年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

やはりなぁ

2012-06-11 00:00:00 | Weblog
 大阪・心斎橋の事件は出所者であった。ニュースによるコメントを見ていると自分も虚脱感を覚える。仕事もない、住む家もない、頼る人さえいないしお金ももちろんないのないないづくし。市民感情からいえば、まじめに仕事を探せよ、まともに生きろよなどと云ってしまう。さらに覚せい剤取締法に触れることをやったんだから自分で自分の後始末くらいやるのが当然ではないか、自分のことをさておいて社会が悪いなどと甘ったれるんじゃないよ・・などの意見が聞こえてくる。
 私はこのような覚せい剤取締法違反により刑務所に収監され出所してきた人の就労支援も他の犯罪名のつく人と同様にやってきたし、現在もやっている。対岸の火事のような感覚ではない。犯罪者は心が弱い人とか、悪い人とか、家庭環境が悪いとかの善良な市民感覚の発言があることは理解している。そして批判することも簡単にできる。しかし問題はこの事件のように二次事件が起きることの恐れである。
                               
 この事件が起きる前の先週、私が刑務所の中で近々仮釈放される20人に向かって話しかけたことは、就職についてであった。刑を満期で迎える前に仮釈放され保護観察を受けながら働く場所を確保することと、心斎橋の通り魔事件の犯人のように刑務所を満期で釈放されて社会に出て働き場所を見つけることとは、少しやり方が違ってくる。今、法務省も出所者の就労については力を注いでおり、仮釈放者については保護観察所ともどもハローワークと手を組んで就職に結びつくように努力している。これを実践している私の経験からいうと、社会はこの犯人のように幾度面接に行っても不採用になる。じゃどうするか…放ったらかしておけばいいのか・・協力雇用事業所が全国に10000社足らずあるけれど、そのような事業所を開拓するのはたいへんである。担当する保護観察官やハローワークの担当職員も努力をしているけれど。
  
 自分が受刑者に向かって話しかけることは、必ず働きたい気持ちがある限り働く場所は探すことができること。何度断られてもあきらめてはならないこと。一人で悩むな、求職についてはハローワークの担当者と一緒に相談すること。不安は働くことによって大きく緩和されることなどである。