慢性病の主治医はご自分自身! その63

　小児に対する薬剤の投与量が少ないからと言って、成人との医療費に差異を付ける事は、薬を売るのでは無く、医療で病気を治癒することが目的であるのですから、量で金額を決めることは極めておかしなことであると私は考えるのです。

　現在、少子化対策は我が国の喫緊の国策の一つとされている時代にあります。
　産婦人科医が少なく、また更に小児科医が少ないということでは、安心して子供を産み、育てることができません。
　国策と医療の現場の実態の間に矛盾が存在していることは実におかしなことだと私は思うのです。

　産婦人科医の成り手が少ない理由は、一つには、日本の今後を考えた際に、少子化がますます進むと予測されることです。すなわち、経済的に縮小する傾向のある分野の医師には成りたくないということでしょう。
　また一つには、お産に際して親の方は、今の時代、子供は無事生まれるものと決めつけている方がほとんどです。したがって、無事な出産で無かったような場合には、裁判沙汰に持ち込まれるケースが数多くあり、とても割の合った話ではないという考えが、医師の卵たちの気持ちとしてあるのではと私は推察するのです。

　したがって、このような部分に対しての国の改革の方針が示されないことには、この分野に進む医師の数は増えないと判断されるのです。