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SFマガジン2015年4月号


SFマガジン2015年4月号 №708

雫石鉄也ひとり人気カウンター

1位 良い狩りを                ケン・リュウ 古沢嘉通訳
2位 ガニメデ守備隊              谷甲州
3位 長城(後編)               小田雅久仁
4位 怪獣ルクスビグラの足型を取った男     田中啓文  

連載
小角の城(第31回)              夢枕獏
絞首台の黙示録(第8回)             神林長平
マルドゥック・アノニマス(第2回)       冲方丁
青い海の宇宙港(第2回)            川端裕人
エピローグ(10)                円城塔  
椎名誠のニュートラル・コーナー 第44回
猛蛇注意              椎名誠
近代日本奇想小説史(大正・昭和篇)(第20回)  横田順彌
SFのある文学誌(第39回)           長山靖生
にゅうもん!西田藍の海外SF再入門(第3回)   西田藍
アニメもんのSF散歩(第3回)          藤津亮太
エンタメSF・ファンタジイの構造(第12回)   飯田一史
現代日本演劇のSF的諸相(第12回)       山崎健太

2000点到達記念特集
ハヤカワ文庫SF総解説 PART1(1~500)

 さてさてSFマガジン隔月刊化後の最初の1冊。これを機に心を入れ替えて、充実した内容にするとのことだが、どう充実したのか、楽しみにしてこの号を手に取った。少し分厚くなった。昔の2月号か臨時増刊号ほどの分厚さはないがそれに近い。そのぶんお値段も高くなって、1000円でお釣りがあったが、1000円を超すお値段。ま、そのお値段に見合う内容であれば文句はないが。
 まず、最初にほめておく。今月号のウリ「ハヤカワ文庫SF総解説」が非常に良かった。今まで同様の企画があったが、小生の知ってる限り最良の出来だ。
 解説の記事ひとつひとつがたいへん良く書けている。要領よく判りやすくコンパクトにまとめてある。紹介する作品の魅力を過不足なく読者に伝えてくれている。執筆者がSF好きということが良く判る文章で綴られているから、SFへの愛情が感じられる。また、ただその作品を紹介するだけではなく。その作品のSFにおける立ち位置や存在意義にまで言及している。しかも、多数の執筆者が同様の意識で執筆しているから、編集部の強い意向が判る。
 これを読んで、読みたい本を見つける読者もいるだろう。早川はそんな読者に応えるために、極力絶版本の再刊を望む。
 さて、本の雑誌社が「サンリオSF文庫総解説」を出して成功した、そして早川がこの企画をやっている。しかし、これらはあくまで前座ではないか。そこで早川さんのお願い。真打を出すべし。いわゆる「銀背」「ハヤカワ・SFシリーズ総解説」を出してもらいたい。これを出してもらうと小生たち古手のSFもんは感涙にうちふるえるだろう。
 特集企画をほめたところで、レギュラーの企画にふれよう。これは、もう、いつもの通り。月刊時代をまったくかわりばえがしない。円谷プロとのタイアップ。もういい。さして面白い企画とは思わぬ。もうやめたらどうか。
 横田順彌の「近代日本奇想小説史」と長山靖生の「SFのある文学誌」同じようなコンセプトの連載を限られら誌面なのに2本も載せるのはムダ。どちらか1本にすべし。
 連載が4本は多すぎ。単行本の原稿確保という出版社の都合は判るが、それはあくまで出版社の都合であって、われわれ読者は知ったことではない。隔月刊で連載小説を読ませるのはムリがあるのではないか。ゼロにしろとはいわぬ。せめて1本か2本にすべし。
     
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