NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

江戸人のNPO魂・番外編(寺子屋はNPO)

2014年01月04日 | NPO
年末年始は、「逝きし世の面影」にみる江戸人のNPO魂」について取り上げてきましたが、今日と明日は番外編として石川英輔・田中優子共著の「大江戸ボランティア事情」により江戸人のNPO魂をご紹介したいと思います。





福沢諭吉は明治11年の著作「通俗国権論」に、「凡そ国の人口を平均して、字を知る者の多寡を西洋諸国に比較しなば、我日本を以て世界第一等と称するも可なり」と書いています。
専門家によると、嘉永年間(1850年頃)の江戸での就学率は、70%から86%と推計されています。同時代、世界で江戸に匹敵する大都市はロンドンとパリですが、イギリスの大工業都市での就学率は20~25%、フランスでは婚姻届に署名できた人の比率は4割に満たなかったといわれています。

日本の就学率がこれほど高かったのは何故でしょうか。武士は各藩の藩校で学びますので識字率は100%ですが、町民や農民は寺子屋に通い「読み・書き・そろばん」を習いました。
全国には1万を超える寺子屋がありましたが、その経営者(先生)は僧侶、神官、武士、平民で、私学でありNPOによる運営とも言えるものでした。寺子屋の普及は世界的にみても特筆すべきもので、識字率を高め、文化のすそ野を広げることに貢献していたのは、正にNPOであったわけです。

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