朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

寅さんのどこが良いのか?

2016-10-10 23:04:12 | 21世紀
寅さんのどこが良いのか?
2016/10/11
「男はつらいよ」に惹かれる若い人が多いと、テレビで解説がありました。
 仕事に縛られ、したいことも出来ない若い日本人には、理想の生活なのでしょうと、言っていました。
 しかし、映画には、ほとんど働いて稼ぐ場面はなく、生活の基本はありません。貴族のように遊んでいる生活が、若い人の理想のように思え、宝塚のお芝居のような生活がこの世で出来ると考えているのかと叱りたくもなります。
 寅さん映画についてウィキペディアでは、次のように紹介しています。
 主人公、「フーテンの寅」こと車寅次郎は、父親、車平造が芸者、菊との間に作った子供。実母の出奔後父親のもとに引き取られたが、16歳の時に父親と大ゲンカをして家を飛び出したという設定。第1作は、テキ屋稼業で日本全国を渡り歩く渡世人となった寅次郎が家出から20年後に突然、倍賞千恵子演じる異母妹さくらと叔父夫婦が住む、生まれ故郷の東京都葛飾区柴又・柴又帝釈天の門前にある草団子屋に戻ってくるところから始まる。
 各作品のパターンはほぼ様式化されている。寅次郎が旅先で出会うマドンナに惚れてしまい、何かと世話を焼くうちにマドンナも寅次郎に対して信頼を寄せ親しい仲になる。その後舞台を柴又に移し、「とらや」を舞台に賑やかな人情喜劇が展開されるが、結局恋愛に発展することなく、最後にはマドンナの恋人が現れて寅次郎は失恋する。
 寅さんのような生活がしたいのなら、お祭りの時に出店する屋台を経験すればいいのです。
 全国のお祭りを回って生活するには、旅費も要るし、旅館に泊まらねばなりません。宿泊料は安くても3000円とするなら、1か月90,000円要ります。定着し、家を借りて住むなら、安ければ50,000円で済むでしょう。テキ屋・香具師生活は、一般生活より金が掛かると感じます。
 映画では、ヘラヘラ生きているように描かれますが、したいことをする楽しい生活ではなく、稼ぐためにいろいろする厳しい生活が実際のことです。ですから一般人には、出来ない生活です。
 映画の中で、寅さんは悟ったような名言を吐きますが、生活に根付かない架空の夢で、そんなものは、何の役にも立ちません。寅さんにあこがれる若い人は、眼を覚ましなさい。
 この映画が日本の代表作であると、山田洋二監督はマスコミでは神様扱いされますが、日本を毒する映画でもあります。日本映画が衰退しているのは、映画を小さなものにした、彼の責任かも知れません。