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【増税(通貨↑)と金融緩和(通貨↓)は相いれない?】消費税率10%程度なら「日本」は乗り越えられる④

2019-09-01 00:01:46 | 日本

前回からの続き)

 以前のこちらの記事に、現在のわが国(=本ブログでいう「アベノミクス日本」)では、株価と経済成長が逆相関になる、つまり株価が上がればGDPが下がり、その逆に株価が下がるとGDPが上がる、という、何とも奇妙な現象が生じています。その理由は、外国人投資家の投資行動(円キャリートレード)により、株高時には円安になり、株安時には円高になるから。本邦GDPの過半を占める個人消費は、円安になると円建てエネルギーコスト上昇の悪影響のために抑制され、いっぽうで円高になると同コストが低下し、これが実質的な消費減税としてプラスに働き、個人消費が喚起されるわけです。したがって、景気浮揚のためには、実体経済の主役である個人消費が活性化するよう仕向ける必要がありますが、どうするべきか?は自明でした、「日本」では。それは先述のように、消費増税が及ぼす消費へのダメージを緩和する方向でもあるわけです・・・

 この点、「アベノミクス日本」は「日本」とはまったく逆です。以前記事そして上の文脈に照らすと・・・実体経済浮揚よりも株価浮揚のほうを重視する、といった感じです。これまた何度も述べてきたように、アベノミクスとは「カブノミクス」すなわち「株(高)のみ」が取り柄であり、セールスポイントでもあるから、これに必然的に付きまとう円安(の消費等に与える負の影響)は見て見ないふりをするしかない、というわけです。その証拠に、安倍政権も黒田日銀も本邦メディアも、少なくとも今世紀、世界ワースト経済成長を達成(?)したのが、ギリシャでもロシアでもブラジルなどでもなく、ほかならぬアベノミクス日本であり、その真因が円安であることに一切、触れないでしょう?

 で上記からすれば、このたびの消費増税で当然のように懸念される「消費減退→株安」は、アベノミクス関係者がもっとも恐れる事態になります。そのとおり株価が下がってしまったらアベノミクスの「売り」は何もなくなる・・・ばかりか、その開始からこれまでにメッチャ高値で(?)買い漁ってきたリスク資産の円建て評価額が暴落し、わたしたちの「虎の子」たる年金原資の激減や、農林中金とかゆうちょ銀行といった政府系金融機関の債務超過転落(?)が露顕してしまい、国民各層から「高値掴み」の金銭的責任(?)を厳しく追及されかねません。よってアベノミクスは、消費増税に当たって、国民経済生活に前記「トリプルパンチ」を食らわすことが分かっていても円安・・・株高にすがるしかないでしょう。このあたり誰の目にも明らかだから、メディア報道は、景気が失速すれば日銀が追加緩和に踏み切る可能性をさかんに伝えているわけです・・・(?)

 さて追加緩和って追加の「異次元緩和」ようするに通貨安誘導策の強化なわけですが、これ今般の増税とは根本的に矛盾していますよね。だって、わたしたちは消費増税によって財政収支を改善して円の信認を維持向上させようとしているのに、日銀は逆にその価値を下げようと(円を安くしようと)いうのですから。黒田日銀をはじめとするアベノミクス各位は、このチグハグさにまったく気が付かない・・・くらいに「株のみ」に「くぎ付け」になっているのでしょうね、たぶん・・・(?)

(続く)

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2 コメント

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Unknown (藤田 備)
2019-09-01 03:11:24
2012年の開始から、ブログを読ませていただきました。
大変興味深い内容なのですが、私の学力理解力では、全てが良く解ったとはとても言えません。
何度も読み返し、反芻して考えても、おそらく他人に解釈説明できるまでに理解することは無理だろうと思います。
多分、何度も読み返す元気もないし、このまま離れてしまうと思いますが、論理の大体の骨格、50%位の内容は把握できていると思います。

ドルの金本位制が終わってから、米国の赤字から生まれた余剰ドルが膨らみ続け国際投資マネーとなり、世界を流動しながら実体経済を圧殺して様子は壮観ですらあります。
確かにもう大きな戦争を起こすことはできなくなっており、そういう結末は無理でしょうが、現代化された生活様式は脆弱華奢になり、荒廃と無秩序の中でのサバイバル生活は、厳しい淘汰を招くでしょう。
ゼロ金利時代は、当然資本主義を変化させていくでしょうが、食べて眠って愛するというシンプルな人間生活を確保できる、公平な経済システムを構築することは夢また夢の夢なのでしょうか?
Unknown (コメントありがとうございます。)
2019-09-05 22:51:01
 コメント、そして長いお付き合い、ありがとうございます。本ブログ、開始が2012年の春でしたので、もう7年以上も経ってしまったのですね・・・
 こうして日々、経済をおもなテーマとして徒然に綴りながら思うのは、日本という国がいかに偉大か、ということにつきます。
 ご指摘の、余剰ドルが国際投資マネーとなって世界を流動する壮観なさまを真に支えているのは日本ですし、ここでもし、わが国(≒日銀)がその役割を止めれば(金融政策の舵をほんの少しでも引き締め方向に切れば)、たちまちのうちにドルのパワーは失われてアメリカ・・・のみならず欧州、中・露・新興国は、経済恐慌と内乱の混沌に堕ちかねません(?)。その意味で、いまや末期症状にある世界経済がかろうじて生き永らえているのは日本のおかげ、いや正しくは、世界経済をここまで追い込んだのは、本当はわが国・・・の日銀というべきなのでしょうね、そのあたりの自覚がおありかどうかはともかく・・・
 「食べて眠って愛するというシンプルな人間生活を確保できる、公平な経済システムを構築する」って素敵じゃないですか。それは夢のまた夢?・・・とは思っていないんですよ。これ、わたしたち日本人なら実現できるじゃん?ってことを、このブログを通じて発信しているつもりなんですよ。もちろんいまのままでは夢のまた夢だけれど、それほど遠くない将来、これがわれらの現実となる、と信じるものです。もっともそのとき世界は・・・でしょうけれど?

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