スクワレン、この素晴らしきもの !⑤

　スクワレンの医学面での効果に着目された先駆者のお一人に鴻上慶次郎博士がおられます。
　同博士は、昭和初期の頃、東大医学部を卒業後、結核専門病院である国立中野療養所に就職され、結核の治療方法の研究を行なわれました。

　ご承知の通り当時は、結核が抜群の疾患別死亡率順位第一位の病気であり、現在のガンより死亡率が高く、国民病あるいは死病という非常に恐れられていた時代です。
　したがって、当時の医学界の最大の敵とも言いうる病気の研究は、医師として最もやりがいのあるものでありますから、その研究部門に就職できましたことは、鴻上博士が非常に優秀な学者であることを示すものと判断されます。

　鴻上博士は、中野療養所勤務時代よりスクワレンを結核の治療薬として利用できるのではと考えられ、色々と実験研究を行なわれています。
　これは、外国の研究者などの論文なども参考として、スクワレンに優れた殺菌作用のあることに注目したこと故と私は推察致します。