無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

自然菜園スクール11月(クン炭で焼き芋、堆肥の切り返し)

2016-11-23 17:36:07 | 自然菜園スクール
本日、




切り立ちこめる標高700mの長野県安曇野市で、11月の自然菜園(入門・実践合同)スクールを開催しました。

これまでに3回切り返した自然堆肥(畑の畦草、麦わら、モミガラ、米ぬかなど)を発酵させた堆肥もすっかり小さくなってしっとりとしてきました。

あと2回切り返したら、熟成させ来年から完熟した自然堆肥を畝立て、クラツキなど、教室で実際に使用しようと思っております。

自然堆肥造りは、正直手間がかかります。
手作り味噌のようなもので、自分で作るので、失敗しやすかったり、手間がかかったり、正直購入した方が早いと思われがちですが、
地域の有機物(土着菌も)を利用する点と、安全性の高い植物性の材料を使って堆肥造りするので、買えない高品質な堆肥ができます。

いきなり本を片手に造るのは難しくても、スクールで実際に造る体験をしておくと、身体で覚えてしまうので、
ポイントを押さえればその後自分たちでも再現して作ることができます。




全体の5%位の米ぬかをまぶしながら、乾いた部分に水をかけて補いながら切り返すと、失敗しにくくなります。


生徒さんも2回目の切り返しということもあり、段々切り返し積み上げるコツを覚えてきました。







今回は、寒くなってきたこともあり、先月収穫して熟成させておいたサツマイモをクン炭を焼きながら、同時に焼き芋にするコツも実践しました。

クン炭作りは、それ自体でも楽しいのですが、焼き芋やモミ酢作りも加わると、一石二鳥と楽しみ倍増です。

サツマイモは、良く洗い、焦げないように、濡れた新聞紙で包んでからアルミホイルで包む方法で、皮まで美味しく焼いていきます。






クン炭の焼き方は、いろいろありますが、短時間で3種類のクン炭を焼き分けるコツを実践しました。

種火が一番大切なので、最大火力になるちょっと手前になったら、




クン炭煙突を載せ、煙突から出る煙で、ワラや紙が焦げるまでしっかり空焼きし、




風上から空気が入りやすいように気をつけながら、もみを重ねていきます。




クン炭のクン炭たるゆえんは、鉄板の際で燻されてできていくモミの炭化です。






今回は、サツマイモを籾の間に重ねて芋も一緒に焼いていきます。


クン炭を焼き始めて、煙突から白い煙が出続けていたら、種火が消えずにしっかり火が燃え続けている証拠です。

クン炭を焼いている間に、


蕎麦の跡地の小麦の麦踏み






本科生(菜園区画つきスクール生)の個人指導。

今月のテーマは、秋野菜の美味しい収穫のタイミング、収穫の仕方、今年の反省、来年の春までにどのようなお世話ができて、
来年の菜園プランに活かせるかを自然観察を通じて学んでいきます。




私の場合、もみ殻は一度に積んでいくのではなく、どんどん加えていく方法をとっております。

最初から大きな山にすると、なかなか時間がかかってしまいますが、
ある程度焼けてきたタイミングで、クン炭煙突と焼けたクン炭の間に写真のようにもみ殻をサンドしていくととても早く焼くことができます。






ニンジン芋


上がパープルスイートロード、
下が、紅はるか


黄金千貫




低温長時間加熱と炭の遠赤外線のW効果で、3時間で270ℓのもみ殻と超おいしい焼き芋が同時に焼けました。

焼けたクン炭は、たっぷりの水(今回50ℓ以上)でしっかり水浸しになるように火を消し、灰(あく)を洗い流し、鎮圧して飛ばないように鎮火させて一晩以上置いてからしまいます。


焼き立ての煙くさいクン炭を堆肥の表面に撒くことで、冬の間ネズミの巣にならないようにします。




絨毯と薄いブルーシートで堆肥を保温し、再発酵を促します。

残すところあと1回で今年の自然菜園スクールも終わりになります。

雑誌や書籍でいろいろ伝えていても、伝えきれないことがたくさんあり、また実際に目で見て体験することで、頭だけでなく五感をフルに使って野菜と向き合えるのがスクールの特徴ともいえます。

来年度の自然菜園スクール2017は、より分かりやすく、より実践的にバージョンアップの予定なので、お楽しみにしていてくださいね。
ホームページから、12月末頃から募集を始める予定です。


2016年内容充実で、
『無農薬・自然菜園入門講座』が第一水曜日長野市城山公民館で18:30~21:30までスタートしています。
城山公民館での「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

来月は12/7(水)は、18:30~長野市城山公民館で自然菜園講座です。

・冬の土づくり/米ぬか、クン炭づくり
・無農薬野菜の種や品種の選び方など

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9 コメント

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緑肥ミックス (萩守正造)
2016-11-27 08:38:21
草マルチに使いたい、何㎝になれば切って使えますか
返信する
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-11-27 16:20:21
萩守正造さんへ

そうですね。
緑肥mixを春に蒔いた場合、一年草のエンバクが花が咲く直前のタイミングで、根元15㎝残して刈ると、エンバクが再生しやすく、他の緑肥作物にも光が当たり、生育が良くなります。

その後は、緑肥mixの中で、何かが花が咲いた時や、梅雨時期、秋など緑肥の再生が強い時に刈り取り、真夏や真冬は、余り刈り過ぎない方が、どんどん生えてきてくれます。

かといって、ある程度伸びてきた場合、株元15㎝位残して刈ることで、リフレッシュされ、かえって良く育つように刈るのがコツです。

つまり、ある程度大きくなるまでは刈らないで、葉や根に養分を貯まるように育てること。

花が咲くタイミングが一番養分がある草マルチが手に入るだけでなく、再生も早いものです。

2年目以降の多年草は、タイミング良く刈ることで、どんどん生えてくるようになります。

刈り過ぎると、再生が遅くなったりするので、

緑肥作物の葉色や勢いを観て、野菜の生育も観て、一番草マルチできるタイミングを見つけてください。

緑肥作物が良く育つように、通路にもみ殻を撒いたり、余った米ぬかを撒くのもいいですね。
返信する
なすの種取り (エマ)
2016-11-27 21:25:04
いつも拝見しております。
先日初めてなすの種取りをしました。
2ヶ月ほど木に成らしておき、色が変わってきたところで取って、しばらく追熟させていたのですが、柔らかくなってきたので割ってみました。すると種はたくさん出来ていたのですが、実の中ですでに発芽しているものが1~2割ありました。
実が柔らかくなり過ぎたせいでしょうか?
また、発芽していないものを選り分けたのですが、この種は使えますでしょうか?
返信する
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-11-28 16:12:40
エマさんへ

そうですね。
追熟中の温度が高すぎて、発芽してしまったのはないかと思います。

見た目で発芽したものはもうだけにしても、より分けは困難だと思います。

種を洗った後、発芽実験をしてみて、発芽率が50%なら、2倍の量を種まきすればよいと割り切ってみたらいかがでしょうか?
返信する
葱の定植時期 (高橋康晴)
2016-11-28 17:54:23
いつも大変参考にさせていただいております。

長ネギの定植時期、栽培について教えてください。

無肥料栽培では9月蒔きが良いと思うのですが、繁忙期のためここ数年は3月蒔きにしています。

しかし、育った葱は細く出荷の際に労力がかかるため出来るだけ太くしたいと思っています。

「これならできる自然菜園」では3月下旬播きだと4月中旬定植となっていますが、早い定植の方がよろしいのでしょうか。

種の袋などには3月蒔きの定植は6月~7月や6月~8月とあります。

今年は3月1日に播種して5月11日に定植いたしました。

実際の写真は
https://www.facebook.com/289573901095882/photos/?tab=album&album_id=948787251841207
こんな感じです。

何か良い方法がありますか。

宜しくお願い致します。
返信する
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-11-28 19:14:58
高橋康晴さんへ

そうですね。
プロの農家さんからのご質問は特に緊張しますね。

ネギの場合、種まきは、秋播き、春植え、夏移植、秋収穫が一番太く育つと思いますので、

農繁期の間でもできる方法として、セルトレー蒔きを現在発売中の「田舎暮らしの本」最新号11月号に「ネギ」ご紹介しております。

というのも、ネギは、寒さには強いものの、暑さには弱く、春播きですと、すぐに夏眠してしまい、秋に太る前に収穫になってしまいます。春播きは、来年の春~夏に収穫できるように育てると、大きくなりますよ。

ちなみに、私が1カ月後に定植(仮植)できるのは、セルトレーで植えるためです。

赤ひげ葱は、分けつ葱なので、余り太くなる前に、分けつしてしまうので、太さなら一本ネギに限ります。

私なら、春植えした葱の半分を売らずに、来年の苗にして、移植し、分けつさせて増やしますね。

あと、無肥料栽培であれば、自家採種とジャガイモ跡地のネギ栽培ははずせませんね。
返信する
有難うございます。 (高橋康晴)
2016-11-28 20:12:37
お忙しい中、早速のご返答有難うございます。

的確なご指摘参考になります。

品種選択と栽培方法をもう少し考えてみます。

有難うございました。
返信する
ありがとうございます (エマ)
2016-11-28 22:37:08
お忙しい中、お返事ありがとうございます。

家の中でいちばん涼しい、玄関に置いておいたのですが、なす的には暖か過ぎたのですね…

選り分けが大変だったのですが、逆に愛着がわいてしまいました。まずは発芽試験をしてみて、なんとか次に繋げていきたいと思います。
返信する
コメントありがとうございます。 (竹内 孝功)
2016-11-29 09:00:29
高橋康晴さんへ

お役に立てば幸いです。

まず、野菜を知り、自分を知り、風土を活かしその間を技術で支え合うのが農業かと思います。

また何かございましたら、ご質問ください。

エマさんへ

そうでしたか。

ナスは、発芽適温20~30℃とされ、最低限界温度は11℃、最高限界温度は35℃です。

ナスの種子は変温操作(昼間30℃、夜間20℃)をするとよくそろって発芽しますので、

何らかの要因が重なり、休眠が解け、発芽したくなったのでしょう。

自分のところに合った、自家採種のタイミングを見つけてみてください。
返信する

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