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この空の花 長岡花火物語


監督 大林宣彦
出演 松雪泰子、高嶋政宏、原田夏希、猪俣南、富司純子、柄本明

 大林さん、どうしたんだ。なにをそんなにあせっている。この映画を観終わって小生が思ったことだ。昨今の状況をかんがみ、戦争の影がすぐそこに近づいて来ている。そのことを考えると、とてもじっとしてられない。また、大林さん自身の身の上に何かあって、「私はあと何本映画を撮れるだろう」と考えると、やもたてもたまらず、この映画を創った。小生はどうも後者のような気がする。宮崎駿がこれが引退作として「風立ちぬ」を創って本気を示した。宮崎監督の「風立ちぬ」に当たるのが、大林監督の場合、この「この空の花 長岡花火物語」のような気がする。
 戊辰戦争、太平洋戦争、シベリア抑留、原爆投下模擬爆弾、中越地震、東日本大震災。河合継之助、山本五十六、堀口大学、山下清、新聞記者、高校教師、高校生、花火職人。あれも入れたいこれも入れたい。てんこ盛り。
 新聞記者遠藤玲子が新潟県長岡市にやって来た。元恋人の片山が新潟県山古志村で高校教師をやっている。そこの生徒元木花が「まだ戦争には間に合う」という演劇台本を書いた。それを上演するから見に来てくれとのこと。
 遠藤は長岡の花火も取材する。長岡の花火はたんなるイベントではない。戦争や地震で亡くなった、人々を追悼し、復興への祈りの象徴だ。
 花火をモチーフに反戦の意志を強く訴える。それは納得できる。ただ、その意志が強すぎて、映画としてのバランスをいちじるしく崩している。大林監督のいいたいことはよく判る。ただ、いいすぎたな大林さん。
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