横田予防医学研究所

現代医学で原因未解明とされている慢性諸病は
今だ本当に解明されていないのか?
その答えを述べたいと思っています。

日本人の健康面への影響という角度から見たTPP

2011-10-30 20:02:54 | Weblog
 環太平洋経済連携協定(TPP)に我が国が参加することは是か非かという問題が最近マスコミで頻繁に採り上げられています。
 輸出企業のトップの人々は、「参加しないと日本の未来は無い」と、参加大賛成を表明し、一方、農業・酪農業界の人々は、「安い海外品が我が国に入ってきて、到底価格面で太刀打ちできない」と、参加大反対を表明しています。
 もっぱら、その人その人の従事する職場乃至職業での損得、すなわち、その企業や職業で作られる製品に関して世界の中での競合状態にある国との貿易に於ける有利不利ということが主なる論点で喧々諤々の論争が行われています。そして政府はというと、輸出企業側の意向を汲んで、参加の心づもりであるようです。
 私の場合は、TPPの結果がどちらになったとしても直ぐに大きな影響を受ける立場にはありませんので、経済的な問題をこのブログで触れるつもりはありません。そこでもっぱら、TPPに参加した場合の日本人の健康面への影響ということを述べることとします。

 TPPに参加した場合に農業・酪農分野には大きなショックが生ずると考えられています。ことに酪農分野は大きな影響を受けるであろうと予測されます。
 狂牛病(BSE)騒動で米国からの牛肉の輸入が一時ストップし、その後再開されてからも、背骨などBSEに関与する部位を取り除き、また、生後20か月以下の牛の肉に限るなどの制限を日本側が付けたため、騒動以前に比べ米国からの輸入は相当に減った状態となっています。
 米国からの輸入が減った分、オーストラリアなどから輸入していますので、輸入総量はさほど変わらないようです。
 ただ、米国からの輸入牛肉は日本人の嗜好に合わせた (肉にサシ〔脂肪〕がたくさん入るよう、餌として穀物を豊富に与えている) 飼育をしています。したがって、米国産の輸入牛肉は、価格が極めて安くて旨いと判断されているようです。

 そこで、TPP参加が決まった場合には、アメリカは日本に狂牛病発生以前以上買うように販売攻勢を掛けてくることが予測されます。
 日本人の肉の摂取量は今次大戦後一貫して増え続けてきています。今次大戦以前に比べると恐らく数十倍、人によっては肉を戦前は食べたことの無い人も数多くいたと推測されますので、そのような人にとっては無限大に近い増加ということになります。
 日本人の場合かつては、腸の長さが肉食人種の欧米人に比べ2.5倍ほど長いことが判っています。極言すれば、日本人は草食動物、欧米人は肉食動物と言いうるかと思われます。
 欧米人に比べれば、日本人の一人平均としてはまだまださほど肉類の摂取量が多く無いのは事実でしょう。しかし、長年の草食に適応した消化器ということを考えた時、もはや過半の日本人が過剰に肉類を摂取している状態にあるのではと私は判断しています。
 これを裏付けるデータとしては、かつての日本人には僅かしか罹患者がいなかった種類の病気で、欧米人には多発していたものが、日本人に於いても多発するような変化が起こっています(例えば、腸ガンや乳ガン、心筋梗塞、糖尿病など)。

 アメリカ合衆国では、医療に莫大な経費を投じ、かつ、医学は大幅に進歩したと言われながらも、余りに病人が増え、医療費増加に相変わらずストップの掛からないことから、栄養問題特別委員会などを設立し、大掛かりな疫学調査や、医学・栄養学界の指導的立場にある学者を委員会に招聘して聴聞し、ことに食生活をどのように改革すれば良いのか、国民の指針となるレポートにまとめ上げています。
 そして、ガンや心臓発作あるいは脳卒中などの統計成績の上に於いて、明らかに改善の兆候がハッキリと読み取れる成果を上げつつあります。
 ことにアメリカ人の知識人たちは、自らの食生活の改革に熱心で、日本の伝統的食文化に発祥の起源を持つ食生活改革運動である“マクロビオティック”を信奉し、実際に実践されている方が非常に数多くおられると私は聞いています。すなわち、アメリカの知識人たちは日本の食文化の優れたところを積極的に採り入れて、健康の維持・増進、病気の予防・治癒にかなりの成果を上げているのです。
 その一方で、日本人は自らのご先祖様たちが極めて長い歳月掛けて築き上げ、脈々と受け継いできた民族としての叡智である食文化を、自らが自らを卑下するという思いからであるのか、その理由はいまいち良く判らないのですが、呆気なく捨て去り、その結果慢性病の蔓延という現在の状態を招いています。
 現在の日本人をアメリカ人の知識階級と比較すると、行って帰って来るほどの差異が生じています。自らの食文化が世界の中でも飛びぬけて秀逸した素晴らしいものであることに気付けず、アメリカ人の食べなくなった肉類(アメリカ人でも低所得者階級の人々は今でも肉をたくさん食べ続け、不健康となっている)を押し付けられ、「美味しい」、「美味しい」と言ってがっつくように食べ、結果として次々と慢性病を発症して行っている様は、“阿呆・馬鹿”であると言うよりも、極めて悲しい姿に私の目には映ります。

 食べ物に於いては、“旨い”か“不味い”かということは非常に重要な事項ですが、健康の維持・増進、病気の予防・治癒ということにも十分配慮する必要があります。
 ただ、「旨い、うまい」で食べ続けていて病気になったというのでは、頭は何のために付いているのかということになってしまいます。
 なお私も、肉を食べてはいけないなどと述べているのではありません。健康の維持・増進に個々人の生活環境ことに食生活に於ける配慮が肝心であって、この病気防御の最前線の砦を機能させるように心掛けて貰いたいと言っているのです。
 要は、“自らの命は自ら守る”という基本理念を個々人持つことが大事だということです。もちろん、重い病気の場合には医師に頼らねばならないのは当然です、しかし従来は、ほとんどが他人(医師)任せという態度の人がほとんどであったと私は感じています。
 個々人の病気防御の最前線の砦は極めて有効に作用すると私は確信しております。そのためには、人々が心底から“なるほど!”と理解・納得のできる情報に基づく知識を具備できるようにすることが肝心なのです。
 私はこのブログで皆さん個々に、“なるほど!”と理解・納得して頂けると確信する、人々が自ら健康・生命を守る際の確たる指針として頂けるであろう私どもの研究成果を述べ続けているつもりであるのです。