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バトルシップ


監督 ピーター・バーグ
出演 テイラー・キッチュ、浅野忠信、ブルックリン・デッカー、リーアム・ニールセン

 ハリウッドが大金をかけて大コケした、おバカ映画の大作。おバカ映画といわれるが、造っている人たちは大まじめに造った映画だと思われる。小生は、そんなバカにしたもんじゃなくて、けっこう楽しんで観た。
 外宇宙の知的生命と通信を試みるビーコン計画。どこやらの惑星から反応があった。最悪の反応が。悪意のあるエイリアンが地球に飛来。香港など各地に大きな被害。
 ハワイ沖にも連中はやって来た。ちょうどその時、ハワイ沖では各国の海軍が参加して合同演習が行われていた。リムパックである。
 エイリアンはハワイ海域をエネルギーシールドで覆う。シールド内にはアメリカのミサイル駆逐艦2隻、日本自衛隊の護衛艦1隻。3隻の艦船が残された。
 海中から巨大なエイリアンの兵器が出現。攻撃を始めた。人類の命運は、この3隻の船にたくされた。
 SFXはよくできている。戦闘場面は迫力があり、なかなかすごいスペクタクルである。それにエイリアンにはまったく歯が立たないのではなく、地球のミサイルや火器がけっこう有効なので、戦闘シーンが面白い。
 では、この映画なにがダメなのか。シナリオがダメ。主人公は賢兄愚弟の弟。映画の冒頭は、この主人公のバカぶりを描く。賢兄に従って愚弟も海軍に入るのだが、こやつには恋人がいて結婚したい。彼女にはパパの許可をもらってねといわれる。このパパというのが海軍の提督。エライ人なのである。
 彼女は病院のリハビリ担当。両足を戦争で失った退役軍人の担当をしている。彼女と退役軍人はリハビリを兼ねてハワイの山に登る。その山には宇宙と通信する施設が。
 かような人物のからみは不用。エイリアンと地球人の戦いに重点を置いてみせるべし。トランスフォーマーが空軍と陸軍の戦いなら、この映画は海軍の戦いなのだ。監督をマイケル・ベイにやらせるべきだったな。
 結局、アメリカの駆逐艦も日本の護衛艦もやられる。戦う船がない。いや、あと1隻あるじゃないか。というわけで、パールハーバーに停泊していて記念施設となっている、第2次世界大戦当時の戦艦ミズーリに乗り移る。こんな古い船動かし方が判らん。ワシらに任せろ。記念式典に参加していた、かっての乗組員の老人たちがやって来て、ミズーリを動かす。エイリアンめがけて、戦艦ミズーリの40センチ砲が火を吹く。
 この最後のエピソードはいい。ここのところをもっとふくらませて、他のくだらん人間ドラマは割愛すれば、スペクタクル映画としてはなかなか良くできた映画となったのではないか。
 
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