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小松左京に出会う会私的レポート


 昨日は、例によって休日出勤なり。10時半まで会社で仕事。「小松左京に出会う会」に出かける。三宮の吉野家にてちょっと早いが昼食。ウナギ丼を食う。650円。夏だからウナギぐらい食いたいが、貧乏人につき今年のウナギはとても食えない。でも、650円のウナギなら食える。中国かどこやらから輸入したと思われるウナギの蒲焼をパックから出してチンして丼に乗っけただけ。別に吉野家に炭火でウナギを焼けとはいわないが、あんなとこは見たくなかった。
 12時には会場のサンケイホールブリーゼに着く。たくさんの人が開場を待っている。小生のSFのお仲間も来ている。堀晃さん喜多哲士さんともお会いしごあいさつを交わす。
 このサンケイホール。建て替える前は、桂米朝独演会や一門会で、何度か来たことがあったが、少し狭くなったような気がする。
 開演。まず追悼イベント実行委員長の石毛直道先生の開会あいさつ。この「小松左京に出会う会」は正式名称「宇宙の知性と融合した うかれ小松左京に出会う会」という長い名前。小松さんとは、ようするに「うかれ」だということ。うかれ=関西弁でいう所の「いちびり」お調子者。戦前、軍国教育の神戸1中(現県立神戸高校)時代、1月1日初日の出遥拝の時、小松さんは突然「♪地球の上に朝が来て~」と歌いだした。もちろん先生にこっぴどくどつかれた。
 基調講演は古くからの小松左京研究会のメンバーで、小樽商科大学の澤田芳郎教授。澤田氏は小松さんにインタビューして「小松左京自伝 実存を求めて」をまとめておられる。小松左京が私たちに問いかけている問いが三つある。
「文明とは何か」
「宇宙にとって人間とは何か」
「科学とは何か」
 小生(雫石)思うに、こういう問いかけをするには、SFが最適/SFしかない、のではないか。そのため、小松さんは、最もストレートに素直にSFを使ったのではないか。小松さんの畏友星新一は、星さんの発する情報そのものがSFだったのではないか。
 パネルディスカッションに移る。最初に四人が登壇された。基調講演をされた澤田氏。分子生物学者の下村健樹博士。小松さんの秘書を長年務められた乙部順子氏。司会は仏教大学の高田公理氏が務めた。
 乙部さんが秘書から見た小松さん。下村博士が映画「さよならジュピター」の考察を述べられた。
 少し遅れて、桂米朝師匠が桂米團治さんに伴われて登壇。さすが米朝師匠。出てきただけですごい存在感。そこにおられるだけで満足なのに、高田氏や米團治さんの問いかけに応えて、おしゃべりにならはる。これはもう、大満足である。とはいいつつも、師匠のおっしゃっていることは聞き取りにくいところも。米團治さんが通訳をしてくれる。ぽつりぽつりしゃべりはる米朝師匠の言葉一つ一つに会場は大うけ。
「小松さんは亡くなったで」
「ほう、そやったな。でもおるで」
「どこに」
「ほら、そこにおるがな」
「どこ」
「そこやがな。そこ」
「小松さんといっしょによう仕事したな」
「明日あうで」
「葬式の準備せなあかんな」
 もう、生きて動いてしゃべったはる米朝師匠を見れただけでも、今日来た甲斐があったというもの。これが最後でないことを米朝ファンとして切に祈る。
 このあと、映画「さよならジュピター」の上映。この映画のレビューは7月23日に掲載する予定。上映終了後、驚愕の演出が。小松さんが生き返った。
「乙部ちゃん、タバコや」で、小松さんの吸うタバコの煙がモクモク。
 イベント終了後、SFお仲間総勢9人と阪急トップビアガーデンに移動。一人3700円。飲み放題食い放題としてはちょっと高い目だとか。小生、飲み放題食い放題はあまり行かないからよく判らぬ。それでも満員盛況なり。ここは味も落ちたし、それに狭い。お代わりのビールや食べ物を取りに行くのに、ごめんごめんといって、隣のテーブルの人にイスを引いてもらわなあかんし、歩くルートをあらかじめ見ておかないと目的地にたどり着けない。それに床が水でべたべた。知らずにカバンを置いていたら、中の書類がぬれてしまった。もうここに来ることはあるまい。でも、涼しくって夜景はきれいだった。

 
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コメント
 
 
 
諸々 (giants-55)
2012-07-18 10:37:33
温かい御言葉を頂戴し、深謝に堪えません。有り難う御座いました。古くより覗かせて戴いているブログが次々に更新されなくなって行っている中、此方のブログは数少ない“戦友”の1つと思っております。此れからも、何卒宜しく御願い致します。

鰻、本当に高いですね。先達て、オーストラリア(だったと思うのですが)産の鰻に注目が集まっているという特集がTVで報じられていました。元々オーストラリア産の鰻というのは注目されていたものの、天然物は泥臭さが酷く、商業ベースには乗っていなかったとか。しかし養殖物、其れも泥をしっかりと抜いた物が供される様になった事で、中国や日本にも徐々に入って来ているそうです。日本の感覚から言うと可成り大振りで、一見「大味」そうな感じがするのだけれど、食してみると脂が乗っていて美味しいのだとか。価格も安く、今後はもっと日本に入って来るのではないかと。

昔、ドラゴンズに大豊選手というのが居ましたよね。台湾出身の選手で、今は50代位だと思うのですが、彼が以前鰻に付いて話していた事が印象に残っています。幼少時、近くの川で鰻を取って食べる事が多かったそうですが、取り方が凄い!青酸カリを川に撒いて、川面にプカプカ浮いて来たのを取るのだとか。「そんなの食べても、問題無かったのですか?」との問い掛けに、「体調を崩した者も居たけれど、自分は大丈夫だった。」と。大豊選手、恐るべし(笑)。

小松先生と言えば、個人的には手塚治虫先生との逸話が思い出されます。手塚先生の漫画、そしてエッセーで彼は良く登場した1人でしたから。
 
 
 
giants-55さん (雫石鉄也)
2012-07-18 11:09:23
こちらこそ、よろしくお願いします。
ウナギ、本当に高いですね。中国産ならいくらか安いですが、中国産のウナギは食べる気がしません。
子供のころ、よく川遊びをしました。魚捕りもしましたが、小フナなどに混じって、ウナギの稚魚がよく捕れました。ツマヨウジぐらいの半透明の魚です。
昨今はこのウナギの稚魚が少なくなっているそうですね。オーストラリア産のウナギに希望を託しますか。
大豊、阪神にもいましたね。
私にとっては、小松さんは最もおなじみの作家でした。改めてさみしさを感じております。
 
 
 
お疲れ様です (齊藤 想)
2012-07-20 11:28:05
小松左京に出会う会はなかなか盛況だったようですね。
最近OFF会等に参加するときに思うのですが、同じ目的を持つ人同士が顔を合わせられる機会というのは、本当に貴重だなと感じています。
いつか、何かのご縁で雫石さんにお会いできる機会があればいいなと、個人的に思っています。
映画のレポートを楽しみに待っています!
 
 
 
斎藤想さん (雫石鉄也)
2012-07-20 13:52:21
「小松左京に出会う会」大変、盛況でしたよ。
小松さんが、いかにみんなに親しまれていたかが、よく判りました。
私は、古くからのSF関係の友人がおりますので、SF関係のイベントに出ると、たいてい誰かに会います。会えば、たいてい飲み会です。こういう同好の士は大切だと思っています。
そうですね。いつか、どこかで斎藤さんともお会いしたいですね。何かに表彰式だと最高ですね。
 
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