不思議なご縁

介護では利用者様の訴えを傾聴することの大切さを習います。

しかし、聴くのはいいのですが、その前に話題を引き出す力が必要だと思います。

昨日他のユニットに夕方１時間応援に入りました。

初対面の人もいました。

初対面のおじいさんに早速話し掛けました。

七夕の短冊に漢詩が書いてあったけど。

あれは何の詩ですか。

論語だよ。

私達の時代は論語を暗記させられたから、今でも忘れない。

今では教える先生もいない。


たしかに、学校では教えないけど、好きな人は個人で論語を読んでいるよ。

聖徳太子は論語から
和をもって尊しとなす
て言葉を引用したんだよね。

論語をもっと勉強したいから教えてくださいね。

といったら嬉しそうでした。


隣のおばあさんに

ちゃんと寝れてますか？
と聞いたら、

寝れない。

早くあの世に

行きたい！

あれあれ、大変だ。

お迎えがくるまで、

もう少し辛いこの世を生きないとだめだよ。

何故そんなにあの世に

行きたいの？

大好きな兄さんに会いたいから。

兄さんは兵隊でシベリアに行き寒さで亡くなったと話してくれました。

私のおじさんもシベリアにいたよ。

一緒だったかもね。

一番最後の船で舞鶴に着いたけど、

そのまま家に帰らずに出家してお坊さんになっちゃった。

よっぽど辛いことがあったんだね。


日本兵が作らされた、建物は頑丈で、今でも体育館や集会場として残っているて聞いたよ。

僕も随分前にシベリアの日本人墓地に慰問に行ったよ。

県別に墓が別れていたけど、
　
青森県や東北地方の墓が多かったな。

5000人の墓に一輪ずつ花を供えてきたよ。

あそこから、日本を思って亡くなったんだね。
異国の丘はあのシベリアの歌なんだよ。

僕がお参りした墓の中にお兄さんがいたと思うよ。

と言ったら泣き出しちゃった。

紙にお兄さんの名前を書いて

いつも守ってくれて

ありがとう。

と書きました。

この紙を枕元に入れて寝てください。

よく寝れますよ。


あの世に行かなくても
お兄さんが会いに来てくれますから。

彼女はその紙を大事そうに胸にしまいました。

きっと、夜中に可愛い妹に会いに来てくれるでしょう。

これも、縁なのでしょうか。


縁て不思議ですね。


いろいろな体験が

役にたつものですね。

合掌