7月５日（木） 悪いこと自慢

　以前勤めていた会社で一度だけ社員旅行の幹事をやらされた。そんなもんはやりたくなかった。というより、小生が社員旅行なんぞというものに行ったのはその時の旅行一度っきり。だいたい自分の会社の社員どもの顔は、正規の就業以外にも残業やら休日出勤やらでイヤというほど見ている。それでも足らずになんで旅行までして連中の顔を見なきゃならん。でも幹事は順番なんでしかたがない。行き先は出雲だった。現地に着いて、少し時間があったので当地のＳＦ関係の友人を呼び出して、彼の顔を見て毒を中和した。
　事前に幹事経験者に集まってもらって参考のため話しを聞いた。で、そこで出た話。
「××温泉行った時な、ある角度から見ると女湯丸見え。いやあよかったで。またあそこ行こうな」
「△△温泉な風呂の底は自然石やねん。風呂のすぐ外は河原やねん。で、だれぞが河原の石持ってきて風呂に投げ入れよってん。石投げ入れがおもろいゆうて、だんだん大きな石入れて、最後にゃ両手で抱えてドボーンや」
「そんなんマシやで、ワシらの時はな、夕食の食う前の膳を酔っ払って蹴り飛ばしてしもて」
「そんなんたいしたことない。ワシの時はな」
　旅先での悪行三昧。いくら旅の恥じはかきすてとはいえ、少なくとも旅館やら他の客に迷惑をかけているわけ。それが恥じて反省するどころか悪いこと自慢大会。まったくどういう神経しているんだろう。
　小生が幹事をやった翌年の社員旅行ではとうとう最悪の事件を引き起こしてしまった。どんな事件かというと、とうていここでは書けない。