フランス人は犯罪者でも警察をおちょくる。

フランス人と言うのはアルセーヌ・ルパンの伝統を背負っていて、犯罪者といえども、警察をおちょくることを忘れない。今頃、彼らは私と同様に、腹を抱えて笑い転げていることだろう。パリ警察本部は17日、パリ北部郊外のサントゥアンのアパートで、秘密のパーティーに提供される麻薬（MDMA、エクスタシー）の包装作業場に対する捜査を行い、麻薬、約100万ユーロ（約1億3000万円）相当を押収したと発表した。実りある捜査だったと彼らは自画自賛したのである。ところが、彼らが押収したMDMAと思っていたのはドイツの製菓大手ハリボーが製造しているタガダストロベリーのようなキャンディーを砕いたものだったというのである。当然、麻薬とは無関係の無害な粉末だったのである。彼らは捜査当局の手入れを察知し、大量のキャンディを購入し、叩き、粉末にして、いかにも麻薬だと思われるような包装を施して、手入れを待ったのである。日本の泥棒なら、手入れの情報に接すれば、慌てふためいいて逃げ出すだけなのだが、さすがはフランスの犯罪者である。ただでは逃げないのである。（くちなし亭、2021.03.21）

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