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ざるそば


 朝食にそばを食う。暑い季節にはさっぱりと、そばで食事をすます、という人も多いだろう。しかし、そばは夏が一年中で一番不味い。新そばの収穫は晩秋に行われる。夏のそばは収穫して1年近く経っている。香り高い新そばを味わいたかったら11月ごろに食べるべきだろう。
 とはいいつつも夏にそばを食べたいときもある。私の今朝がそうだった。そばは三輪山本の「京そば」という乾麺を使った。つゆは、私の手作りをたくさん作ってカメにストックしている。
 実は私も一度、そば打ちに挑戦したことがあった。大失敗であった。いちおう、そばらしき細長い物体はできたが、ぼそぼそして食べられたもんじゃなかった。それ以来、そば打ちには手を出さないことにしている。
 よく中高年のオヤジが作務衣なんぞを着こんで、ひとくさりうんちくをたれながら、そば打ちをしているだろう。私もこのブログで料理のうんちくをたれるから、えらそうなことはいえないが、私には作務衣そば打ちの趣味はない。で、かようなオヤジは脱サラしてそば屋を開店したりする。私の近所にも、そういうそば屋がある。一度味見に行った。そばは、まあ、及第かな。ところがそこのオヤジ、作陶が趣味だとか。そば猪口など、食器は自作。そばは及第だが作陶は落第。なんとも珍妙なモノに酒の肴を入れてだしてきた。その店は関西の高級住宅地として有名な某市にあるが、私の隣席には、その某市の文化人(きどり?)らしき連中が陣取っていて、したり顔でそばや陶器に関するうんちくを披瀝しながら、そばをすすっていた。彼ら、あいさつに来たオヤジに、そのお笑い作陶をほめそやしていた。私は隣で、思わず口にしたそばを吹きだしてしまった。
 よく江戸っ子が、そばは先っちょにちょっとつゆをつけて食うべし、といっている。私は、アズマエビスがなにをいう。好きなように食うたらええねん、と思っていた。ところが本当にうまいそばは、江戸っ子のいう通りにして食べると、そばの香り、美味しさが純粋に味わえる。つゆは喉をスムースに通すための潤滑材だ。アズマエビスのイナカもんも正しいこともいう。
 私もそばは好きで、そばのうまい土地に行くと食べるように心がけている。車を持っているころは、毎年11月に出石に皿そばを食べにいっていた。出雲は、SFの古い友人がいて、毎年かの地でのSFイベントに参加していた。必ずそばを食べていた。出雲大社の正門の前の店が一番おいしかったかな。
 岩手で食べたそばもおいしかった。コピーライター時代、花巻に取材に行った時にそばを食べた。非常においしかった。岩手のそばというと、わんこそばが有名だが、あんな食べ方ではなく、ゆっくり食べると岩手のそばが一番おいしかった。
 
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