サイドウェイ

監督　アレクサンダー・ペイン
出演　ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン、サンドラ・オー

　サイドウェイ。寄り道のこと。人生も半ばを過ぎた中年男の二人旅。オタクでドジでスケベな、さえないおっさんが行く、カリフォリニアのワインとゴルフとスケベの旅。
　マイケルは国語の英語教師。小説を書いているが売れない。離婚経験者だが、別れた妻に未練たっぷり。ワインオタクで、ワインに関する知識と見識は本物。
　ジャックは昔は少し人気があった俳優。いまはＣＭの半端仕事で糊口をしのいでいる。1週間後に結婚式を挙げる予定。女好き。スケベ。
　マイケルとジャックは親友。二人はジャックの独身最後の1週間を、思い出深いものにするため、カリフォルニアのワイナリー巡りとゴルフの旅に出る。
　旅に出た二人だが、旅の目的はまったく違う。マイケルは様々なワインを味わい楽しむ。ところがジャックの目的はただ一つ。女とエッチすること。俳優という仕事を武器に今日もナンパしてスケベする。
　二人は旅の途中で、それぞれカノジョができる。マイケルはウェイトレスのマヤ。ジャックにはワイナリーの職員ステファニー。両方とも普通のおばさん。小生の審美眼では美人とはいいかねる。
　この映画、二人のおじさんのさえなさ具合を楽しむ映画。ともかくさえないことさえないこと。旅行に使っている車は、少しへたったサーブのコンバーチブル。泊まる宿はホテルではなく安そうなモーテル。食べる食事はなんかファミレスの食事みたいなもんばっかり。さすがにマイケルが選んだワインだけは上等そうだったが。
　マイケルは作家と自称するが、作品は出版されそうにない。映画の中でどんな小説かいっていたが、とても面白そうとは思われない。それでも夢は捨てきれない。別れた妻に未練が大いにあるが、その元妻も再婚した。
　ジャックは俳優とはいえ、今は深夜に流れるようなマイナーなＣＭ。ああいうＣＭの仕事ぐらいしかない。それでもいちおうプレイボーイ。とりあえず、彼とベッドインする女性はいるが、亭主持ち。情事の最中に見つかってほうほうのていで逃げるが、財布を忘れる。その中には婚約者からもらった大切な指輪が。彼、女あさりをしているが、婚約者に逃げられることをなによりも恐れている。
　このおじさん二人がとっても健気でかわいい。特に小生は小説を書いているので、とっても身につまされた。