旅はまだ終わらない(旧構造有機化学研究室)

構造有機化学研究室(1992-2023)のホームページを引き継いだものです。

止まらない論文数減少

2017-08-11 16:58:53 | 大学のこと

       

日本の自然科学分野での論文数の相対的な低下が止まらない。 数日前の報道によると、2013~2015年の日本の論文数は6万4013件で、2003~2005年の世界2位から4位に落ちた。 また、日本の論文数は2003~2005年時点で、世界で出版される論文の8%以上を占めていたが、2013~2015年は4.7%に低下している。 引用数が多い論文について分析すると、2003~2005年は米英独に次ぐ4位だったが、2013~2015年は9位でイタリアやカナダにも抜かれてしまっている。 こんな明らかな数的な結果が出ているのに、相変わらず、大学の予算削減、人員削減が続いている。 それに輪をかけて、予算の極端な選択と集中、さらに年中行事のような組織改組、入試改革、カリキュラム変更、学年暦見直し等に、多くの教員が多大な時間を割かれている。 「教養部は必要ない」と廃止してしまった数年後には、今度は、「一般教養は大事だ」である。 一貫性が全くない。 多くの地方大学は、シュリンクしていく国内のパイの奪い合いに日々奔走している、その中で「評価」、「評価」に追い回されている面もあり、皮肉なことだが、評価の対象「研究や教育」に費やす時間が結果的に減っている。 そこには、じっくりと腰を据えて「研究」と向かい合う余裕もない。 この20年で、我々の学科も教員の数は3分の2、雑用(教育と研究以外)は2倍と言ったところだろうか。 大学に勤務して30年以上になるが、日本の大学はどこで舵を切り間違えたのだろうか?

       

From Face Book: The universities in Japan are suffering from a deterioration.

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