朝礼の話題

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参加することに意義がある

2016-10-14 20:18:53 | 21世紀
参加することに意義がある
2016/10/15
 リオオリンピックでは沢山メダルが取れて良かったですね。
 私が子供の頃は、メダルを取ることは、難しかったのでしょう?オリンピックのキャッチフレーズは「オリンピックは参加することに意義がある」と言うもので、新聞で大きく宣伝されたものでした。
 当時のIOC会長のクーベルタンがとりあげ、次のように述べました。
「勝つことではなく、参加することに意義があるとは、至言である。人生において重要なことは、成功することではなく、努力することである。根本的なことは、征服したかどうかにあるのではなく、よく戦ったかどうかにある。」
 オリンピックには、「より速く、より高く、より強く」という言葉もありますから、「参加することに意義がある」と言う言葉は、弱くてもいい、負けてもいいという意味ではないでしょう。
 しかし、ただ勝てばいいというわけではありません。参加し、そしてひたすらに、純粋に、勝つために正しく努力することに意義があると言えばよいでしょうか。
 今回のオリンピックでは、東京五輪を4年後に控え、メダル至上主義になっているようです。スポーツ選手はアマチュアと言いながら、国や団体から補助金を受けて、プロと何ら変わるところはないようです。
 バトミントン選手が、カジノに出入りし、オリンピック参加を禁止され、それ迄に受け取った補助金・奨励金を返せと請求されていました。かなり高額でした。
 100m徒歩で世界記録の、ウサイン・ボルトは高額の収入があります。北朝鮮では、オリンピックでメダルを取ると、高級マンションや高級自動車など国から貰え、英雄になるそうです。ロシアでは、メダルを取るため国家ぐるみでドーピングがおこなわれました。
 そんな様子を見ると、クーベルタン時代はおおらかで、良かったなとも感じます。
 現代では、テレビが視聴率を高めるチャンスだとして、報道は過熱しています。「参加することに意義がある」とは、だれも言いません。
 現代は、すべて、金銭換算で評価され、企業での営業成績・国のGDP増加・給料の高さなどで金額で順位付けされます。非正規社員は、給料の低さから、女性から相手にもされず、未婚になり、日本の出生率は低下を続けています。
 昔の百姓の時代には、収入が少なくでも、、赤毛のアン翻訳者の村岡花子の自伝のように、皆精一杯生きたものですが、現代では、収入が、階級となった差別社会になりました。