先日のS君の訃報に際し、ある友人から「時には昔の話を」を聴きながら、彼を偲ぶとのメッセージが入った。 私も大好きな曲の一つであり、久しぶりに聴いた。 内容的には、我々より一世代上の学生運動に没頭した多くの若者のことを描いたものだが、もちろん、我々の青春時代に相通じることも少なくない。 揺れ動く時代ではあったが、何となく将来は明るいという確信のようなものを、皆、持っていた。 少なくとも、当時、老後の心配をするような若者はいなかった。 まあ、勉強しなくても、留年しても、何とかなるという時代であった。 この歌を聴きながら、当時の香りのようなものが脳裏をよぎると、自然に目頭が熱くなった。 手の届かないはるか遠くの青春時代になってしまった。
時には昔の話をしようか
通いなれた なじみのあの店
マロニエの並木が窓辺に見えてた
コーヒーを一杯で一日
見えない明日を むやみにさがして
誰もが希望をたくした
ゆれていた時代の熱い風にふかれて
体中で瞬間(とき)を感じた そうだね
道端で眠ったこともあったね
どこにも行けない みんなで
お金はなくても なんとか生きてた
貧しさが明日を運んだ
小さな下宿屋にいく人もおしかけ
朝まで騒いで眠った
嵐のように毎日が燃えていた
息がきれるまで走った そうだね
一枚残った写真をごらんよ
ひげづらの男は君だね
どこにいるのか今ではわからない
友達もいく人かいるけど
あの日のすべてが空しいものだと
それは誰にも言えない
今でも同じように見果てぬ夢を描いて
走りつづけているよね どこかで
From Face Book: The story that reminds me of the good old days.