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『牡蠣礼讃』

畠山重篤、2006、『牡蠣礼讃』、文春新書

本書は、「森は海の恋人」運動を実践する養牡蠣家の畠山重篤氏による、牡蠣に関わるあれこれが記されている。たまたま、最近、牡蠣のオリーブオイル煮などで牡蠣に興味を持ったのだが、とてもタイミングよく、日本と世界の牡蠣をめぐる歴史と現在を知ることができる。

子供のころから、牡蠣の土手鍋を食べていて、土鍋の土手に味噌を塗りつけて溶かしていく鍋を堪能していたのだが、実のところ、牡蠣のことはそれほど意識してはいなかった。しかし、本書を読んで、これまで意識せずして本書に書かれる牡蠣を食したこともあることに気がついた。
大学4年の時、島原半島に滞在したことがあるが、大学の先輩が海岸で岩についている牡蠣の存在を教えてくれて、一緒に採って海岸で食べるだけでなく、一鍋いっぱいに採って、酢牡蠣にして食べたことがある。これは、本書の「クマモト」か?先輩は、この地の出身で子供のころからこのような「採集」生活をしていたと言う。
オーストラリアで仕事をするようになってからは、オーストラリアの人々の牡蠣についてのこだわりを知ることになった。アリススプリングスと言う中央砂漠の町でも、生牡蠣を食べることができる。町が作られてまもなく、空輸システムを使って生牡蠣を砂漠の地にもたらすようになったのだと言う。牡蠣は、本書にもかかれるように、水がなくとも、ずいぶん長く生きながらえるらしい。
オーストラリアで著名な牡蠣はは、ロックオイスターである。シドニーの周辺で特定の一族による独占的な養殖産業が知られていて、たいていのレストランでは、生牡蠣を年中共されている。
また、たまたま出かけたニュージーランドでは、灰色の大振りのブラフオイスターの味も知った。今年、久しぶりに訪れたニュージーランドでは、あまりその恩恵を受けなかったのだが、ぜひそのうちに、また味わってみたい。

書評にもならないのだが、本書を読んで、牡蠣のおいしさを改めて思い出すことになった。牡蠣だけでなく、とりわけ沿岸の海産物は陸の環境変化を大きく受けるらしい。その意味でも、長くおいしい牡蠣を食するためには陸の環境を整えることの大事さを知るべきであろう。本書の著者の「森は海の恋人」運動はきわめて大切である。海の資源は、まさに自然の賜物、この恵みを末永く受けてゆくためには、このメカニズムを生活に生かしていかなければならない。環境教育のためにも本書は貴重であると思われる。

牡蠣礼讃

文藝春秋

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2006-12-17 22:01:21 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


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