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【冷戦終結:中ロがドルの軍門に降ったことを意味する】中国もロシアもアメリカ陣営だ②

2020-01-15 00:03:28 | 世界共通

前回からの続き)

 前回、中国およびロシアの「利益」とは米ドルであり、両国ともに貿易でこれを稼いで喜んでいる、といったことを書きました。となってくると両国民にとって、命の次に大切なおカネ、などというときのおカネとは、アメリカの通貨、ということになりますね・・・

 「アメリカ vs. 中ソ(旧ソ連)」という20世紀の冷戦の枠組みは、政治・外交的には、ベルリンの壁崩壊~東西ドイツ統一~ソ連解体等を経て消滅したわけですが、経済的には、中ソ両国がこうしてドルの軍門に降った―――両国民が自国の通貨よりもドルを信頼し、所有しようとした―――ことを意味していると考えています。そしてその状況は上記のようにいまも基本的には変化がありません。

 このあたりを象徴するのが、中ロの通貨管理です。つまり両国は人民元ルーブルの信認を裏打ちする資産(中央銀行の資産勘定)にドル・米国債を充てているわけです。自分たちの通貨には、こうして裏付けているドルに等しい価値がありますよ~とやっていることになります。

 どうでしょう。このように考えてみると、失礼ながら中ロ両国がいかにトホホか、ということが実感できるのではないでしょうか。両者とりわけロシアはアメリカに唯一対抗できるほどの核兵器大国であるうえ、そのアメリカを仮想敵にしているはずです。当たり前ですが、アメリカは自分たちをその核戦力の第一のターゲットにしているだろうからです。そんな憎き?敵の通貨に国民の大半はこうしてすがり、ドルを渡されれば、それこそ命以外は何でも差し出しかねない(?)わけです。何とも屈辱的でナサケナイ・・・ってよけいなお世話でしょうが・・・

 いっぽうのアメリカは、自分たちに次ぐ核兵器を持ち、かつ世界最高額の貿易黒字国である中ロを、こうしてドルでコントロールできるわけです。これ安全保障上、圧倒的なアドバンテージといえるでしょう。ドルがとにかく欲しい両者は、その発行国であるアメリカへの敵対行為を一定以上エスカレートさせることができないからです。そんな無茶をしたらアメリカから経済制裁等を食らって、ドルをゲットできなくなってしまいますからね。

 加えて、中ロが率先してドルを持つということは、それだけドルそして米国債の価値が支持される・・・から、米金利は低いレベルに保たれますこちらの記事等で指摘のとおり、アメリカの「アキレス腱」(外国に依存せざるを得ない国家的弱点)は「金利」(上昇懸念)ですが、こうして中ロがその上昇を抑えてくれるわけです、それも喜んで(?)・・・って、じゃあロシアは何であれほど対米核戦力を持っているの?って不思議な気持ちになるくらいに・・・

 何年か前、(たしかマット・デイモンが演じる)CIAエージェントがロシアの陰謀に立ち向かう、といったストーリーのアメリカ映画があったと記憶していますが、その恐るべき陰謀とは・・・とある日、ロシアが大量の米国債を売却してドル暴落と金利急騰を引き起こして・・・というものでした。もちろんこれ、ギリギリのところで阻止され、めでたしめでたし、となるわけですが、この話、次の2点で印象深く感じたものです。1つ目は、やはりアメリカ人は、エンタメ映画を見る人(つまり、普段は金融とは縁遠い一般国民)でさえ、外国人に米国債を売り浴びせられて自国の金利が跳ね上がることを超ヤバい!と認識しているんだな~ということ。そして2つ目は、この手の企ての主犯にロシアという、上述した理由から実際にはこんなことができるはずのない国にして、文字どおりこれをフィクションに仕立てていること・・・

 ・・・って、これロシアではなく、この国だったら・・・リアリティあり過ぎ?でコワくて映画にならないでしょう・・・って、それは・・・中国です・・・

(続く)

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7 コメント

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Unknown (イカマイ)
2020-01-16 21:51:02
レポ金利の急騰がわかんなくてネットサーフィンして
このサイトでなんとなく理解しました。
米レポ金利で事実上スタートしたQE4は凄いですね。

今円安で金高なんですがこれって米国にとってまずい状態ですね。

まずい状態だから今後円高になることは、確実と考えて良いでしょうか?

その場合円高で金高になりますか?




Unknown (コメントありがとうございます)
2020-01-19 19:30:32
 コメントありがとうございます。

 このままアメリカが財政赤字を拡大し、米国債をさらに振り出していけば、債券価格低下→金利上昇→株価・不動産価格等暴落→・・・などとなってアメリカは国家存亡の危機に瀕します。よってそうなる前にFRBが量的緩和策(QE)4弾を発動し、あふれる債券を買い支えするしかないだろう、と予想しています。そうなれば当然、大量の流動性が吐き出されるからドル安、そしてドルの信認低下に伴う金のドル建て価格の上昇は不可避かと(?)。先般書いたレポ金利の急騰や同市場の動揺は、これに先立って起こったことだと考えています。

 ドル安になれば市場原理的には当然、円高になり、よって円建て金価格のほうはそれほど上がらないということになりますが、実際どうなるかは不透明だと思います。いまはアベノミクスの世の中で円安が望ましいとされていますから、これを「異次元緩和」で演出している日銀は、円高進行を阻止するためには何でもやる、具体的にはFRBに代わって(?)ドル・米国債を買って円を無限に?散布する、みたいな超~金融緩和をやりかねないためです(って、これには法令等の改定が必要かもしれませんが)。その結果、ドル安は金に対しては進むが、円に対してはそれほど進まない、なんて可能性も考えられますね。

 ・・・となると日本人にとって、上記がもたらすインフレから自身の資産を守るために金を保有することが有効ということになります・・・っても、それはあくまでもアベノミクスが劣化一途のドルにこうして奈落の底まで?付き合っていく場合です。本来の日本経済の実力ならば、わたしたちは金を持たずとも円(預貯金≒日本国債)さえあれば大丈夫のはず。そして円高ドル安は放任すればいい。なぜならそれは石油・ガス・小麦などなどの値下がりというかたちで巨大な利益をわたしたちにもたらしてくれるからです・・・が、アベノミクスのままではそうはいかず、やはり金が必要なのかも?

 ということで、先を読むのが非常に難しいところですが、以上、個人的な見方まで。投資のご判断等は自己責任でお願いします。
Unknown (イカマイ)
2020-01-19 20:21:39
アメリカ、中国、ユーロ、日本、
すべての国が量的緩和をした場合、
=となって金だけが上昇するという
ことは、ありえるのでしょうか。
量的緩和をこのまま続けて
最初に金利上昇でダウンする国は、
中国、アメリカ、ユーロ、日本の順で
よろしいでしょうか。
Unknown (コメントありがとうございます)
2020-01-27 22:41:07
 量的緩和(QE)すなわち中央銀行による国債等の大規模買い入れが必要になるのは、政府が財政支出を拡大したせいで国債価格の下落圧力が高まり、このままでは金利上昇に歯止めがかからなくなりそうだ、となったとき。このニーズはアメリカや欧州の重債務国などにあることで、わが国には基本的にはありません。日本国債は実質利回りが大きいので、自ずとマネーがこれを買い支えるため、結果として本邦金利は低い水準に維持されるからです。

 QEにはインフレという、中銀が本来もっとも忌み嫌うべき強烈な副作用があります。実際、欧米では激しいインフレ―――資産バブルが生じています。これを軟着陸させるのはもはや不可能。へたに金融引き締めを進めてバブルを崩壊させたら、生命線の金融システムに巨額の公的資金を注入しなければならなくなりますが、その金額がデカ過ぎて、かの国々にはできないためです。したがって、いまは休止していても、じきにQEで低利マネーを市中にばらまき・・・といったことを繰り返していくでしょう(?)。そして最後には、不動産等ばかりかモノ(石油とか)やサービス(学費とか)のインフレも制御できなくなって経済や国民生活が破壊される・・・みたいなことになるのではないか、と・・・

 これと似た事情で、中国もQE的なことが必要になるだろうと予想しています。バブルが破裂すれば、社債のデフォルト等が相次いで、大損した投資家や債権者が騒ぎ出し、これが反政府運動等に発展しかねないためです。よって同国の中銀もQEでこれらボロ資産を高値で買い上げるしかなさそうです(?)。その顛末も欧米と同じでしょう・・・

 上述の理由で日本はQEを必要としません。しかし実際には「異次元緩和」と称して派手に行っているわけです。これは、そうしないと金利が上がってしまうから、ってもアメリカの、と理解しています(こうして日米金利差を大きくしてジャパンマネーを対米投資に誘導することで米金利の上昇を抑止する、という意図?)。もっともそれで金利が上がりにくくなったのをいいことに?アメリカは財政赤字を野放図に膨らませ、金利上昇への脆弱性やインフレの危険性をかえって高めてしまいました。なので、ひょっとして日銀はアメリカがこうして自ら首を絞めるのを見越してQEをしているのでは?と勘繰っています。バブル生成と崩壊そして資産デフレを自ら体験し、その恐ろしさを知り抜いているはずの日銀が、こうしてアメリカをバブルで激しく踊らせているのですからね・・・

 QEでインフレを制御できなくなった国々では通貨価値が劣化するから当然、金価格は上昇するでしょう。他方、これら各国の通貨はQE不要の日本の円に対して大きく下落すると想定されるから、円建て金価格はそれほど上がらないだろうと予想しています。もっとも現在の日本は先日コメントのような状況下にあるので、何ともいえませんが・・・

 ともかく、いまは各種金融マーケットに、主要国政府・中銀がQEみたいな市場原理に逆行する?操作で、かつ過剰に介入することが多いために、世界経済の先行きが非常に不透明になっています。ただいえることは、この手の市場介入、米欧中は(金利上昇抑止のために)必須だけど、日本にはいらない、ということ。にもかかわらず、どの国よりもこれを大規模にやっているからこそ、いまのアベノミクス的現状があるわけですが・・・
Unknown (イカマイ)
2020-01-29 21:36:47
金融緩和をやらないと日本以外の国は、
金利が急上昇してしまう。
日銀が日本株を買い占め(外国資本の排除)
今後世界中の株式を買い占める(日本による覇権)
のは、ある意味棄損する米国債券を購入するより、ある意味正しい選択と考えてよろしいでしょうか。
例えばマイクロソフトの株式を購入するほうが、米国債を購入するより日銀の選択として正しいと解釈してよろしいでしょうか。
株、不動産は、棄損しない。
最後に残った金が上昇し始めたのは最終局面でしょうか。
Unknown (コメントありがとうございます)
2020-02-10 22:18:41
 以前の記事にも書きましたが、本邦投資家が対外金融投資を行うとしたら、その対象は(中長期スパンで日本国債に実質利回りでは劣る可能性が高い)国債ではなく、(元本割れリスクを承知のうえで、ならば)株だと思っています。株なら、購入時より為替が円高外貨安になっても、その目減り分を上回る値上がりで、円換算でも円の預貯金以上のリターンを得られるケースが考えられるためです。ただし、いまは世界的な金融緩和の影響で株バブルが生じているうえ、極端な円安外貨高になっているから、外国株は高値掴みのおそれが大きく、したがって投資は見送りが妥当な判断かと・・・(?)

 日銀がいまの異次元緩和を(たとえば、付利を復活させる、など)少し引き締めただけで、市場ではマネーの巻き戻しが起こり、円高外貨安・株安が急激に進行するでしょう。そのときこそ、現在は冬眠を余儀なくされているジャパンマネー数百兆円!が怒涛の外資買いに向かうべき好機です。いまの1ドル110円くらいが同50円、30円・・・となれば当然?マイクロソフトやアップルなどの株価の円換算額は1/2以下~1/4程度にまで下がるため、多くの日本人投資家がこれらの株をこぞって買うでしょう。その結果、米系IT独占企業の大半が自ずとわたしたちの手に入る、という次第です。

 上記の成り行きは、欧米各国が信奉する「資本の論理」のとおりであり、よってアメリカなどにこれを警戒・批判される筋合いはないはず。であれば、わが国は、自分本来の実力がこうして最大限に発揮されるよう、その妨げでしかない現行の金融政策をさっさとあらためるべき、というのが本ブログの7年以上前(!?)からの変わらぬ主張です。

 もっとも、ジャパンマネーがこんなふうに世界を席巻し始めたら、アメリカを含めた諸外国は一斉に社会主義化する、つまり外資制限とか資本規制などで日本を排除しようとする・・・のではないか、なんてトホホな予感もしますけどね・・・
Unknown (イカマイ)
2020-02-11 13:48:15
ETF(個別選択は、難しい)で日本株購入することは、金融緩和をして通貨の棄損をしている以上正しい選択でしょうね。誰が考えたか不明ですが、
ただ、株が下がったとき日本政府が無知なマスコミの年金基金損失批判に対抗して購入を続行できるかは、疑問ですね。
現状でも日銀の株購入に対して社会主義化等批判するよくわかんない評論家多数いますから。
米国債はものすごい勢いで棄損し続けていることを彼らは理解していない。
昔は、株式持ち合いで外資の侵入防げましたけどどうなることやら、
外国株購入を日本円金融緩和で買い占め外国が自国産業保護で規制かけるまで日本が買い占めを続ける。
それをカウンターパンチにしないと
米国からの資本自由化要求から日本の産業は、守れないかもしれない。

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