先々週以来担当官から履歴書を出すように催促されていたけれどあとでもいいだろうとゆっくりしていたが、昨日ハローワークに行き、頼まれていた他人の求職のことで調べていると、私が今就労中の求人が出ておった。読むと来年度の雇用契約に向けて履歴書と職歴書を送りなさいと求人票にある。まだ書いていないが、締め切りは昨日までとなっている。アッチャ~、だから過ぎているのである。人から頼まれたことは早くしなければと思いながらも、ついつい遅れる性分だから自分のことになるとなおさら遅れる。で、今日は講話をしなければならない。その時いっしょに持っていくので、よろしく、と昨日担当官にお願いをしていた。そして昨夜遅く履歴書だけは書いたものの職歴書は書いていない。
それよりも問題は今日の講話の内容・・どうしようかと朝の5時半に起きて考えた。しかしついつい頭が回らない。外の空気を吸っても、モーニングコーヒーを飲んでも頭の中はカラカラと空回り。講話の時間である10時半過ぎには刑務所に行かなければならないのだ。
しかし、まだ履歴書も書き直す必要がある。時間がない。とうとう8時も過ぎた。焦ってくる・・早く講話の内容を考えねば・・・と横になりゴロゴロ。
そしてNHKの朝の番組、私の好きな有働由美子アナといのっちの番組、あさいち「プレミアムトーク」を見ながら、ア~、ヨッシ今日はこれでいこうと・・ヤケッパチ状態である。
25年2月22日
松山刑務所 仮釈放者に向けての講話
ハタラクことについて
①今朝のNHK8時15分から放送「プレミアムトーク」のゲスト出演者は美輪明宏さん。
②ヨイトマケの歌を紅白歌合戦で歌う。圧倒的な歌唱力と迫力あり。
③ヨイトマケの意味
ヨイトマケとはもともと重い物を滑車で上げ下げする時や、網を引き上げる時に言った「よいとまぁけ」という掛け声のことである。これが転じ、建築で重しの槌や柱を上げ下げし、地盤を突いて地固めをする労働のこと自体や、その労働をする人をヨイトマケというようになった。また、かけ声の違いから「えんやこらや」と言うエリアもある。ヨイトマケの多くは女性で、稼ぎの少ない夫を持った妻や、夫に先立たれた妻が家族を養うための仕事でもあった。このことから、ヨイトマケ=働く女性という意味合いで使われることも多い。
現代ではヨイトマケを行うことはほとんどなく、ランマーという機械で地固めを行う。
④ヨイトマケをさげすむ時代⇒差別
⑤差別やいじめについて
成績が良い、家が金持ちである、美人、など ⇒ 強者から貧乏、成績が悪いなど弱者側に向かうものとは
いじめられる人にとってどんなに力のある強い人からいじめられようとも、母親を思うと・・・
美輪明宏さんの歌う姿を思い出すと、そうした重労働に従事しながら子供や家族のことを思う母の気持ちを切々と歌いあげていました。
この唄が発表されたのは昭和39年。美輪明宏さんが丸山明宏として活躍していた頃の唄で、しかもご自身で作詞作曲された曲です。
貧乏な家庭で育った子供が、母親の仕事のことでいじめられながらも、母のがんばる姿を見て立派に成長しその母親が歌っていた『ヨイトマケの唄』を思い出すという内容です。
大ヒットしたにもかかわらず、あまり知られていないのには訳がありました。
歌詞の中に出てくる『土方(どかた)』という言葉が放送禁止歌の基準に引っかかったため、放送されなかったからです。
⑥無償の愛 AIの映画の話
ロボットに愛をインプットされてギブのみ、テイクはない存在 無償の愛の母親と同じ
⑦仕事の意味
「しごと」のしはサ行の変動した「し」で動作を行うという意味。仕事は単にすることの意味でしかなかった。することはすべきことでありすべきことは生きるために働くことである。
⑧働くことの例
郵便局員さんの昔のはがきの枚数の数え方、うどん屋(はなまるうどんの1杯の分量)肉屋さんの肉の切り方⇒殆ど身体で覚えている勘
⑨勘
勘はどのようにすればできるのだろうか? 中学の友人ボクサーKの話(調理師のKは天ぷらを揚げる油の温度を指を入れて計る、強いボクサーのパンチの避け方とは)
⑩長年の職業の経験から学ぶ 柳田國男さんの話 真似る→学ぶ→覚える→悟る
⑪敗戦後満州から引き揚げた人の話 鉄道に沿って帰還できた人とは?現地の人から食料など略奪した人か、それとも現地の人と仲良くした人か。
体力よりも 考えること
⑫瀬戸内海の小さな小島に登山する=私の趣味 小さくとも山がある 大きい所だけに山があるのではない 頂上には祈りがある。
と、まぁ本日の講話の内容とした。私は近々仮出所する未だ罪名を持つ人に、こうしなさいと云ったことはない。独りにならないこと、誰か相談できる人と繋がっていこう、と話しかけるのみ。