『手話の世界を訪ねよう 』
亀井 伸孝、2009、『手話の世界を訪ねよう 』、岩波書店(岩波ジュニア新書)
著者からご恵贈いただきました。どうも、ありがとうございます。早速読んでみました。
本書は、手話に対する理解を深めるために書かれたのだが、その方法として文化人類学の考え方を使っている。フィールドワーク、参与観察、文化相対主義、エティックとエミック、多様性と普遍性、ラポールというキーワードがコラムの形で紹介されている。
本書のわかりやすさは、具体的にろう者の様子がわかるような事例を多く取り上げていることだろう。導入の部分でも、ろう者が市民会館に集まり、ろう者の大きな大会をしている様子が描かれる。また、聴者が少数者になる、テレパシーによるコミュニケーションが多数者になった状況を例にして、聴者が多数であることを無自覚でいること、少数者であるろう者を理解しないでいる状況を理解させようとする。この事例は、ろう者の問題ではなく、一般のマイノリティの問題の理解のためにも状況の提示としてなかなかいい方法だと思う。
さらに、新書版でコンパクトながら、ろう者の置かれている状況を理解するためにさまざまな事例を取り上げているので、ろう文化の学習の助けとなる。まずは、読むべし、さっそく授業で使って見よう。
著者からご恵贈いただきました。どうも、ありがとうございます。早速読んでみました。
本書は、手話に対する理解を深めるために書かれたのだが、その方法として文化人類学の考え方を使っている。フィールドワーク、参与観察、文化相対主義、エティックとエミック、多様性と普遍性、ラポールというキーワードがコラムの形で紹介されている。
本書のわかりやすさは、具体的にろう者の様子がわかるような事例を多く取り上げていることだろう。導入の部分でも、ろう者が市民会館に集まり、ろう者の大きな大会をしている様子が描かれる。また、聴者が少数者になる、テレパシーによるコミュニケーションが多数者になった状況を例にして、聴者が多数であることを無自覚でいること、少数者であるろう者を理解しないでいる状況を理解させようとする。この事例は、ろう者の問題ではなく、一般のマイノリティの問題の理解のためにも状況の提示としてなかなかいい方法だと思う。
さらに、新書版でコンパクトながら、ろう者の置かれている状況を理解するためにさまざまな事例を取り上げているので、ろう文化の学習の助けとなる。まずは、読むべし、さっそく授業で使って見よう。
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