坂本冬美さんの歌う「夜桜お七」のお七というのは八百屋お七のことである。江戸時代、振袖火事を起こしたとして、火刑に処せられた女性である。火事の時に、一時的に避難した正仙院の寺小姓に恋焦がれ、火をつければ、また会えると放火したと伝えられる。この話が有名になったのは井原西鶴の「好色五人女」に描かれてからで、今も、坂本冬美さんが歌い。私たちの心にまで響くのである。さて、なぜ、「夜桜お七」のことが、私にの頭をよぎったかと言えば、福島県富岡町で、広く知られる「夜の森の桜」が満開になり、サクラのトンネルがとなっているというニュースが伝えられたからである。コロナに関係なく、桜前線は北上する。今は福島や仙台と言った東北地方南部に満開の花を咲かせている。「夜の森の桜」は約2・2キロの桜並木で、ソメイヨシノを中心に約420本もの桜が花を咲かせている。富岡町は東日本大震災の原発事故の影響で、避難状況が続いている。3月の避難指示一部解除で、桜並木を歩いて散策できる範囲は約300メートルから約800メートルに延びたがまだ全面解除ではない。(くちなし亭、2020.04.04)
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