雫石鉄也の
とつぜんブログ
とつぜんリストラ風雪記 4
とつぜんリストラ風雪記1
とつぜんリストラ風雪記2
とつぜんリストラ風雪記3
第4章 27年ぶりの失業者
失業者となる。もう、どこの会社の社員でもない。誰に命令されることもない。また、誰を命令することもない。スースーとした気持ちだ。このような無為無冠無職の状態は、コピーライターを辞めてK電気に入るまでの間に経験したが、それ以来27年ぶり。
これで今月からの収入は雇用保険のみ。雇用保険が切れれば、まったく無収入となる。退職金が出て、いくばくかの貯金ができたが、その程度の貯えでは、年金受給年齢までもたない。また年金が受給できるようになっても、それだけで生活できるような年金とはとうてい思えない。早急に再就職する必要がある。
2002年11月22日(金)
国民健康保険に加入したため、新しい保険証ができたので、東灘区役所まで、引き取りに行く。小生は胃潰瘍持ちにつき、胃酸を押さえる薬を常用している。また、血圧の薬も服用している。家族も持病を持っている。
失業者なので医療費の全額負担は絶対に不可能。早急に保険を切り替える必要があった。最短で新しい保険証が入手できた。
11月25日(月)
大阪、梅田の新阪急ビルにあるパソナへ行く。ガイダンスを受ける。受講生は小生ともう一人。もう一人は小生よりいくつか年上と思われる管理職風の人。大手の住宅メーカーを早期退職したとか。
ガイダンスしてくれたのは、チーフコンサルタントという肩書きの60過ぎのおじさん。世慣れた感じで、上手なおしゃべり。元は大企業の総務ではないかと見たが、あたっていた。なんでも大手家電メーカーの総務にいて、パソナにヘッドハンティングされたとか。
11月26日(火)
灘ハローワークへ初めて求職に行く。求職検索用の端末に、収入、休日、勤務地などの条件を入力して検索するのだが、K電気を辞める直前の条件で検索する。ほとんどヒットしない。収入の希望を大幅に低くして検索すると何件かヒットする。現実の厳しさを認識する。いままで通りの生活は維持することは不可能。いったん生活をリセットする必要がある。
ハローワークから東灘区役所へ。国民健康保険の保険代と市民税の減免について聞く。失業者になったのだから、それなりの救済処置があるはず。区役所の説明では、確かに保険と税金の減免は可能とのこと。この人は確かに失業者であるとの証明があればいいとのこと。では具体的にどうすればいいか。ハローワークで雇用保険受給者証をもらってきて、提示すればいい。
お役所はわれわれ市民から、税金などお金を取ることは積極的にいってくるが、こっちが払うお金を負けてもらうことはだまっている。
小生は区役所に出向いて減免の制度はあるかと、聞いたから判った。もし、そういうことに気がつかなければ、失業者でありながらフルでお金を払わなければいけないところだった。
その時の区役所でのやり取りを再現してみよう。
まず、保険の窓口に行った。
「あのう、私、会社辞めて無職になったのですが」
「では国民健康保険に加入してください」
「加入しました」
「あ、そうですか」
次の人を呼ぼうとした。
「無収入になったのだから、保険代は負けてもらえるのですか」
「減免は可能です」
「どうすればいいですか」
「無収入であることを証明してください」
「具体的にどうすればいいのですか」
「どちらにもお勤めではないのですね」
「はい」
「雇用保険は受給されてますか」
「まだです」
「では、ハローワークで雇用保険受給者証をもらってきてください」
「それを見せればいいのですね」
「はい」
「雇用保険は収入にならないのですか?」
「なりません」
「税金も負けてもらえますか」
「わかりません。ここは保険の窓口です。3階の税金の窓口で聞いてください」
で、区役所の3階に行って、まったく同じやり取りをした。
この時点では小生は保険の切り替えをしている。国民健康保険に加入済み。ずっと自営でずっと国民健康保険の人ならば、いざ知らず、途中で国民健康保険に切り替える人は、ほとんどが小生のように会社を辞め、職を失った人だろう。当然、収入も失っている。だから保険の切り替え手続きの時に、保険代と税金の減免のことを教えるようにすれば、上記のごとき余計な手間をかけずに済む。
もう一度いう、役所は金を取るときは、市民にヤイヤイいってくるが、取る金を少なくする時は黙っている。こっちからいわなければ、そのまま取られ損。もし、これを読んでいる貴方が失業して直後なら、すぐに地元の役場に走ろう。
区役所からの帰りしな、年末ジャンボ宝クジを買う。3億円当たれば、求職活動をしなくてもいい。SF三昧。上方落語三昧。阪神タイガース三昧。料理三昧しながら、のんびりと好きなモノ書きでもして暮らそう。書斎を持とう。車も買おう。
つづく
とつぜんリストラ風雪記2
とつぜんリストラ風雪記3
第4章 27年ぶりの失業者
失業者となる。もう、どこの会社の社員でもない。誰に命令されることもない。また、誰を命令することもない。スースーとした気持ちだ。このような無為無冠無職の状態は、コピーライターを辞めてK電気に入るまでの間に経験したが、それ以来27年ぶり。
これで今月からの収入は雇用保険のみ。雇用保険が切れれば、まったく無収入となる。退職金が出て、いくばくかの貯金ができたが、その程度の貯えでは、年金受給年齢までもたない。また年金が受給できるようになっても、それだけで生活できるような年金とはとうてい思えない。早急に再就職する必要がある。
2002年11月22日(金)
国民健康保険に加入したため、新しい保険証ができたので、東灘区役所まで、引き取りに行く。小生は胃潰瘍持ちにつき、胃酸を押さえる薬を常用している。また、血圧の薬も服用している。家族も持病を持っている。
失業者なので医療費の全額負担は絶対に不可能。早急に保険を切り替える必要があった。最短で新しい保険証が入手できた。
11月25日(月)
大阪、梅田の新阪急ビルにあるパソナへ行く。ガイダンスを受ける。受講生は小生ともう一人。もう一人は小生よりいくつか年上と思われる管理職風の人。大手の住宅メーカーを早期退職したとか。
ガイダンスしてくれたのは、チーフコンサルタントという肩書きの60過ぎのおじさん。世慣れた感じで、上手なおしゃべり。元は大企業の総務ではないかと見たが、あたっていた。なんでも大手家電メーカーの総務にいて、パソナにヘッドハンティングされたとか。
11月26日(火)
灘ハローワークへ初めて求職に行く。求職検索用の端末に、収入、休日、勤務地などの条件を入力して検索するのだが、K電気を辞める直前の条件で検索する。ほとんどヒットしない。収入の希望を大幅に低くして検索すると何件かヒットする。現実の厳しさを認識する。いままで通りの生活は維持することは不可能。いったん生活をリセットする必要がある。
ハローワークから東灘区役所へ。国民健康保険の保険代と市民税の減免について聞く。失業者になったのだから、それなりの救済処置があるはず。区役所の説明では、確かに保険と税金の減免は可能とのこと。この人は確かに失業者であるとの証明があればいいとのこと。では具体的にどうすればいいか。ハローワークで雇用保険受給者証をもらってきて、提示すればいい。
お役所はわれわれ市民から、税金などお金を取ることは積極的にいってくるが、こっちが払うお金を負けてもらうことはだまっている。
小生は区役所に出向いて減免の制度はあるかと、聞いたから判った。もし、そういうことに気がつかなければ、失業者でありながらフルでお金を払わなければいけないところだった。
その時の区役所でのやり取りを再現してみよう。
まず、保険の窓口に行った。
「あのう、私、会社辞めて無職になったのですが」
「では国民健康保険に加入してください」
「加入しました」
「あ、そうですか」
次の人を呼ぼうとした。
「無収入になったのだから、保険代は負けてもらえるのですか」
「減免は可能です」
「どうすればいいですか」
「無収入であることを証明してください」
「具体的にどうすればいいのですか」
「どちらにもお勤めではないのですね」
「はい」
「雇用保険は受給されてますか」
「まだです」
「では、ハローワークで雇用保険受給者証をもらってきてください」
「それを見せればいいのですね」
「はい」
「雇用保険は収入にならないのですか?」
「なりません」
「税金も負けてもらえますか」
「わかりません。ここは保険の窓口です。3階の税金の窓口で聞いてください」
で、区役所の3階に行って、まったく同じやり取りをした。
この時点では小生は保険の切り替えをしている。国民健康保険に加入済み。ずっと自営でずっと国民健康保険の人ならば、いざ知らず、途中で国民健康保険に切り替える人は、ほとんどが小生のように会社を辞め、職を失った人だろう。当然、収入も失っている。だから保険の切り替え手続きの時に、保険代と税金の減免のことを教えるようにすれば、上記のごとき余計な手間をかけずに済む。
もう一度いう、役所は金を取るときは、市民にヤイヤイいってくるが、取る金を少なくする時は黙っている。こっちからいわなければ、そのまま取られ損。もし、これを読んでいる貴方が失業して直後なら、すぐに地元の役場に走ろう。
区役所からの帰りしな、年末ジャンボ宝クジを買う。3億円当たれば、求職活動をしなくてもいい。SF三昧。上方落語三昧。阪神タイガース三昧。料理三昧しながら、のんびりと好きなモノ書きでもして暮らそう。書斎を持とう。車も買おう。
つづく
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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減免もしてもらっています。年金に関しては数ヶ月間の全額免除をしてもらいましたが、税金は・・・気にしていませんでした。ちょっと確認してみます。
ほんとにねぇ、役所の人間はどうしようもないですよ。無知だと損をしますね。ワタシは役所に出向く時はガン押し体制で挑んでます。ある程度の知恵を持って利口に生きていかないと。
宝くじさえ当たれば・・・。明るい人生計画はいつもそこに集約されてます(笑)
失業中の保険料や住民税の減免制度には気が付かなかったなあ。
役所だけでなく、税務署も社会保険事務所も、取ることには熱心ですが、返すことには冷淡です。有益な制度はいろいろありますが、周知PRには不熱心ですから、自分から積極的に調べてみる姿勢が必要ですね。
例えば、社会保険の高額療養費控除や所得税の医療費控除の確定申告など、ポピュラーな制度でも案外知らずに損をしている人がいるようです。
「天は自らを助けるものを助ける」と言いますが、「天」を「お上」とか「役所・役人」に置き換えると、まさにその通りだと納得できます。
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