治せぬ医療が医療費の膨大化を生む！？②

　器械の構造は人間の体に比べると極めて単純です。
　なお、その器械が、電気あるいは化石燃料の燃焼した際に発生するエネルギーで動くものであれ、動く仕組みは科学的に理路整然とした筋が通っているわけです。
　そこで、その器械が動かなくなった場合に、どこが壊れたかを探し出すことは、専門的な知識を持った者であれば、容易に見つけ出すことができます。そして、壊れた箇所を修理乃至新しいものと交換するなどすれば、元通り動くようになります。

　一方、人間の体の治療は、それが軽度な際には容易に治癒することができますが、少し重い場合にはなかなか治癒させることのできないことが多くあります。
　病気ことに慢性病を患った体験をお持ちの方では、この医療の実状をいやっと思うほど思い知らされているわけですが、体験されたことの無い方では、現代医学は素晴らしい進歩を遂げているので、病気になってもスムースに治して貰えると思い込まれている人が大半であるようです。
　そこで、なぜ器械の場合のように、短時間で修理(治癒)できないのかということを不思議に感ぜられる方は多いと推測されます。
　その原因の一つとして、人間の体は器械とは比較にならないほど遥かに複雑であるということがあるのは事実です。
　ただ、病気も色々と種類がありますので、一概に言う事はできませんが、幾ら複雑であるとはいえ、理に適った治療が行われれば、時間は多少掛かるかも知れませんが、徐々に快方に向かうはずであります。
　しかし、“理に適った治療”とはどのようなもののことを指すのでしょうか？

　この世の中で起こる現象はすべて、何らかの原因が存在し、その結果として何かが起こっています。
　病気も上記に示した因果の法則の当てはまる範疇(はんちゅう)のものです。したがって、病気という結果を招く原因が必ずや存在します。
　ところが、医学界は伝染病以外のほとんどの病気の原因を未解明であるとしています。
　原因が未解明であると、“理に適った治療”を行う事は極めて困難であろうと、皆さんにも容易にご理解頂けるに違いありません。実際、多くの病気で経費が掛かる割には治癒成果が上げられずにいることが、各種の統計成績を見ると如実に判ります。

　ところで、病気の原因は本当に解明できていないのかというと、当然病気の種類にもよりますが、慢性病の場合には、かなりの程度に解明は進んでいると私は判断しております。