ちと早いようだ。桜の花が満開になるのが。木の種類によってはすでに満開状態から散り始めているものもある。ここ、刑務所内の中庭に植えている桜の木、ソメイヨシノの花も3分咲から4分咲の状態であろうか。このいまから旬を迎える桜の花を本日の講話の題材に選ぶことにする。
3月22日 松山刑務所講話骨子
「就労について」
① 暖かくなってきた。花が咲き始める。桜の開花が例年より早い。桜花の思い出について。
たとえば、ここ松山であれば堀之内にもお弁当を広げる風景、友達同士、夫婦連れ、子供どもと一緒の家族連れがある。道後公園の桜の下では会社員のグループや仕事仲間のグループがワイワイと酒を酌み交わす景色が見られる。私の今までの思い出は、島根県木次町と三刀屋町の間の川の土手に先並ぶ夜桜の風景が忘れられない思い出である。なぜならそれを見る二日前に私の病気がわかり、一切カロリーの高い食べ物や酒を飲むことを禁止されていて、旅館から出された花見のお膳や酒を飲もうか飲むまいかとグラグラ気持ちの中が動いていたことがあった。食いたい気持ちと食べちゃいけない気持ちが自分の中でケンカしていた。結局、はしを持たなかったので、今がある。危ない橋を渡るかわたるまいかの自分の中での葛藤であった。
桜の下での各人の思い出はどのようなものがあったか
下向く花が好きである。エゴノキの白い花、今咲いているのにクリスマスローズがある。白や赤紫や緑色の花も下を向いて咲いている。一方で上を向いて咲く花の代表はひまわりがある。チューリップもある。
はたして皆さんはどちらに向かってこれから咲きたいか
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今大相撲をやっている。8勝7敗で勝ち越す。15勝全勝のような就職や仕事など桜の花が満開になるような聞いたことがない。
② 私の前職は本屋さんである。いろんな本を出版していた。その中にいわゆるハウツーの本が多かった。○○の仕方とか、人生こうすれば成功するとか、金持ちになる方法とか
そのような本を作り売っていた会社である。現実はそれを見て成功したなどの話を聞いたことはない。買う人は何とか金持ちになり有名になりたいとか思うのかもしれないが。
考えてほしいのは、こうすれば魚が釣れるなどの本や、ゴルフの本にしても、こうクラブを振ればベストスコアが出るとか、子供をこう育てると立派な子に育つとか、参考にはなってもうまくいった話を聞いたことはない。私の周りには。
③ うまくいった人の生き方だけが参考になる。
失敗の繰り返しの中から頑張った人、何回も何回も倒れても這い上がって頑張った人がうまくいっているように思う。
④ うまくいった人には必ず自分のやり方やルールを持っている。
それは、自分の経験から割り出したものが多い。
こうすればうまくやれる、という経験
振り返って自分の経験の中からうまくいった何があっただろうか、失敗の方が多いのは当たり前。
高知新聞に声の欄がある、読者からの投稿である。むかし89歳のおばぁさんが書いて出した記事があった。高知県の山奥に住む人であった。その人は、今まで振り返って見て、楽しいこととつらく苦しかったことの割合は、楽しかったことが1割で後の9割は苦しかったと、つまり山奥にいて生活を守ることの苦労が多かったといっていた。それを私はいろんな人に意見を聞いたが、ほとんどの人は賛成であった。
ここに入るまでの仕事の中で、つらいことの方が多かったと思う人は?
⑤ 仕事のルール
人と話すときのマナー、しかも上司との話し方とかお客さんとの話し方のマナー、電話でのマナー、ご飯を食べる時のマナー、などたくさんある。働く事業所によってさまざまなルールが作られている。しかし、いちいち覚えてやるのは面倒くさい。
何が最も大切であると思うか?
あいさつに始まりあいさつで終わる、人に話すときには目を見て話す これが重要。
⑥ 求職の方法 それぞれの特徴
知人や身内の人の縁故による就職・・自分を知っている
情報誌 新聞による就職・・自分が開示しない限り相手はわからない
ハローワークを通しての就職・・職員との相談によって開示非開示で求人情報をたくさん持っている。
⑦ ハローワークでの求職活動の方法
求職票→受付→刑余者担当者→相談→面接→定着指導
⑧ まとめ