと。
この水道橋は、町の橋にあるアルカーサル(要塞・城)まで水を供給していたらしい。
水のあるところに暮らすのではなく、暮らすところまで大掛かりに水を引く。何とも壮大な考えである。

町を歩いていると、家々の外壁の模様が美しい。


これは「掻き絵」と言われる手法らしい。
壁に漆喰を塗り、それが乾く前に模様を掻き取る。気の遠くなるような作業である。
この装飾には各家の個性があって、見ていて楽しかった。

町の中ほどにはカテドラル(大聖堂)がある。


16世紀から18世紀にかけて建造されたものとのことだ。


内部の様子。
天井のアーチまでもが石で作られている。ただただ見事だと思う。
ポルトガルのジェロニモス修道院の天井アーチに似ているのだが、イベリア半島の特徴なのだろうか。
イタリアの大聖堂が天井画で埋め尽くされているのとは対照的である。
個人的には、絢爛豪華な天井画よりも、こちらの方が好みである。

反対に、飾ってある彫像や絵の類は素朴というか、ちゃちいというか(失礼)、イタリアの洗練っぷりを再発見する結果となった。バチカン凄し。


短い滞在の最後はアルカーサルへ。
ここはディズニー映画「白雪姫」の城のモデルになっているそうだ。
といっても、ディズニー映画のお城は「シンデレラ城」しか思い出せないのだが・・・。


従って、似ているかどうかは判別不能。


内部にはイスラムの幾何学紋様が多く、影響を受けていることを物語っていた。


ポルトガルでもよく目にしたアズレージョ。やはりお隣の国だ。

アルカーサルからの眺めは城自体よりも印象に残るものだった。



「こら(これは)日本では考えられへんで」
今回の旅行中、何百回と繰り返された父の言葉。
「いや日本でもそうだってば」と(心の中で)ツッコミを入れる事も多々あったけれど、この景色は日本にはない。
雲の陰が大地に写るのを高台から眺めることは、そうないのだから。


この日は日曜日。お店が軒並みクローズするヨーロッパでの過ごし方は悩みの種だった。
結果として美術館&遠出という選択は正解だったように思う。

マドリッドにもどった後、ガイドさんに教えていただいた「日曜でも営業している百貨店、イル・コルテ・イングレス」で買い物をして一日を終えた。


スーパーにも生ハム。
キッチン用品売り場には、生ハムをスライスする機械。
うん、さすがだ。

歩数、20,000歩。明日は古都トレドへ。

スペイン散歩1 -マドリッド-

2009年04月25日 | 
友達同士や夫婦での旅行もいいけれど、家族旅行にはそれ独特の楽しみがある。はず。
そんな楽しさを求めて、今年はスペインを訪れることにした。
7泊9日、行き先はマドリッドとバルセロナ。
メンバーは相棒とその両親、そして私の4名様。

個人的にスペインは2回目だが、前回は3日間のセビーリャ滞在(仕事)のみ。
ピカソもガウディも、ハムもチョリソーも未経験なのである。
自然と気合いも入るというものだ。

4月24日、成田空港。
『申し訳ございません、本日成田ーアムステルダムの便が満席でございまして、○○様には一つ上のプレミアムエコノミーのお座席を用意させて頂きましたが、宜しいでしょうか?』
よよよよよろしいですとも!
ツアーでアップグレードをして頂けたのは初めて。13時間のフライトが途端に楽しみになる。

前の席が倒れてこないシェル式の座席に、少し豪勢な食事とアメニティ。
私には珍しく映画も2本満喫したのに、いつもよりも疲れずにアムステルダムに到着することが出来た。
これは私だけでなく両親のためにも有り難い配慮だったと思う。

トランジットのアムステルダムでは3時間程度を過ごした。


さすがはチューリップの国のチューリップの季節。
ここに写る全ての花たちはホンモノである。

さて、アムステルダムからイベリア航空でマドリッドに到着したのは22時前。
飛行機の中で私は爆睡していたけれど、窓からずっと外を眺めていた父曰く、ゆっくりと暮れていく景色はとても綺麗だったそうだ。
無事荷物を受け取り(良かった!)、ホテルに向かう。

今回の宿はHOTEL CLARIDGE。
地図で言うとマドリード市街の右下、Con de Casalという駅が最寄りである。
特に可もなく不可もなく、"soso"といった感じだ。


明けて4月25日、マドリッド散策を開始した。
まず向かったのはプラド美術館。


私は特に絵画に造詣が深いわけではないので、正直この美術館に何が収蔵されているのかは知らなかった。
ゴヤにベラスケスにエル・グレコ。
ヴァチカンやウフィッツィにはない、力強さだったり素朴さだったりが印象に残った。
中でもムリーリョの聖母子の絵を好きだと思った。
ちなみに館内の写真撮影は禁止。イタリアの美術館よりも規則は厳密らしい。


スペインでは13時を過ぎないとランチにはありつけない。
行く前はこの「遅ランチ」を若干心配していたけれど、プラドを見て回るのに3時間以上かかったため、昼食を摂ったのは自然と14時頃になってしまった。


初ランチの前菜たち。コロッケにチョリソーにスペインオムレツ。
コロッケが美味だった。
ドリンクはフレッシュオレンジジュース。少し苦みのあるジュースもとても美味しかった。

昼食後は、中心部までブラブラ歩くことにした。
一番の繁華街、プエルタ・デル・ソルに入るとこれぞスペインなお店に遭遇した。


頭上にぶら下がる、ハム、ハム、ハム。しかも全部丸ごと。
生ハムと言ってもピンからキリまであるらしい。
ハモンセラーノ(多分普通ランク)とハモンベジョータ(最高級らしい)の値段には4-5倍の開きがあった。
お店の中は量り売りのテイクアウトも出来るし、ビールなんかをいっぱいやりながら、タパスをつまむ立ち呑み処でもあるようだった。

お土産屋さんを冷やかしながら王宮に到着。


意外と地味なので少し驚いたけれど、そこはさすが王宮。
花壇や庭園などはそれは綺麗に整備されていて、多くの人々で賑わっていた。


日の長いスペインではなかなか日が暮れないけれど、気付けばもう20時近くになっている。
この日はあらかじめフラメンコを予約していたので、Cafe de Chinitasというタブラオへ向かった。


フラメンコは初めての体験だったけれど、歌も踊りもギターも魂がこもっていて、目を離すことが出来なかった。
どうやったら踵やつま先や手拍子であんな複雑なリズムを刻めるのか、どうやってカスタネットを鳴らしているのか、もう皆目見当もつかないのだ。
ただただすごいと、そう思った。


目は舞台でも、舌はしっかり料理を楽しんだ。
写真はハモンセラーノ。塩辛いけれどやめられない。


初日からフル稼働のマドリッド。
まだ見るべきものはてんこ盛りである。