リーマンショック後と今回のコロナ禍の経済ショックで、最も違うのは原油価格である。リーマンショック後、もちろん、原油価格は一時期、大暴落したのであるが、その後は急速に値を戻し、WTIの価格は1バーレル=100ドル付近を推移することになる。一方、今はどうかと言えば、逆である。一瞬とはいえ、マイナス価格まで落ち込み、しばらくは1バーレル=20ドルを上回ることは無いだろう。リーマンショック後、原油価格が急回復した理由は例えば、中国経済は減速していたけれど、原油の輸入量はわずか1%しか減少していなかったのである。つまり、リーマンショックは世界の金融市場に大きなダメージを与えたけれど、実体経済にはさほどの影響を与えていなかったのである。しかし、今回のコロナ禍は違う。世界の各国政府が行った社会封鎖が実体経済に影響を与えないわけがないのである。その結果が原油価格に現れているのである。もちろん、原油も金融商品化して久しく、今回は中国銀行系のフアンドが下手を打ったと言われているのだが、世界経済の先行指標として、原油価格は重要なのである。(くちなし亭、2020.04.25)
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