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3月30日(日) 再チャレンジ支援策をやめるな

 安倍前首相は、極めて無責任な形で首相を辞任、在任中も「せんごれじゅーむのソーカツ」というだけで、政治家としてはおおいに疑問が残るご仁だったが、その安倍前首相が行ったことで、唯一評価できることがある。
「再チャレンジ支援政策」がそれ。人生、いろいろある。挫折することもある。失敗することもある。そのような人たちを政府として支援して行こうというもの。その実態はよく知らないが、考え方、コンセプトは非常に結構なもので、ぜひとも継続し、成功してもらいたい政策だった。
 ところが、この政策が打ち切られた。政府の「再チャレンジ支援策」担当室が3月31日になくなる。なんでも、福田ホーホーホー息子首相は、福田色をなんとか印象づけたいらしく、アベ色の払拭に一生懸命。と、いうわけで安倍ボンボン首相の看板だった「再チャレンジ支援策」を降ろしたというわけ。「前任者の手あかのついた政策は遠ざけたい」とのこと。
「手あかのついた政策」というなら、自民党が出来て以来、幾星霜、手あかがつきまくりの、コテコテの黒光りしている政策がいくらでもあるじゃないの。まず、そんな政策から見直すべきではないのか。ところが、そんな政策は後生大事に受け継ぐくせに、「再チャレンジ支援策」のように、ぜひとも本気で取り組んでもらいたい政策を取りやめるとは本末転倒も甚だしい。
 今の世の中、一度転ぶと再起は非常に難しい社会だ。学校を卒業して、なんらかの理由で、フリーターになると、そこからの脱出は大変に困難。また、大学を卒業して、それなりの会社に正社員として雇用されても、会社が倒産でもしたら悲劇だ。次の会社に正社員で入社できればいい。しかし、いったん派遣、契約などの非正社員のワーキングプアに陥ると、そこからの再起は大変むつかしい。
 若年層はまだいい。自分の口だけを食わせればいいから。中高年でリストラでもされたら、元の生活程度を維持するのはまず不可能。リストラ中高年は、小生もそういう身の上であるから、その苦難は充分に判っている。また、再起の難しさは、このブログのカテゴリー「とつぜんリストラ風雪記」で小生が口をすっぱくしていっている。
 新聞報道だけでは事件の背景はよく判らないが、電車に人を突き落とした少年。少年は大学に進学したかったが、経済的な理由で断念、自暴自棄になっていたとのこと。少年のおとうさんは派遣社員。もちろん少年自身の心の弱さが事件の一番の要因だと思うが、もし彼の家庭が彼を大学に進学させるだけの経済状態であったなら、ひょっとすると避けられた悲劇かも知れない。
 中高年は家族を養っていかなければいけないのだ。若年層よりも中高年のこの問題の対策の方が大切ではないかと、小生は思う。
 ことほど左様に「再チャレンジ支援策」は絶対に必要なもの。ただたんにフクダ色を出すというだけで、取りやめるのは誠に不適切な判断である。必ずや復活させて欲しい。
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