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晩節

 NHK「日本の話芸」を観る。きょうの演者は笑福亭仁鶴。演目は「壷算」
老いたな仁鶴。聞くにたえない落語であった。ところどころ「チッチッ」と舌打ちの音がする。つっかえた所も何ヶ所か。なによりも噺のテンポが緩慢で、実にダレた噺となっていた。起伏がなく、平板な板のような落語となった。
 6代目松鶴亡き後、仁鶴は事実上、笑福亭の総帥といっていい。いや、笑福亭のみならず、上方お笑い界の重鎮だ。7代目松鶴襲名を打診されたこともあった。
また、数々のギャグを流行らせ、タレント落語家の先駆けだ。若いころの噺はスピーディーでキレがあり、爆笑させられた。仁鶴、晩節を汚しているな。
 上方落語とともに小生が大好きなモノで晩節を汚しているご仁がいる。阪神タイガースの金本知憲のことである。金本は、常に優勝を狙える今の阪神タイガースを創った大功労者である。このことに異論を唱える阪神ファンはいないだろう。近年の阪神優勝の影には必ず金本の神がかり的な一打があった。骨折し片腕1本で打ったホームラン。頭にデッドボールを受けた次打席でのホームラン、などなど。
 ところが今年、肩の故障で連続フルイニング試合出場が途切れ、代打での出場となり、スタメン復帰はしたものの、また代打での出場で、連続試合出場の記録を続けている。最近の金本の代打は記録のためだけの代打といわれてもしかたがないだろう。代打の必要のない所で代打金本。桧山や関本、林など、他の選手の方がよさそうなのに代打金本。真弓監督は金本代打が1試合中のノルマとなっている。金本知憲晩節を汚しているな。
 笑福亭仁鶴、金本知憲、小生はこの二方の大ファンである。であった、との過去形でいいたくない。ご両所にはこのあたりで覚悟を決めていただきたい。 
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コメント
 
 
 
幕ひき (ひらさん)
2010-09-24 21:23:18
どの世界でも、「幕ひき」の難しさはありますね。
余力を残して幕をひくのがいいのでしょう。

雫石さんの今日の記事を読んで、5代目円楽の幕ひきの潔さを思い出していました。
円楽師匠の「浜野矩随」は秀逸で、涙が止まらず「よみうりホール」の座席から立てなかったことも思い出しました。

さて、今宵は枝雀師匠や吉朝師匠のCDを聞きつつ寝てしまいましょう。
(このお二人もある意味、幕ひきが早すぎましたなぁ。もっと落語を聞きたかったのに)

歯切れがよくて、「間」の取り方のうまいこと!
笑顔で夢の世界に行けそうです。
 
 
 
ひらさんさん (雫石鉄也)
2010-09-24 21:40:59
枝雀師匠、吉朝師匠のCDを聞きつつ就寝。
それはいいですね。
ほんと二人とも幕ひきが早すぎましたね。
枝雀師匠は、悩んで自分の落語をとことんまで、突き詰めた末の死でした。まことに痛ましいです。
吉朝師匠は病死です。ご本人は、さぞかし無念であったことでしょう。
ひく時ではないのに、自分の意志に反してひいてしまう人もおりますし、ひき時を失して、晩節を汚している人もいます。人さまざまですね。
 
 
 
晩節 (giants-55)
2010-09-26 15:16:00
笑福亭仁鶴師匠の出演していた此の番組、自分も偶然見ました。ザッピングしていて出くわしたのですが、感想は雫石様と全く同感でしたね。「衰えたなあ。」というのが正直な思い。「衰え」を逆手に取って、其れを「味」に出来てしまう芸人も居ない(乃至は居なかった)訳では無いけれど、彼の場合は露骨に「老い」だけが感じられた。タレント落語家の魁として楽しませてくれた方だけに、綺麗な形でフェイド・アウトして貰いたいという気持ちが在ります。

金本選手に関しても全く同感。ジャイアンツで言えば、晩年の堀内&柴田両選手の様に、「記録」の為だけに“生かされている”という感じがします。人間誰しも引き際は難しいけれど、大選手だけに晩節を此れ以上汚して欲しくないです。(チームとしては来季も現役を続けて欲しいという以降が在る様だけれど・・・。)
 
 
 
giants-55さん (雫石鉄也)
2010-09-26 16:27:02
仁鶴と金本。この二人が不幸なのは、偉大なるがゆえの孤独なのではないでしょうか。
笑福亭の大功労者で、トップの仁鶴。同じく阪神の大功労者で、選手はだれも一目置く存在の金本。
仁鶴に引退を勧める人はいません。真弓監督は八方美人で、金本をファームに落とすなんでことはとうていできません。金本に引退を勧める人もいません。
両者とも、本人の決断しだいですね。
 
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